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【コツがある】プログラム設計書とは?必要な項目や詳細設計書との違いも解説

【コツがある】プログラム設計書とは?必要な項目や詳細設計書との違いも解説のイメージ

プログラム設計書は、プログラミングの工程で必要となる設計書を指します。「正確なプログラミング作業が行える」「エラーを防ぐことができる」などの理由からプログラム設計書は必要です。

本記事では、プログラム設計書の概要を中心に、設計書の種類、書き方や書く時の注意点についてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

システム開発におけるプログラム設計書とは

システム開発を行う場合、工程ごとにさまざまな設計書を用意して開発を進めていくことになります。

プログラム設計書は、プログラミングの工程で必要となる設計書を指し、プログラムをどのようにに記述するのかといった内容を詳しく記載します。

詳細設計書の一部で、プログラム設計書に決まった書式はありませんが、一般的にはコードをすべて日本語にして記述するケースが多いでしょう。

プログラム設計書は他の設計書と比較しても、システムの実装工程に近いものであるといえます。

プログラム設計書と仕様書の違い

開発における「設計書」と「仕様書」の違いは、開発のどの段階(フェーズ)について記載してあるか、という点です。

「設計書」は開発するアプリをイメージ通りに完成させるために、どのような工程が必要かなどを記載しています。一方「仕様書」とは、開発するものに必要な要求事項がまとまっているものを指します。

つまり「設計書」は過程を、「仕様書」はゴール地点についてを記載しているといえます。また、「仕様書」は発注者が作成しますが、「設計書」は開発者が作成するという違いもあります。

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プログラム設計書が必要な理由

システム開発において、プログラム設計書を作成することにはさまざまなメリットがあります。特にプログラミング作業を円滑に進めるためにも、きちんとプログラム設計書を作成しておく必要があるでしょう。

また、プログラム設計書は保守運用の工程でも大いに役立ちます。ここではプログラム設計書を重要視すべき理由を解説していくため、参考にしてみてください。

円滑で正確なプログラミング作業が行える

プログラム設計書とは、プログラマーがプログラミングの指標として参照しながら開発作業を行うためのものです。プログラム設計書を用意しておくことで、プログラマーは円滑で正確なプログラミングが行えるでしょう。

また、プログラム設計書があると作業手順を理解しやすく、完成後のイメージもしやすいです。さらに余計な調査などを行う必要がなくなるため、プログラマーはコーディング作業に集中できます。

このような理由から、プログラム設計書はプログラミング作業の生産性の向上にもつながるでしょう。

エラーを防ぐことができる

プログラム設計書なしでコーディングを行う場合、プログラマーが自分の裁量でプログラムを記述することになります。

また特に規模の大きなプロジェクトになるほど、個人の裁量で行う必要がある部分は増えていきます。そのため、エラーが発生する確率も上がっていくでしょう。

しかし、プログラミングの指示書ともいえるプログラム設計書を用意しておくことで、多くのプログラマーが開発に携わる場合でもミスやエラーを軽減できます。

保守運用に関する管理の負担を軽減できる

システム開発は完成して納品すればそれで終わりというわけではなく、クライアントが安定的に利用できるように納品後も保守管理を行うことが一般的です。

しかし保守管理を行うメンバーは開発メンバーと異なるケースも多く、トラブル発生時には一から調査を行わなければいけなくなるため、時間や労力がかかります。

その点、プログラム設計書があればシステムの仕様やコードがわかるため、障害発生時の対応の負担は大幅に軽減されるでしょう。

システム開発で用いられる設計書の種類

システム開発プロジェクトでは、プログラム設計書の他にもさまざまな設計書が活用されています。エンジニアとしてシステム開発に携わる場合はどのような工程で、どのような設計書が用いられているのか把握しておく必要があるでしょう。

ここではシステム開発で用いられる設計書の種類を紹介していくため、参考にしてみてはいかがでしょうか。

提案書

提案書とは、システム開発の依頼主であるクライアントに対して導入するシステムの提案を行うためのものです。

提案書には、主に「クライアントの現状や課題」「システム導入の目的」「システム導入のメリット」「導入後に期待できる成果」「導入上の課題」「開発プロジェクトの概要や方針」「スケジュール」「業務範囲」「開発コスト」などを記述します。

提案書には決まった書式はありませんが、クライアントがシステム導入の意義を理解し、同意を得られるようにするためには、内容が伝わりやすい明確な提案書を作成することが大切です。

要件定義書

要件定義書とは、クライアントのニーズをシステムの機能としてまとめたドキュメントです。システムエンジニアがクライアントのニーズをヒアリングし、要件定義を行っていきます。

要件定義書はクライアントからシステム開発の合意を得るために作成します。そのため、専門的な知識がなくてもわかるように作成することが大切です。

要件定義書はこの後の工程で作成する設計書の元になるものであり、システム開発プロジェクトの第一歩となるため、非常に重要なものであるといえるでしょう。

外部設計書

外部設計書とは、システムを外から見た際の動作などをまとめたドキュメントです。要件定義書をもとに作成されます。

外部設計書では、システムの操作画面や操作方法、機能一覧、データの出力方法、業務フロー、帳票のレイアウトや出力項目など、ユーザーを対象とするさまざまな設計を行います。

外部設計書はクライアントとの情報共有に用いられるため、クライアントが見てもわかるように図表などを使って作成することが重要です。

内部設計書

内部設計書とは、システムの内部の動作などについて記述したドキュメントです。外部設計書の仕様を実現するための方法を記述したもので、クライアントではなく開発に携わるエンジニアが参照するものです。

内部設計書はシステムの内部構造や内部機能などについて決定していき、実際に内部設計書を見て実装ができるレベルにまで落とし込む必要があります。

また、プログラム設計書も内部設計書の一種となっていますが、プログラム設計書はプログラミングの方法を記述するものです。

プログラム設計書

プログラム設計書とは、プログラムの記述方法について詳しく示したドキュメントです。内部設計書の一種となっており、指示通りに記述することでプログラムが完成するレベルまで突き詰めます。

プログラム設計書では、これまでの工程で決定してきたさまざまな機能や仕様などを実際に実装できるようにプログラミング方法としてまとめていきます。そのため、プログラム設計書は実装工程に最も近いドキュメントだといえるでしょう。

テスト仕様書

テスト仕様書とは、システムが設計のとおりに動作するかどうかテストするためのドキュメントです。テストを行う際の具体的な方法をまとめたもので、テストする機能やテスト技法、テストの手順といった内容が記述されています。

テストでは開発したシステムに不備がないかどうか漏れなく検証を行いますが、テストはテスト仕様書の内容に沿って実施されます。そのため、漏れなくチェックできるようにテスト仕様書を作成することが重要です。

プログラム設計書に必要な項目・内容

プログラム設計書に記載する内容には明確な決まりは存在しません。また、企業によっても作成の仕方には違いがあるため、具体的にどのような項目を記述すれば良いのかわからないという人もいるでしょう。

一般的なプログラム設計で記載される項目にどのようなものがあるのか把握しておくと良いでしょう。ここではプログラム設計書に必要な項目を紹介していくため、参考にしてみてはいかがでしょうか。

変数名・クラス名・関数名及び定義

プログラム設計書では「変数名」や「クラス名」「関数名」、さらにこれらについての定義を記述します。こちらは専門用語であるため、クライアントが見ても理解することは難しいでしょう。

クライアント理解しやすいように、プログラム設計書を作成するためには、わかりやすい言葉で記述する必要があります。そのため、変数名やクラス名、関数名などについては、クライアントへの納品物の中には含まれないケースが多いです。

定数名の意味もしくは数値のリスト

プログラム設計書には、「定数名」の意味や数値のリストについて記述します。システム開発プロジェクトでは、多くの場合チーム単位で開発を行っていくことになります。

そのため、定数名や意味、数値のリストなどをプログラム設計書にまとめておき、誰が見ても何の数値なのかが一目でわかるようにしておくことが大切です。

使用するライブラリ

プログラム設計書には、プログラミングに使用するライブラリを記載します。ライブラリには、関数やクラスなどをまとめて中に入れておくことができます。

ライブラリには「静的ライブラリ」「動的ライブラリ」「共有ライブラリ」などの種類があるため、どのライブラリを使用するのかすぐにわかるように記載しておくようにしましょう。

作成者以外のメンバーが見ても、どのライブラリを使用するのかわかるように明確に記載しておくことが大切です。

データの引用先

プログラム設計書には、データを取ってくる場所を記載します。どのようなシステムを開発する場合でも、データベースを利用してデータを格納できるようにすることはほぼ必須です。

そのため、プログラム設計書ではデータをどのような単位で保持し、項目はどのような属性を持っているのかといったデータベースに関する情報を記載しておく必要があります。

そのほかプログラムに関する全ての事項

他にも実行モジュールや必要なソースコードなど、プログラムに関する項目は全てプログラム設計書に記載する必要があります。ただし、プログラム設計書をどの程度まで詳しく記載するのかは企業によっても異なります。

中には詳細なプログラム設計書を好まない企業も存在するため、そういった場合は機能のみのシンプルな設計書を作成するなど、会社の規定に従って作成することが大切です。

企業やプロジェクトなどに合わせてどのような項目が必要かを把握し、柔軟に対応できるようにしましょう。

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プログラム設計書の書き方・例

ここまでプログラム設計書に必要な項目について紹介してきましたが、具体的にどのような内容を記載すれば良いのかイメージしにくいという人も多いでしょう。

そのような場合は、プログラム設計書の書き方の具体例を見ることで、どのような書き方をすればよいのかイメージしやすくなります。ここではプログラム設計書の書き方や例について紹介していくため、参考にしてみてはいかがでしょうか。

関数定義の書き方

プログラム設計書にはさまざまな項目がありますが、関数定義を行うケースがあるでしょう。プログラム設計書で関数定義を記載する場合、設計書を見るだけでプログラムが書けるようにわかりやすく記載することが大切です。

以下に関数定義の書き方の例を紹介します。

書式・機能・引数・戻り値の関数定義の例

プログラム設計書における書式・機能・引数・戻り値の関数定義の書き方の例としては、以下のような書き方があります。

書式:boolean check_add_plus(int a,int b,int c)
機能:引数を加算した結果がプラスかどうかを真偽値で返す。
引数int aの意味:第一項
引数int bの意味:第二項
引数int cの意味:第三項
戻り値:true:プラスである
戻り値:false:プラスではない

わかりにくい関数定義の例

わかりにくい関数定義の例としては、以下のような書き方があります。以下では前述の書式・機能・引数・戻り値の関数定義と同じものを開発しますが、表現がわかりにくくなっています。

書式:boolean check_add_plus(int a,int b,int c)
機能:引数のint aとint bとint cを演算して、その結果がプラスかどうかを返り値で返す関数です。
引数int aの意味:変数1
引数int bの意味:変数2
引数int cの意味:変数3
戻り値:true:プラスのときに返します。
戻り値:false:プラスではないときに返します。

たとえば、機能では「加算」ではなく「演算」という表現を使っているため、どのような処理を作成すれが良いのか一目で判断することができません。さらに、全体の文章が冗長になっていることから、丁寧に記載しているつもりでも内容がわかりにくくなっています。

定数リストの書き方

プログラム設計書で定数リストを記載する場合、誰が見てもわかりやすいように定数リストを作成する必要があります。ここでは、Excelによる定数リストの書き方の例を紹介します。

Excelによる定数リストの例

プログラム設計書におけるExcelによる定数リストの書き方の例としては、以下のような書き方があります。

No|名称|値|型|クラス名|ファイル名|書式|説明
1|ITEM_LIMIT|100 |int|item|testcase.Java static final int|ITEM_LIMIT|アイテムの上限

上記のように長く記載しなくても、「名称」、「値」、「説明」の3つがあれば定数リストとして問題なく機能させることができるでしょう。

プログラム設計書を書くときの注意点

プログラム設計書は多くのプログラマーが参加するようなシステム開発プロジェクトにおいて、スムーズで正確なプログラミング業務を行うために重要なドキュメントです。しかし実際の開発現場では、プログラム設計書の作成において多くの注意点が存在しています。

事前にどのような注意点があるのか把握しておくことで、プログラム設計書の作成を円滑に行えるようになるでしょう。ここでは最後に、プログラム設計書を書くときの注意点について解説していきます。

プログラム設計書と詳細設計書の違いを理解しておく

設計書の名称は企業によって異なり、詳細設計書が内部設計書であったり、プログラム設計書であったりするケースもあります。

そのため、現場が指している設計書がどの設計書のことであるのか、早い段階で確認しておくことが大切です。

場合によっては意味が異なる設計書を混同しているケースもあり得るため、同僚やチームメンバーなどに尋ねてみると良いでしょう。

プログラム設計書を必要としない場合もある

現場によっては工数削減のためにプログラム設計書を作成していないケースもあります。

小規模な案件では詳細なプログラム設計を一々作成していると、作成作業によって業務が煩雑になり、開発効率が落ちてしまうケースもあります。

大規模なシステム開発ではプログラム設計書は非常に重要なドキュメントとなりますが、小規模な案件であればそれほど大きな意味はないでしょう。

プログラム設計書の作成には時間・労力がかかる

プログラム設計書の内容が詳細であればあるほどコーディング作業は行いやすくなります。しかしそのようなプログラム設計書の作成には、時間も手間もかかります。

詳細なプログラム設計書を作成しようと思うと、テキストの量自体も膨大な量になるでしょう。また、設計書を作成する段階で進捗が遅延してしまい、プロジェクトの進行にも悪影響を与えてしまうリスクもあります。

このような事態を避けるためには、プログラム設計書はどの程度細かく記載するべきなのかあらかじめルールを定めておくことが重要です。

属人化してしまうことがある

プログラム設計書は、作成者によって質にバラ付きが出るという問題点もあります。プログラム設計書が属人化してしまうと、設計書の内容が正しく伝わらなかったり、認識に齟齬が出たりするでしょう。

プログラム設計書の属人化を防ぐためには、プログラム設計書記載のルールを定める方法がありますが、手作業で作成を行う場合はルールを浸透させることは困難です。

このような場合は、プログラム設計書を作成するためのツールを導入することで、属人化を防止するのがおすすめです。

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プログラム設計書の書き方を正しく理解しよう

プログラム設計書は大規模なシステム開発において、生産性の高い開発作業を行うためにも重要なドキュメントです。

ぜひ本記事で紹介したシステム開発におけるプログラム設計書の概要やシステム開発で用いられる設計書の種類などを参考に、プログラム設計書やその書き方について理解を深めてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

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Branding Engineer編集部

Branding Engineerは、フリーランスエンジニアと企業のマッチングサービスである「Midworks」中心としたエンジニアプラットフォーム事業、総合WEBマーケティングソリューションサービス「Digital Arrow Partners」を中心としたマーケティングプラットフォーム事業を運営。

Branding Engineerは、フリーランスエンジニアと企業のマッチングサービスである「Midworks」中心としたエンジニアプラットフォーム事業、総合WEBマーケティングソリューションサービス「Digital Arrow Partners」を中心としたマーケティングプラットフォーム事業を運営。

記載されている内容は2024年04月28日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日
2020.05.08
更新日
2024.04.28

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