エンジニアの人事評価シートの設定すべき7つの項目とは?目的や注意点も解説
「人事評価シートとはそもそもなんだろう?」
「人事評価シートとはどのように使われているのだろう?」
このように、エンジニア評価シートに疑問を感じたことはないでしょうか。
この記事では、「エンジニアの人事評価とはどのようなものか」という疑問を解決していきます。さらに、シートを使用して人事評価する際にできることや、注意したいポイントもしっかり押さえて紹介します。
この記事を読むことで、人事評価シートについて詳しく知ることができ、企業が求めるスキルなどが把握できるため、キャリアアップやモチベーションアップにも繋がるでしょう。また、知識を付けておけばエンジニア業務に役立てることもできます。
これからフリーランスエンジニアとして働く人や、評価シートに疑問を感じる人は、この記事を参考にしてみましょう。
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エンジニアの人事評価シートとは
エンジニアとして働く人の人事評価では、能力や職務に対する取り組み方、社内で定められている項目を達成できているかが数値化されます。そのため、どの企業も同じ項目ではなく、様々な要素が含まれているのが特徴です。
エンジニアの人事評価シートは、今後の人事や給与面に反映されることも多いため、働く人にとっては非常に重要なものと言えます。
そもそも、エンジニアの仕事内容はプロセスが見えづらく、成果だけで判断しないようにするのが人事評価シートの役割です。
評価シートを受け取った人が納得できるものにする必要があるため、公平な評価が求められます。社員のモチベーションアップにも繋がる重要なものと言えるでしょう。
エンジニアの人事評価シートを活用する6つの目的
人事評価シートは、評価項目によって細かく分けられ、適切に管理されます。社員の能力を客観的に把握できるため、様々な面で活用できるのが人事評価シートのメリットと言えるでしょう。
ここでは、人事評価シートを活用してどのようなことができるのか解説します。
1:エンジニアのモチベーションアップを図る
人事評価シートを上手に活用できれば、エンジニアのモチベーションをアップさせることも可能です。
そのためには、評価する時は必ず基準を明確化して、社員がどのように行動すれば評価されるのかを示すことが重要です。評価基準を明確にしなければ、評価される人からは不満が噴出するでしょう。
公平に評価することで、意欲と業務成績の向上が望めるため、人事評価シートを効率的に役立てて行きましょう。
2:エンジニアのスキルを適正に評価する
システムエンジニアが担当する仕事は、企業などで使用するコンピューターシステムの設計や開発です。そのため、エンジニアの評価はスキルの有無によって左右されると言えるでしょう。
システムエンジニアの場合、ITスキルやプロジェクト管理能力などの資格が求められます。また、システムの制作過程では、多くのプログラマーをまとめて業務をすることになるため、コミュニケーション能力も評価項目となります。
エンジニアの種類によって必要なスキルが異なるため、その人物が所有しているスキルを正確に把握したうえで、適正に評価しましょう。
3:適切な処遇・待遇を与える
人事評価シートを活用すれば、処遇や待遇の基準を統一できます。人によって処遇や待遇の基準が異なれば、社員のモチベーションは下がります。また、処遇改善は、給与アップなど労働環境の改善にもつながるため、重視している社員も多いでしょう。
人事評価シートを活用して透明性を高めれば、社員も理解しやすく、信頼できる評価を与えられるようになります。
4:エンジニアに成長のきっかけを与える
人事評価シートに適切な目標を設定することで、エンジニアの能力を成長させられます。会社がどのような成果を求めているかが分かれば、社員も目標を立てやすくなるでしょう。
具体的な目標が提示され、それに向かって自主的に行動できるようになれば、必要なスキルの習得方法も自然に身に付きます。その結果、エンジニアは個々で成長できるでしょう。
ただし、業務の内容によっては、数値目標を掲げやすいものばかりとは限らないため、業務内容に合った対応が必須です。
5:企業が求めるスキル・仕事ぶりを明確にする
人事評価シートを導入するということは、社員に対して明確に評価基準を提示するということです。会社がどこに向かって進んでいくのか、何を求めているのかが明確になるため、社員同士が共有して取り組むことで、コミュニケーションも活発になるでしょう。
自分が求められていることを理解できれば、仕事も効率化でき目標も立てやすくなります。人事評価シートを活用することで、企業が求めるスキルまで効率よく到達できるでしょう。
6:エンジニアの質を向上させる
人事評価において、評価項目や評価基準が曖昧だと適切な評価はできません。同じ内容の仕事をしても、適切に評価されていないと感じれば、エンジニアはやる気を無くしてしまうでしょう。
評価者の心情やポイントにズレを無くすために、人事評価シートを役立ててください。
人事評価シートで一定の基準を設け、チェック項目をしっかりと決めておくことで漏れなく評価できるため、誰が評価しても同じ結果が得られるでしょう。
また、一定の判断基準があることで社員のモチベーションが上がり、業務の質も向上します。
エンジニアの人事評価シートに設定すべき7つの項目
ここまで、エンジニアの評価シートの活用方法を確認してきましたが、ご理解いただけたでしょうか。評価シートを導入することで、社員を公平に評価できるとともにモチベーションアップにも繋がるため、積極的に活用して行きましょう。
ここからは、どのような点にポイントを置いて人事評価シートの項目を設定すればよいか、詳しく紹介して行きます。
基本となる7つの項目を把握しておきましょう。
1:評価期間における目標
人事評価では、あらかじめ期間と目標を設定します。
目標を設定することで生産性を向上させ、どのように取り組めばよいのか理解できるようになります。会社や自分の部署の目標をしっかり理解することで、業務へのモチベーションにつなげるのが狙いです。
目標を設定する時は、社員の考えや要望などを考慮して決めましょう。
特にエンジニアの業務は数値化しにくいものが多く、目標設定がとても重要となります。それぞれの具体的な業務内容をもとに、会社の目標と個人に求める役割を考えて作成すると目標設定しやすいでしょう。
2:評価期間における実績
人事評価では、評価期間に掲げられた目標に対する達成率やプロセスを見ます。
初めに、上司と部下が話し合って業務目標を定め、決められた期間が終了したら、どこまで達成できたかを確認し評価するのが一般的です。
この項目を人事評価シートに加えることで達成度が数値化できるため、評価される側も理解しやすくなります。
3:仕事に対する意欲・熱意に関する評価内容
仕事に取り組む姿勢や意欲も人事評価シートの項目に加えると良いでしょう。
社員が持っている能力を、どれだけ業務で発揮できたかの評価が可能になります。専門的な評価項目があるエンジニアの仕事でも、細かく対応できるでしょう。
ここでは、日頃からどのようにして仕事を行っているか、遅刻や欠勤などの勤務態度も含めての評価になります。そのため、熱意をもって意欲的に取り組む姿勢を公平に評価できるでしょう。
4:エンジニアとしてのスキルに対する評価内容
エンジニアとしてまだ経験が浅いケースでは、今後の業務に役立つスキル習得を目標に掲げることも可能です。スキル習得には長時間かかる場合もあり、長い期間を設けて評価する必要があります。
具体的なスキルを選ぶ時は、習得後にどのような業務ができるようになるのかを考えながら、1~3年の長い期間で習得を目指しましょう。
スキルを習得することで業務の幅が広がれば、会社にとってもメリットになります。
5:生産性・効率に関する評価内容
従業員の定着率や意欲の向上につなげるために役立つ項目です。できるだけ少ない投資で多くの生産が叶えられれば、企業にとって大きなメリットになります。
生産性が高まれば、無駄な投資やコストをかけずに収益を得ることが可能です。また、短期間で効率よく仕事に取り組めれば、余った時間を新製品や新サービスの開発に充てることもできるでしょう。
さらに、短時間で仕事を終わらせて残業時間を減らせれば、社員は早めに帰宅してプライベートも充実させられます。
6:マネジメント力に対する評価内容
「マネジメント力」とは、人やもの、時間や道具を管理する能力のことです。マネジメントにはプロジェクトの管理や育成、評価などが求められます。
マネジメント能力が高い人は、組織が示したビジョンや方向性に基づいてメンバーの目標を設定し、リーダーシップをとれるでしょう。
また、マネジメント力がある人は、社会の情勢変化にも適正に対応でき、人材育成にも役立つことが期待できます。
7:取得している資格
専門職であるエンジニアの場合、資格を所有している社員も多く見られます。
エンジニアの国家資格は数が多く、難易度も様々ですが、業務に直接役立つ資格を有していれば業務が円滑に進められるため、評価に値すると言えるでしょう。
評価シートの項目に、「取得している資格」を加えることで、資格を保有していない社員との差が付けられます。
また、評価される資格を公表することで取得を目指す人が増えれば、レベルの高い仕事が望めるようになるでしょう。
人事評価シートをチェックする際の注意点5つ
日頃の仕事内容が評価される人事評価シートは、給料査定にも直接関係します。
人事評価シートを受け取ったら、自分がどのように評価されているのか必ず確認しましょう。会社側との認識の相違をなくすためにも、しっかりとチェックすることが重要です。
ここでは、評価シートを受け取った後に、しっかりと確認すべき点5つを紹介します。
1:達成可能な目標設定となっているか
人事評価シートで設定されている目標は、社員と企業の間で合致していることが前提です。
社員が自分の役割や仕事内容を理解していなければ、目標設定は難しいでしょう。また、企業の経営目標についても、すべての社員が把握しているとは限りません。
まずは、経営目標を理解しやすく改善し、社員全体に周知させることから始めましょう。経営目標を理解することで、社員も業務分担が分かるため、具体的な目標を決めやすくなります。
目標とする基準が達成可能な内容になっているか、決められた期間に達成できる内容かなど、しっかりと確認しましょう。
2:具体的な数値・実績に基づいて評価しているか
具体的な目標を定める際、業務が数値化される場合があります。それに対する達成率やプロセスを判断して評価することになりますが、エンジニアの業務は数値化されにくく、評価が曖昧になることもあるでしょう。
数値だけで判断せず、プロセスを考慮したうえで評価されているかチェックしてください。
これまでの実績も考えた上で評価されていることも重要です。特に、具体的な数値を達成しているケースで満足できる評価が下されているか、しっかりと確認してください。
3:評価ばかりでなく反省点も記されているか
評価シートには、良かった点と問題点を記載します。ここでは、目標達成できなかった理由について、簡潔に伝えられているかどうかをチェックしましょう。
例えば、一定期間を設けて設定した目標がどれくらい達成できたかを検討し、未達成の場合は、その原因がきちんと記されているかチェックします。
反省点が記されていれば、エンジニアも今までのプロセスを振り返れるため、次につながる良い結果が生み出せるでしょう。
4:冷静に評価されているか
評価シートは上司が書くもののため、完全に公平とは言えません。人間関係などで感情的に評価されていれば、正しい評価シートにならない場合もあるでしょう。
まずは、感情を挟まずに冷静に評価されているかチェックしてください。
評価シートに不公平さを感じる時は、会社(上司)の評価と自己評価のどちらかが間違っている可能性があります。
たとえば、成果を出したのに評価されていないケースであれば、会社の評価が適切でない場合もあるでしょう。
また、自分では結果を出したと思っていても、実は上司や先輩のフォローが大きく、結果だけを見て自己評価を高くしてしまったというケースもあります。
5:評価する側の評価基準にバラつきがないか
評価シートは本来、誰が書いても一定の基準になるように設定されています。
しかし、実際は不透明に感じる評価基準も多く、不満を感じている社員がいるのも実情です。特にエンジニア職は評価基準が曖昧になりやすく、正しく評価されていないと感じることも多いでしょう。
長期間働いている企業では、上司が変わるケースもあるでしょうが、そのような場合は、以前と評価基準が大きく異なっていないかなどをチェックしましょう。
フリーランスを採用した時の評価方法
正社員などの雇用形態にとらわれず働けるフリーランスには、高度なスキルを持った人が多く見られます。
社内の人間ではなく、フリーランスで働く人を評価する場合、企業側はどのように評価すれば良いのでしょうか。フリーランスの評価は、業務委託契約の内容に反映されます。
フリーランスは、エンジニアとしての専門スキルを持ち、人材不足を補ってくれる存在です。気持ちよく働ける環境を作れるように、フリーランスを採用した時の評価方法を学びましょう。
業務委託契約に記載すべき処遇
フリーランスで活躍するエンジニアは、会社にとっても必要な人材になるため、公平な評価が求められます。業務委託契約を結んでいるエンジニアには、社員と分け隔てない環境を用意しましょう。
業務委託契約では、契約期間が定められています。契約内容は個々によって様々なため、内容をしっかり確認したうえで、記載すべき処遇がある場合は評価に入れましょう。
業務委託契約の場合、評価するタイミングも正社員とは異なり、月々の報酬支払のタイミングや、契約期間終了または更新するタイミングで行うケースが多いと言われています。
正社員との差が出ないように評価しましょう。
エンジニアに人事評価シートを記入させるときのポイント3つ
人事評価シートの場合、エンジニアも自己評価を書くことになります。
エンジニアに必要な項目を書いてもらうことで、会社側では気づかない点を確認できるため、会社側の評価と大きく相違しないよう、記入して欲しいポイントをしっかり確認しておきましょう。
1:仕事に対する取り組み姿勢がわかるものとする
自己評価シートを書くためには、エンジニア自身が一定期間での業績や勤務態度を振り返る必要があります。客観的に自身の業務を見直せて、これからの課題や問題点に気づいて改善点を見つけてもらえるような書き方をしましょう。
契約期間中にどれだけの成果を上げられたか、目標達成はできたかを振り返り、企業にとって良い成果を与えられたなら、小さな事でも報告してもらいましょう。
人によっては自己評価が低いケースもあるため、客観的に考えてもらうように伝えるのがポイントです。
2:プロジェクトの工程や進捗管理の達成度がわかる内容とする
目標を達成するには、それぞれが成果を上げる必要があります。
プロジェクトの工程はきちんと守られていたか、日頃から進捗管理を怠らずできたかなど記入してもらいましょう。社員一人ひとりが、自分の進捗を管理することで、プロジェクトの達成意識が上がります。
また、達成しなかった場合でも、原因や問題点が見えれば、これからの課題が見つかるでしょう。進捗管理の達成度を記すことで、仲間とのコミュニケーションや、信頼関係を築く大切さに気づくこともあります。
3:業績への貢献度・コスト削減などが数値化できるものとする
開発部門ではコスト削減を求められることが多いため、そこで働くシステムエンジニアにとって、「コスト削減」という項目は1つの目標になるでしょう。
システム開発にかかるコストは、プロジェクト管理費や人件費です。システム開発にかかる期間が長いほどコストがかかるため、ツールなどを導入して作業を効率化するのも良いでしょう。開発期間を短くできればコスト削減にもつながります。
日頃の業務でコスト削減に取り組んだことや、業績への貢献度を具体的に記入してもらうことで、適切な評価がしやすくなります。
4:目標には期限が設けられているか
評価シートには、必ず目標達成の期限を書いてもらいましょう。
目標達成のための期限を設定することは、個人のモチベーション向上につながり、会社にとっても大きな力になります。期限があることで、スケジュールも立てやすく毎日の業務管理も簡単になるでしょう。
一般的に、目標を設定する際は、だいたい120%の力で到達できる程度が良いと言われています。チームで動くようなプロジェクトであれば、メンバーの実力に合わせた期限設定をするようにしましょう。
モチベーションをアップしてもらうためにも、目標期限は必要です。
適性な評価シートを用いてエンジニアのモチベーションをアップさせましょう
評価シートを活用すれば、会社と社員の間でスキルや課題などの重要事項を管理できます。
評価シートの項目は会社によって決めることが可能です。基準に沿った形で評価できるため、上手に活用して自社に合う評価シートを作りましょう。
また、評価シートを作ることでエンジニアが持っている能力も把握でき、処遇や人材開発にも役立てられるため、適切に管理できます。
評価シートをうまく運用して社員のモチベーションアップにつなげましょう。
Midworks おすすめの案件例
- 芝公園駅 / 港区月額80万〜90万円
- 新宿駅 / 新宿区月額70万〜90万円
- 本郷三丁目駅 / 文京区月額80万〜90万円
- 渋谷駅 / 渋谷区月額70万〜120万円
- 京橋駅 / 大阪市城東区月額100万〜200万円