フリーランスとして働くと、確定申告が必要です。しかし、事業所得が48万円以下である場合や副業の収入が20万円未満である場合、年末調整を受けていてその他所得がない場合などは確定申告しなくていい金額となります。どのような場合に確定申告が必要になるのかを知り、申告漏れがないように注意しましょう。
本記事では、フリーランスが確定申告しなくていい金額や条件をはじめ、申告の流れなど確定申告について詳しく解説しているので是非参考にしてみてください。
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確定申告が必要となる条件は?
自分で事業を行っている方であれば、確定申告は馴染みがあるものでしょう。しかし、会社に勤めている場合で、確定申告をしなければいけないケースの方が稀なため、馴染みがないという方もいるでしょう。
まずは確定申告が必要となる条件について紹介しますので、自身が確定申告が必要となるのかどうか理解しましょう。
個人事業主やフリーランスである
会社員であれば基本的に年末調整の手続きで会社が所得税の計算を行い、申告をしてくれます。
しかし、個人事業主やフリーランスは事業の売上や事業にかかった経費の集計を行い、確定申告でその年の所得を確定させ、申告する必要があります。
出典:確定申告が必要な方|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/b/01/1_06.htm
会社員で年収額が2,000万円以上ある
会社員であっても年収が2,000万円を1円でも超えてしまうと会社が年末調整をしてくれません。
そもそも年末調整とは、毎月差し引かれている所得税と1年間の所得が確定した段階で本来支払うべき所得税を再計算して差額がある部分を清算する手続きです。
そのため給与収入が2,000万円を超えている会社員は年末調整の手続きを自身で行い、その年の払うべき所得税を計算するために確定申告を行う必要があります。
出典:確定申告が必要な方|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/b/01/1_06.htm
会社員で2か所以上から給与を受けている
2か所以上から給与を受けており、受け取っている給与が2か所とも源泉徴収の対象になっている場合は、年末調整されなかった給与の収入金額とほかの所得金額の合計金額が20万円を超えると確定申告が必要です。
確定申告しなくていい金額として、給与所得の合計金額から所得控除の合計金額を差し引いた金額が150万円以下で、ほかの所得金額の合計金額が20万円以下という基準があります。
出典:確定申告が必要な方|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/b/01/1_06.htm
株取引で一定の利益がある
株式等を売却して譲渡益が発生している場合は、原則として確定申告が必要です。会社員で株取引をしている方は、給与と株取引で得た利益を確定申告する必要があります。
株取引で確定申告が不要なのは、特定口座で源泉徴収口座を選択し、申告不要にしているケースです。この場合は証券会社が株取引にかかる税金の計算をし、その分を源泉徴収してくれています。
株取引に関しては、確定申告が必要なのかどうか口座によって異なりますので注意しましょう。
出典:確定申告が必要な方|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/b/01/1_06.htm
本業の他に副業の収入がある
給与収入とは別にほかの所得の金額が20万円を超える場合は確定申告が必要になります。
最近は企業によっては副業が解禁となり、週末に副業をしている方もいるでしょう。副業の所得が20万円を超えた方は確定申告をしなければいけません。
確定申告をやったことがないという方は、申告漏れがないよう一層の注意が必要になります。
出典:確定申告が必要な方|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/b/01/1_06.htm
公的年金が一定額以上ある
公的年金等の受け取りが400万円を超える場合は、確定申告をしなければいけません。
ここでいう公的年金等とは、国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金などを指します。
ただし公的年金等が400万円を超えていなくても、その他の所得で20万円を超えてしまっている場合は確定申告をする必要があります。
出典:確定申告が必要な方|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/b/01/1_06.htm
確定申告しなくていい金額や条件は?
ここまでは、確定申告をしなければいけない条件についてみていきましたが、次に確定申告しなくていい金額や条件について紹介します。
確定申告を行うには必要書類をそろえたり、分からないことがあったら税務署で確認をしたりと意外と手間がかかります。
いくらまでだったら確定申告しなくていい金額なのかを覚えておくと、自分が確定申告をする必要があるのかどうかの把握できるでしょう。
事業所得が48万円以下である
個人事業主やフリーランスで、事業所得が48万円以下の場合は確定申告をする必要がありません。48万円というのは、確定申告や年末調整で所得税の計算をするときに、総所得から差し引ける基礎控除の金額です。
事業所得が48万円以下でほかの所得が無ければ、基礎控除を差し引くことで課税所得は0円になるため、所得税を納める必要がありません。
出典:確定申告が必要な方|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/b/01/1_06.htm
出典:No.1199 基礎控除|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm
副業の収入が20万円未満である
副業の収入が20万円未満の場合は、確定申告をする必要がありません。また、仮に収入が20万円を超えてしまった場合でも、所得が20万円を超えていなければ確定申告をしないで済みます。
確定申告しなくていい金額として、所得が20万円を超えるか超えないかが一つの基準というのを覚えておくといいでしょう。
出典:確定申告が必要な方|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2019/b/01/1_06.htm
年末調整を受けていてその他所得がない
会社員で年末調整を受けており、ほかに所得がない場合は原則として確定申告をする必要がありません。
年末調整を受けていても、医療費控除を利用する場合や住宅を購入して住宅ローン控除を受けようとする初年度は確定申告をしなければいけませんので、注意しましょう。
出典:No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
出典:住宅ローン控除を受ける方へ|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/info-jyutakukoujo.htm
フリーランスが確定申告するメリット
個人事業主やフリーランスが確定申告を行うことで、様々なメリットがあります。ただしそのメリットを享受するためには、一定の条件を満たす必要があります。
確定申告の手続きを理解するとともに、確定申告をすることで享受できるメリットを最大限生かせるようにしましょう。
収入や所得の証明ができる
事業所得が48万円以下で確定申告しなくていい金額であっても、確定申告をしておいた方がいい場合もあります。
会社員は年末調整後に発行される源泉徴収票が収入や所得の証明書になりますが、フリーランスの場合は源泉徴収票が手元にないため、収入や所得の証明ができません。
特に事業で借り入れをしたい場合や支援金の申請を行う場合に、税務署の収受印がある確定申告書の提出を求められたり、納税証明書を求められたりします。
確定申告しなくていい金額であっても、確定申告をして税務署の収受印が押されることで、収入や所得を証明する書類として使用できるようになります。
青色申告で事業の赤字を3年繰り越せる
青色申告承認申請書を提出した状態で、確定申告をおこなった場合は、仮に事業が赤字になってしまっても3年間は赤字が繰り越せるようになります。
事業所得で48万円以下の場合は基礎控除があって確定申告が不要ですが、赤字を繰り越す場合には確定申告書に損失申告用を添付する必要があります。
これは確定申告をしなければ受けられない特典であるため、少し手間であっても確定申告をするようにしましょう。
出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm
青色申告で最大65万円の控除が受けられる
青色申告承認申請書を提出した上で、一定水準の帳簿を付けて確定申告をすることで、最大で65万円の青色申告特別控除を受けられるようになります。
65万円の控除を受けるためには複式簿記で帳簿付けを行い、貸借対照表と損益計算書を付けた決算書を作成して確定申告書に添付する必要があります。
さらに、電子帳簿保存の要件を満たすか、e-taxによる電子申告を行った場合に受けられます。
もし電子帳簿保存の要件を満たしていなかったり、e-taxによる電子申告ではなく紙で提出していたりすると控除額は55万円になってしまいます。
出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm
所得税が還付される可能性が高い
個人事業主やフリーランスの方が確定申告をすると払いすぎている所得税が戻ってくる、いわゆる還付される可能性が高いです。
例えば先方に送る請求書や支払明細、支払調書をみると所得税が源泉徴収されている場合があります。
ここで源泉徴収されている所得税は報酬の支払金額に対して、100万円以下であれば10.21%、100万円超であれば支払額から100万円を差し引いた金額に20.42%かけて102,100円足した金額になり、報酬を得るために支払った経費や所得控除に関しては加味されていません。
そのため、確定申告をして報酬を得るために支払った経費や所得控除を差し引くことで、本来納めるべき所得税よりも源泉徴収されている所得税の方が多くなり、税金が還付されるといったケースが多いです。
出典:確定申告をすれば税金が戻る方|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2018/b/01/1_07.htm
フリーランスの確定申告の流れ
それではフリーランスが確定申告するにはどういった手順を踏んでいく必要があるのでしょうか。
ここでは、確定申告をするにあたって必要になる書類はどんなものがあるのかなど、フリーランスの確定申告の流れについて紹介します。
こまめに帳簿を付ける
確定申告をするには、その年の1月1日から12月31日までの収入と経費を把握する必要があります。また、青色申告の特別控除を受けるためには日々の帳簿付けが必須です。
そのため、会計ソフトを利用し日々の取引を漏れなく記帳して、貸借対照表や損益計算書を付けた決算書を作成できるようにしておく必要があるでしょう。
確定申告に必要な書類を整理する
確定申告に必要な書類は確定申告書B、事業の決算書、報酬の支払調書、社会保険料控除証明書、小規模企業共済等の控除証明書、生命保険や地震保険の控除証明書、寄付金をした場合は寄付金控除証明書、医療費控除の明細書などがあります。
必要な書類を事前に整理しておくことで、確定申告の時期に慌てて探すことがないようにしておきましょう。
確定申告に必要な資料を作成する
確定申告をする上で自身で作成する資料は、確定申告書Bと添付する事業の決算書の2つです。
会計ソフトを利用して帳簿付けをしている場合は、ソフトの機能を使って事業の売上と経費を集計した決算書の作成ができます。
決算書が作成できたら、事業の収入金額と所得金額を確定申告書Bに転記していきます。
計算した所得金額から所得控除を差し引くことで課税所得が算出され、最終的には自身が納めるべき所得税の金額が計算できるようになります。
申告する
確定申告は、その年の翌年2月16月から3月15日までに行う必要があります。
以前は作成した確定申告書と決算書、必要書類を税務署に提出する必要がありましたが今では電子申告で税務署に行かずとも確定申告ができるようになっています。
確定申告をしないとどうなる?
ここまで、確定申告が必要な条件や確定申告が必要ないケースについて紹介しましたが、確定申告が必要なのにもかかわらず確定申告を行わなかった場合や忘れてしまった場合はどうなるのでしょうか。
ここでは、確定申告をしないとどのようなことが起こるのか解説します。
税務署から督促状が届く
確定申告が必要なのにもかかわらず、そのまま放置をしていると税務署から催促状が届きます。
もし万が一何らかの事情があって確定申告をしておらず、催促状が届いてしまったら早急に確定申告をするようにしましょう。
出典:国税を期限内に納付できない場合には…|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/zeirishi/annai/pdf/004.pdf
督促状を放置すると無申告加算税や延滞税が課せられる
督促状を放置していると無申告加算税や延滞税が課されてしまいます。放置している期間が長ければ長いほどペナルティが大きくなり、納めるべき税金も増えていきます。
もし何か事情があって税金が納められない場合は、確定申告をした上で納税の猶予や換価の猶予といった制度を利用しましょう。
出典:No.2024 確定申告を忘れたとき|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm
確定申告が不要な場合でも申告するメリットはある
確定申告が必要ないケースに当てはまっていたとしても、確定申告をすることで様々なメリットがあります。
これからフリーランスになる方や副業として収入を得ている方は、この記事を参考に確定申告について知り、スムーズに確定申告を行えるようにしましょう。
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