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【弁護士監修】フリーランス新法施行はインボイス制度と関係あり!新法で禁じられる具体的な行為もご紹介

【弁護士監修】フリーランス新法施行はインボイス制度と関係あり!新法で禁じられる具体的な行為もご紹介のイメージ

この記事ではフリーランス新法とインボイス制度の関連や、フリーランスができるインボイス対策についてご紹介します。

・なぜフリーランス新法が施行されたのか気になる
・フリーランスとして注意しなければならないポイントを知りたい
・新法を踏まえてフリーランスはどうインボイス制度に向き合うべきかわからない

という方はぜひこの記事をチェックしてみてください。

フリーランス新法施行の背景とは

フリーランスの働き方が急速に広まる中、業務委託先とフリーランスの間での取引における不透明な契約や不適切な取引が問題視されることが増え、これに対応するための新しい法律が施行されることになりました。

この「フリーランス新法」は、フリーランスの権利を保護し、持続的な取引関係を確保するために策定されたものであり、同時にインボイス制度との関連性が議論されています。

フリーランス新法施行の1つの原因はインボイス制度

インボイス制度の導入は、フリーランスにとっても大きな影響を及ぼしています。

特に課税事業者のみが発行可能な「適格請求書(インボイス)」が要件となったことで、免税事業者として活動してきたフリーランスには新たな負担が生まれ、発注者側とのトラブルも懸念されるようになりました。

発注者がインボイスを求める一方で、免税事業者としてインボイスを発行できないフリーランスには不利な契約条件が提示されるケースも増えています。このような背景から、取引の透明性と公正さを担保するためのルールが求められ、フリーランス新法が施行されることになったのです。

フリーランス新法は下請法をカバーする役割もある

フリーランス新法は、これまで主に企業間取引を対象としていた「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」のカバー範囲を補完する役割も担っています。

下請法による規制対象は資本金が1,000万円を超える事業者に限定されているため、発注者の資本金が1,000万円を下回っていると、フリーランスを含めた下請事業者は保護を受けられませんでした。一方、フリーランス新法では、規制対象に資本金による限定がないため、多くの業務委託契約において、フリーランスや一人親方が保護の対象になります。

このため、発注側が一方的に契約条件を変更する行為や、報酬の支払いを遅延させる行為がフリーランス新法により規制され、取引の公正性がより一層強化されることが期待されています。

フリーランス新法で禁じられるインボイス制度上の3つの行為

フリーランス新法の施行により、インボイス制度に関連してフリーランスが不利な立場に置かれないよう、取引先の発注者が行ってはならない具体的な行為が定められました。
以下では、インボイス制度上で禁じられる具体的な3つの行為について詳しく解説します。

フリーランスに課税事業者になることを迫る

フリーランス新法では、正当な理由がないのに発注者が指定する物の購入・役務の利用を強制する行為が禁止されています。そのため、発注者がフリーランスに対して「課税事業者になること」を強要することができません。

インボイス制度により、発注者側は課税事業者からのみ適格請求書を受け取り、消費税の仕入税額控除を受けることが可能になります。

しかし、免税事業者であるフリーランスに対して課税事業者への転換を強要することは、事業者の選択の自由を侵害し、不当なプレッシャーとなります。

そのため、フリーランスの自主的な判断を尊重するためにも、発注者が課税事業者になることを無理に求める行為は禁止されています。

消費税分の報酬値上げ交渉に全く応じない

インボイス制度により、免税事業者であったフリーランスが課税事業者に転換した場合、消費税分の負担が生じます。そのため、この負担分を考慮した上で、発注者側に報酬の値上げ交渉を持ちかけることは当然の権利といえます。

フリーランス新法では、通常の相場に比べて著しく低い報酬額を不当に設定するなど、フリーランスに対する不当な取り扱いを禁止しています。発注者が値上げ交渉に全く応じない場合は、不当な取り扱いにあたると考えられます。

報酬の値上げ交渉に一切応じないことは、フリーランスの収益を圧迫し、不公正な取引環境を招くため、フリーランス新法ではこうした一方的な対応を防ぐ狙いがあります。

免税事業者に消費税に相当する額を支払わない

フリーランス新法は、フリーランスに帰責性(落ち度)がないのに、報酬を減額することも不当な取り扱いにあたるとして禁止しています。免税事業者であるフリーランスに対して、消費税に相当する額を一切支払わない行為も不当な取り扱いとして認められません。

免税事業者がインボイス制度上の不利益を被らないようにするために、消費税額分の配慮が求められるのです。免税事業者であっても事業運営には一定のコストがかかるため、消費税分を上乗せしないことは、取引における公正さを欠く行為になります。

このため、発注者側が適切な配慮を欠かさないよう、消費税相当分を支払わないことは法的に禁止されています。

【3選】フリーランスができるインボイス対策

インボイス制度の導入によって、フリーランスは課税事業者になるかどうかの選択を迫られます。

しかし、課税事業者になることで、消費税の申告や納税が必要になるほか、今後の取引や案件受注への影響も予想されます。ここでは、インボイス制度の影響に備え、フリーランスが取るべき具体的な対策について3つの方法を紹介します。

課税事業者になるデメリットを理解する

課税事業者になることはインボイスを発行できるメリットがある反面、いくつかのデメリットも伴います。まず、消費税の申告や納税が義務付けられるため、帳簿管理や事務手続きの負担が増える点が挙げられます。

また、消費税納付額は売上規模に応じて変動するため、予期しない支出が発生する可能性もあります。さらに、課税事業者として認定されると、免税事業者としての恩恵が受けられなくなるため、コスト構造が変わり、収益に影響が出ることも考えられます。

こうしたデメリットを理解した上で、フリーランスの方は課税事業者になるかどうか慎重に検討することが重要です。

今後の取引や案件受注への影響を把握する

インボイス制度により、発注者が課税事業者からのインボイスを求めるケースが増えるため、免税事業者のフリーランスが取引機会を失う可能性があります。

このリスクを把握するためには、既存の取引先にインボイスの発行が必要かどうか確認する、また今後の案件の受注条件についても事前にヒアリングを行うといった対応が有効です。

さらに、事業分野や取引相手によってインボイスの必要性が異なるため、インボイス制度が業界全体に与える影響も調査し、状況に応じた柔軟な対応を図ることが求められます。

課税事業者になる場合は簡易課税制度を検討する

課税事業者としてインボイス対応を行う場合、負担を軽減する方法として「簡易課税制度」の利用を検討することができます。

簡易課税制度とは、消費税額の計算方法を簡略化する制度であり、売上規模に応じた一定の割合を適用して消費税を計算できるため、実際の経費に基づく複雑な計算が不要となります。

この制度は事務負担を軽減する上で効果的ですが、利用するには事前の届け出が必要であるため、フリーランスとしての事業内容や取引先のニーズを考慮しながら、適用の可否を早めに検討しておくことが重要です。

フリーランスが知っておくべきフリーランス新法の注意点

フリーランス新法は、フリーランスの権利を守り取引の透明性を高めることを目的とした法律ですが、すべての状況においてフリーランスが完全に保護されるわけではありません。

フリーランスとして働く上で、法律の内容や留意すべきポイントを十分に理解し、トラブルを回避するための基礎知識を備えることが重要です。以下に、フリーランス新法に関する注意点と理解を深めるべきポイントを紹介します。

フリーランス新法への理解を深める必要がある

フリーランス新法の理解を深めるべきポイントとして、まず注目すべきは「契約内容の透明性」と「不当な取引の禁止」に関する規定です。

具体的には、報酬の支払い方法や支払期日の明確化、発注者が一方的に条件変更を行わないことなど、フリーランスと発注者の間で公平な契約が成立するための基本的なルールが定められています。

フリーランス新法は基本的に、発注者に対する義務や禁止事項などが定められていますが、フリーランス側もルールを把握しておかなければ、発注者の法律違反に気付けないまま、不当な扱いを受けるかもしれません 。これらのポイントについてしっかりと理解を深めることで、フリーランスとしての活動におけるリスク軽減につながります。

フリーランスの保護は絶対ではない

フリーランス新法はフリーランスを保護するための法律ですが、その保護が絶対的なものではない点を認識しておく必要があります。

法律が適用される範囲には制限があり、例えば発注者は、受領の拒否や返品、報酬の減額といった行為が禁止されますが、あくまでもフリーランスに帰責性がない場合に限られます。

法律に全面的に依存するのではなく、自らの責任でリスクを管理し、トラブルを未然に防ぐための備えをしておくことが求められます。契約内容や取引の詳細を十分に確認し、必要に応じて弁護士や専門家の助言を受けることも重要です。

フリーランス新法施行によるインボイス制度への影響値を把握しておこう

フリーランス新法とインボイス制度は、いずれもフリーランスの働き方や取引環境に大きな影響を及ぼす重要な制度です。

フリーランス新法は、フリーランスを保護するために取引の透明性を確保し、不当な取引を防ぐことを目的として施行されましたが、インボイス制度と組み合わせて考えると、特に課税事業者か免税事業者かの選択が大きな課題となります。

インボイス制度の影響を受けないための対策として、課税事業者になるかどうかの慎重な検討、取引先に対する受注条件の確認、簡易課税制度の利用といった対応が求められます。

また、フリーランス新法のポイントや注意点を正確に理解することで、不利な契約や報酬支払いの遅延といったリスクを回避しやすくなります。両制度の影響を正確に把握し、自らの事業環境に適した対応を行うことで、今後の取引をより円滑に進めることができるでしょう。

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記載されている内容は2025年11月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日
2025.06.03
更新日
2025.11.27

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