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フリーランスが行うべき節税対策とは?やりすぎで起こることもあわせて紹介

フリーランスが行うべき節税対策とは?やりすぎで起こることもあわせて紹介のイメージ

「フリーランスでも節税はできるの?」
「そもそも節税ってなにをすればいいの?」
フリーランスを考えている方やすでに活動している方には、このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

ビジネスの場面では、「経費」という言葉をよく耳にします。経費とは、収益を出すために支払った費用のことです。経費を計上することで、納税金額を抑えられます。実は、フリーランスでも経費の計上が可能です。

本記事では、フリーランスが行うべき節税対策について、詳しく紹介しています。また節税対策を意識しすぎることで起こる弊害についても、あわせて確認していきましょう。

この記事を読むことで、フリーランスが納める税金について、知識を得られます。効率的な節税対策を行うため、ぜひ参考にしてください。

フリーランスが納める税金

フリーランスが納める税金には、主に4つの種類があります。ただし、4つの納税義務が、すべてのフリーランスにあるわけではありません。納税義務が発生する条件を、詳しく確認しましょう。

個人事業税

個人事業税は、年間事業所得が290万円を超えた場合、納税義務が発生します。例えば、毎月24万円以上事業所得のある場合が対象です。

また、業種ごとに税率3~5%と異なります。自分が該当する業種の税率を、あらかじめ確認しておきましょう。

個人事業税は個別に申告することもできますが、基本的には所得税の確定申告と同時に行います。確定申告書の「事業税に関する事項」という項目に、必要事項を記載してください。

出典:個人事業税|東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ji.html#gaiyo_04

所得税

所得税とは、所得の種類に関わらず、年間一定額以上の所得を得ている方に、納税義務があります。所得の合計額が2,400万円以下の場合は、基礎控除が48万円となります。

また、所得税は超過累進課税により、所得合計額ごとの税率が定められています。超過累進課税とは、所得合計額が増すごとに税率も増していく仕組みです。

ただし、単純累進課税とは違い、一定額を超えた部分にのみ高い税率が課せられます。例えば、所得合計額200万円の場合は195万円までは税率5%、残り5万円に課せられる税率は10%です。

出典:所得税のしくみ|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_1.htm

住民税

住民税とは、住民票を登録している都道府県や、市区町村に収める税金です。納付額は、都道府県や市区町村によって異なります。住民税も事業税と同様で、所得税の確定申告をしている場合、個別の申告は必要ありません。

ただし、確定申告の必要がない方も、原則として住民税の申告義務があります。さらに、居住地とは異なる市区町村に事務所を持っている方は、申告漏れがないか確認しておきましょう。

出典:個人住民税|東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ju.html#gaiyo_01

消費税

消費税は、前々年の課税売上高が1,000万円以上の場合に、納税義務が発生し課税事業者になります。もし、課税売上高が1,000万円以上でも、開業から2年以内の場合は、納税義務のない免除事業者です。

ただし、前年の1月1日から6月30日の間に1,000万円以上の課税売上高を得た場合、課税事業者となります。その年から課税事業者として、税金を納める必要があります。

出典:消費税のしくみ|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_3.htm#page-top

フリーランスが行うべき節税対策

節税対策で重要なことは、書類上の利益をどのくらいまで削れるかです。各項目の税額は、申告書類に記載された金額をもとに計算します。つまり節税対策とは、申告書類に記載する金額を、合法的に調整することです。

なるべく経費として計上する

経費とは、事業で利益を出すために支払った費用のことです。経費として計上することで、帳簿上の利益を減らせます。フリーランスが、経費にできる勘定科目を確認していきましょう。

例えば、事務所を借りている場合には、家賃や電気代、ガス代を経費として計上できます。ただし、自宅兼事務所の場合は、全額を経費として計上することはできません。仕事兼プライベート用に使っているパソコンなども同様です。

兼用しているものは、仕事で利用している時間などで割合を決めます。割合について、法律上で定められた定義はありません。割合の根拠を質問されたとき、返答できる準備をしておく必要があります。

経費にできるもの

フリーランスが経費にできる項目は、次項の一覧の通りです。消費税や事業税、仕事用の住宅に関する固定資産税や、社用車の自動車税などの税金も経費にできます。

ただし、個人に対して納税義務が課せられる税金は対象外です。所得税や住民税、相続税などが該当します。

出典:帳簿のしかた|税務署
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/kichou03.pdf

勘定科目 具体例
租税公課 消費税、事業税、固定資産税、自動車税などの税金(所得税や住民税などは含まれません)
荷造運賃 商品の包装、荷造り、運送にかかる費用
水道光熱費 水道、電気、ガス代などの費用
旅費交通費 公共交通機関やタクシーの利用代、宿泊費など
通信費 電話代や切手、インターネット利用料など
広告宣伝費 店舗や自社製品の宣伝に利用した広告媒体など
接待交際費 取引先との会食などの接待費用
損害保険料 事務所の火災保険や、社用車の損害保険の料金など
修繕費 会社用の家具や備品の修理にかかる費用
消耗品費 文房具やガソリンなど、10万円未満かつ使用期間1年未満の消耗品代金
減価償却費 減価償却資産(建物や車両など)の一部を費用にしたもの
福利厚生費 従業員の健康のために支払った費用
給料賃金 従業員に労働の対価として支払った費用
外注工賃 外部に修理や加工の依頼をして支払った工賃
利子割引料 仕事で使うお金を借りたときの利子など
地代家賃 事務所などの賃貸費用
貸倒金 売掛金や受取手形などの回収不能になった金額
雑費 その他、仕事のために支払った費用

控除を受ける

控除を受けることで、所得税の減額ができます。控除の種類は大きく分けて、所得控除と税額控除の2種類です。

所得控除は、確定申告をするときに直接所得額の減額ができます。税額控除とは、その名の通り所得税額から差し引く控除です。

それぞれの控除の詳しい内容を確認していきましょう。ただし、日本国内に住所のない非居住者の場合、所得控除で受けられる控除は基礎控除・寄付金控除・雑損控除のみです。

出典:No.1100 所得控除のあらまし|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1100.htm

所得控除の種類

所得控除とは、所得税の計算に必要な所得額を少なく記載できる制度です。所得税は、所得額が少なければ少ないほど税率が低くなります。

また、基礎控除は、所得が2,500万円を超えない課税者全員が対象です。ただし、所得額が2,400万円から2,500万円の間に限り、控除額に差があります。該当する場合は、正しい控除額を確認しておきましょう。

出典:No.1100 所得控除のあらまし|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1100.htm

出典:No.1199 基礎控除|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm

名称 特徴
雑損控除 日常生活で必要なものが、自然災害や人為的災害などにより損害を被った場合に控除できます。
医療費控除 同年内の1月1日から12月31日までに、保険金を除く実際に支払った医療費が10万円以上の場合に控除できます。
社会保険料控除 社会保険料を支払っている場合、実際に支払った金額分が控除できます。
小規模企業共済など掛金控除 特定の共済契約、企業型年金加入者もしくは個人年金加入者、心身障がい者扶養共済制度いずれかの掛金を支払っている場合に控除できます。
生命保険料控除 生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料のいずれかを支払っている場合に控除できます。
地震保険料控除 平成18年12月31日までに損害保険などを契約し、平成19日1月1日以降に更新していない場合に控除できます。
寄付金控除 ふるさと納税など、公式な寄付の証明ができる場合に控除できます。
障がい者控除 同一生計の配偶者もしくは、扶養親族に障がい者がいる場合に控除できます。
寡婦控除 夫と離婚後、扶養家族を抱えて再婚をせずにいる方、もしくは、夫と死別または生死が明らかでない方で、合計所得金額が500万円以下の場合は控除できます。
ひとり親控除 事実上の婚姻関係がなく、1人で子供を育てている場合に控除できます。
勤労学生控除 納税者本人が学生の身分でありながら労働をしている場合に控除できます。
配偶者控除 同一生計の配偶者が、年間合計所得金額が48万円以下の場合に控除できます。
配偶者特別控除 同一生計の配偶者が、年間合計所得金額が48万円以上133万円以下で、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下の場合に控除できます。
扶養控除 同一生計の扶養親族の年齢によって、控除金額が異なります。
基礎控除 納税者本人の合計所得金額によって、控除金額が異なります。

税額控除の種類

所得控除を受けて、さらに税金を抑えられるのが税額控除です。税額控除で控除できる税金は、所得税のみではありません。税額控除を上手く利用することで、所得税と住民税の両方を減税できます。

出典:No.1200 税額控除|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1200.htm

名称 対象
配当控除 配当所得の10%から5%の金額を控除できます。
分配時調整外国税相当額控除 集団投資信託の収益分配時、外国所得税の金額分の控除ができます。
外国税額控除 外国で得た所得が、日本の課税対象の場合、一定額の控除ができます。
政党など寄付金特別控除 寄付金控除を受けず、政党もしくは政治資金団体に寄付をした場合に控除できます。
認定NPO法人など寄付金特別控除 寄付金控除を受けず、認定NPO法人などへ寄付をした場合に控除できます。
公益社団法人など寄付金特別控除 寄付金控除を受けず、公益社団法人へ寄付した場合に控除できます。
(特定増改築など)住宅借入金など特別控除 新築または増改築をした場合に控除できます。
住宅耐震改修特別控除 持ち家の耐震改修工事をした場合に控除できます。
住宅特定改修特別税額控除 バリアフリーや省エネ、多世帯同居、耐久性向上いずれかの改修工事をした場合に控除できます。
認定住宅新築など特別税額控除 認定長期優良住宅もしくは、認定低炭素住宅の取得などをした場合に控除できます。

青色申告で確定申告をする

確定申告には、白色申告と青色申告の2種類あります。主な違いは、提出書類と控除金額です。簡単に違いを説明すると、白色申告の場合は提出書類の作成は簡易ですが、特別控除は一切ありません。

一方の青色申告の場合は複式簿記の帳簿が義務付けられているため、提出書類の作成は複雑です。しかし、白色申告と違い、税額控除は最大65万円まで受けられます。

青色申告をする大きなメリットは、税額控除が受けられる点です。複式簿記という言葉すら、馴染みがない方は少なくありません。税額控除のため、この機会に帳簿の書き方を学んでみましょう。

出典:個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/index.htm


▶︎フリーランスには確定申告は必要?詳細記事はこちら!

節税のやりすぎで起こること

節税対策は、税金の負担を軽減するために行う行為です。しかし、節税対策も適度に行なわなければ、逆に不都合が生じる可能性を含んでいます。

次項では、実際にどのような不都合が起こるか、確認していきましょう。

さまざまな審査に通らない可能性がある

フリーランスが支払う税金の中で、節税対策しやすいものが所得税です。計算の基になる確定申告書の所得額を減らすことで、全体的な節税効果があります。

一方で、フリーランスの収入証明書として、課税証明書が必要になる場面があることを忘れてはいけません。課税証明書を提出することで、自分の所得額を証明できます。

過度な節税対策を行うと、比例して所得金額も過度に低く掲載されるため、注意が必要です。具体的には、クレジットカードや、住宅ローンの審査に影響を及ぼす可能性があることを、覚えておきましょう。

税務調査が入る可能性がある

正しく節税対策を行っていても、過度に減税されていると、書類上では怪しく見えてしまうこともあります。税務署が疑うことは、脱税行為です。疑わしい場合は、税務調査が行われます。

ただし、税務調査は、決して恐れるようなものではありません。例えば、帳簿の記載漏れなどがないか、もう一度自分で確認するように促される程度の場合もあります。素直に、指摘されたことに応じるようにしましょう。

上手に節税をしよう

税金を支払うことは、社会の一員として大切なことです。しかし、税金を支払うことで、自分や家族の生活が苦しくなっては、元も子もありません。正しい節税対策を行い、税金と上手に付き合っていきましょう。

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Branding Engineer編集部

株式会社Branding Engineerはエンジニアプラットフォームサービスである「Midworks」を運営。株式会社Branding Engineerが属するTWOSTONE&Sonsグループでは、エンジニアプラットフォームサービスにおけるエンジニアの連結登録数は50,000名を越え、連結稼働数も4,500名を、案件数も10,000件を超える。 ※登録数、稼働数、案件数は2024年10月発表時点の実績数値

株式会社Branding Engineerはエンジニアプラットフォームサービスである「Midworks」を運営。株式会社Branding Engineerが属するTWOSTONE&Sonsグループでは、エンジニアプラットフォームサービスにおけるエンジニアの連結登録数は50,000名を越え、連結稼働数も4,500名を、案件数も10,000件を超える。 ※登録数、稼働数、案件数は2024年10月発表時点の実績数値

記載されている内容は2024年11月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日
2022.05.16
更新日
2024.11.17

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