フリーランスのリスクとは?仕事面・生活面など状況別に詳しく紹介
フリーランスとして働くには、有給休暇がない、セーフティーネットが薄い、損害賠償を受ける可能性があるなどのリスクと向き合う必要があります。フリーランスのリスクについてしっかり理解をしたうえでフリーランスとしての独立を検討しましょう。
本記事では、フリーランスが抱えるリスクについて仕事面、生活面、その他に分けて解説しています。またリスクを減らす方法についても紹介しています。フリーランスとしての働き方に興味がある人は是非参考にしてみてください。
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フリーランスという働き方の背景
近年では会社に所属するのではなく、個人で契約して仕事を行うフリーランスという働き方を選択する人が増えています。フリーランスに興味を持っている人の中には、フリーランスが増えていることの背景について知りたいという人もいるでしょう。
ここではフリーランスという働き方の背景について解説していきます。
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個人事業主支援の増加
近年ではフリーランスを支援しているエージェントなどのサービスの中にも、フリーランスを支援する企業が増えてきています。
また、副業をしたい会社員や主婦などでも利用しやすいクラウドソーシングサイトも増えており、フリーランスが利用しやすいコワーキングスペースなども増えてきています。
このような個人事業主支援が増加していることで、フリーランスとして働く人の追い風になっていくことも考えられるでしょう。
労働者不足
IT業界などを中心に、人材不足の状態になっています。このように人材が足りていない状態であるため、企業の中には業務委託をするケースも多いため、フリーランスエンジニアは需要が高くなってきています。
今後も日本のフリーランス市場はアメリカの市場のように拡大していき、海外のように成長していく可能性もあるでしょう。
働き方の多様化
近年では会社員の働き方も多様化しており、オフィスに出社する働き方以外にテレワークなどの働き方も一般化してきています。また、出社時時間などを自分で調整できるフレックス制などを取り入れている企業も多いです。
このように働き方が多様化しつつあることにより、フリーランスという働き方が注目されるようになってきています。
フリーランスに向いていない人の特徴
フリーランスは会社員とは全く違う働き方であるため、人によって向き不向きがあります。フリーランスに向いていない人がフリーランスになった場合、会社員時代よりも仕事がうまくいかなくなってしまう可能性も高いでしょう。
ここではフリーランスに向いていない人の特徴について紹介していくため、自身に照らし合わせてみてはいかがでしょうか。
- 自己管理能力が低い
- 考えが甘い
- 営業が苦手
- 安定志向
- 事務手続きが苦手
自己管理能力が低い
フリーランスは働き方の自由度が高く、会社員のように決まった時間にオフィスに出社して仕事をするわけではありません。周りに同僚や先輩などもおらず、周りの目がないことから、ついつい怠けてしまう人もいます。
そのため、自己管理能力が低い人はフリーランスに向いていないと言えるでしょう。仕事のスケジュール管理や業務管理などもすべて行う必要があり、仕事の責任も全て自分で負うことになるため、自己管理ができないとすべて自分に跳ね返ってきます。
考えが甘い
フリーランスは楽して稼げるというような甘い考えでいる人は、フリーランスに向いていません。フリーランスは会社員よりも裁量権がある分、案件を獲得できなければ収入に繋がらないため、シビアな働き方になります。
フリーランスになれば簡単に収入がアップするというような甘い考えで独立してしまうと、うまくいかずに挫折してしまう可能性もあるでしょう。
営業が苦手
フリーランスは自分で営業活動を行って案件を獲得していくことになります。近年ではフリーランス向けのエージェントを活用する人が多いですが、担当者とのやりとりやクライアントとの面談などは発生するため、まったく営業活動を行わずに案件を獲得することはできません。
そのため、営業が苦手な人はフリーランスには向いていないと言えるでしょう。また、フリーランスは基本的に一人で仕事をすることになるため、困ったことがあっても誰かが助けてくれるわけではありません。
そのため、ある程度のコミュニケーションスキルが求められる仕事だと言えます。
安定志向
会社員の場合は毎月決まった給与を受け取ることができますが、フリーランスの場合は自分で案件を獲得していかなければ収入を得ることができません。仕事の仕方も短期的に案件を獲得していくケースがほとんどで、クライアントと長期的に契約を結ぶことは稀です。
また、仕事の単価や量によっても得られる報酬の金額は変わってきます。そのため、生活に安定を求めている人はフリーランスには向いていないと言えるでしょう。
フリーランスはどうしても不安定な働き方になるため、安定志向の人は余計なストレスを抱えながら仕事をすることになってしまいます。
事務手続きが苦手
会社員の場合、従業員の社会保険の手続きや税金関係の手続きなどは経理や総務などの専門の部署が行ってくれます。しかしフリーランスになった場合、これまで代行してもらっていたさまざまな事務手続きを自分で行わなければいけません。
たとえば住民税などの納税の手続きや確定申告のための記帳、税務署への書類の提出などさまざまな事務作業が発生するため、本業以外の作業が増えます。そのため、事務手続きが苦手な人はフリーランスに向いていないでしょう。
【仕事面】フリーランスのリスク
フリーランスは働く時間や場所などを自分で決めることができるため、会社員に比べて自由な働き方だというメリットがあります。しかし一方で、フリーランス特有のさまざまなリスクがあります。
フリーランスを目指す場合は、フリーランスという働き方のリスクについてもきちんと把握しておく必要があるでしょう。
フリーランスのリスクは、仕事面、生活面、その他にわけることができます。ここでは、まずは仕事面でのフリーランスのリスクについて解説していくため、どのようなリスクがあるのか参考にしてみてください。
有給休暇がない
会社員の場合、法律で一年間に取得しなければいけない有給休暇の日数が決まっています。そのため、一定の日数は働かなくでも給与を得られるというメリットがあります。
しかしフリーランスの場合は働くことで対価を得ているため、会社員のような有給休暇は存在しません。病気や怪我などによって仕事を休んだ日は報酬が入らなくなるため、休むほどに収入が減っていくというリスクがあります。
フリーランスとして働くには、自身の体調もしっかり管理することが重要だと言えるでしょう。
出典|参照:労働者の方へ | 年次有給休暇取得促進特設サイト | 働き方・休み方改善ポータルサイト
スキルを伸ばしにくい
フリーランスはスキルを伸ばしにくい点もリスクの一つです。会社員の場合は会社が研修や勉強会などを実施してくれることもあるため、スキルを磨く機会はあります。
しかしフリーランスの場合は自身でスキルアップしていこうとしなければ、スキルを磨く機会はなかなかないでしょう。また、自分が対応できる案件だけをこなしていても、なかなかスキルアップにはつながりません。
立場が弱い
フリーランスは会社員と違って後ろ盾もないため、立場が弱い存在だと言えます。クライアント企業とは仕事の上のパートナーという立場ですが、企業に雇用されているわけではないため、クライアントの都合で簡単に契約を切られてしまうリスクがあります。
企業にとっては雇用契約を結んでいる社員を解雇するよりも、フリーランスのクビを切るほうがはるかに手間もリスクもかかりません。
そのため、たとえ馴染みの取引先ができたとしても、相手の都合によっては突然契約を切られてしまう可能性があることは押さえておく必要があるでしょう。
マネジメントスキルが身につかない
フリーランスとして仕事をする場合、個人での作業が中心となります。そのため、フリーランスとして仕事をしていても、マネジメントスキルが身につかないというリスクがあります。
マネジメントスキルを磨くことができるのは、主に30代以上の正社員エンジニアです。フリーランスではなかなかマネジメント経験を積むことができないため、マネジメント経験を積んで上流工程の業務を担当したいエンジニアには不向きです。
不景気の影響を受けやすい
前述のフリーランスは立場が弱いというリスクに重なりますが、フリーランスは不景気の影響を受けやすい存在です。不景気になったりクライアント企業の経営が悪化したりすれば、真っ先に契約が切られてしまうでしょう。
このような不景気の影響によるリスクを軽減するためにも、急な契約打ち切りに備えて仕事をくれる人脈を形成しておく、複数のクライアントを確保しておく、フリーランス向けエージェントに登録しておくなどの対策を行っておくことが大切です。
【生活面】フリーランスのリスク
フリーランスという働き方は、生活面でもリスクがあります。生活面でのリスクは、フリーランスとして長く働くためにも無視することはできません。
ここでは、生活面でのフリーランスのリスクについて解説していくため、どのようなリスクがあるのか参考にしてみてください。
セーフティネットが薄い
フリーランスの場合、会社員と違い国民健康保険と国民年金に加入することになります。これらの社会保険は会社員の社会保険と比べても補償が弱いため、セーフティネットが薄いと言えます。
国民健康保険や国民年金の場合、会社員に比べると補償の内容や年金の金額も手薄です。また、会社員の場合は保険料などを会社が半分負担してくれますが、フリーランスの場合は全額支払う必要があります。
このようなリスクに備えるためにも、国民年金基金や付加年金制度の利用などを検討するようにしましょう。
長期休暇を取りにくい
前述のとおり、フリーランスには有給休暇が存在しないため、仕事を休むほどに収入が減るというリスクがあります。そのため、何らかの理由によって長期休暇を取らなければいけない場合、特に大きなリスクになるでしょう。
たとえば出産や育児、介護などのライフイベントが発生した場合、これまでのように収入を得ることができなくなってしまいます。
また、フリーランスとして仕事を獲得するには信頼も重要になってくるため、ライフイベントによって長期間仕事を休んでしまうと、再度フリーランスとして活動しようとした場合にマイナスになる可能性があります。
長期休暇を取らなければいけなくなった場合に備えて、事前に十分な貯金をしておくなどの対策を取っておくことが重要になるでしょう。
ローンを組みにくい
フリーランスは会社に雇用されているわけではないため、収入が不安定です。そのため、社会的な信用度も下がってしまいます。このような理由から、フリーランスになるとローンを組みにくくなるなどのリスクもあります。
他にも、クレジットカードの審査や賃貸契約の審査にも通りにくくなるため、このように社会的な信用が必要な契約を結ぶ場合は、会社員として働いているうちに審査に通っておく必要があるでしょう。
【その他】フリーランスのリスク
これまでに紹介した仕事面や生活面でのリスクの他に、フリーランスはクライアントとのトラブルに巻き込まれるなどのリスクもあります。フリーランスは会社員のように会社が守ってくれるわけではないため、トラブルが発生した場合は大きな損害を負う可能性もあります。
ここでは、仕事面や生活面以外でのフリーランスのリスクについて解説していくため、参考にしてみてはいかがでしょうか。
損害賠償を受ける可能性がある
フリーランスはクライアント企業から損害賠償を受けるリスクがあります。相手がブラック企業でなかったとしても、たとえばクライアントのオフィスで備品を破損した場合や、納品した成果物にバグがあった場合の瑕疵担保責任など、損害賠償を請求される可能性があるでしょう。
また、クライアント企業の機密情報や個人情報などを漏洩してしまった場合、たとえ故意でなかったとしても多額の損害賠償を請求されるリスクがあります。
このようなフリーランス特有のリスクに備える方法としては、個人で賠償責任保険に加入する、福利厚生として賠償責任保険を提供しているエージェントを利用するといった方法があります。
悪質なクライアントに出会う可能性がある
世の中にはさまざまな企業があり、中にはフリーランスに対して悪質な契約を持ちかける悪質なクライアントも存在しています。
悪質なクライアントに当たってしまった場合、フリーランス側が一方的に不利な契約を結ばされ、何度も無償で修正をしたり、報酬を支払ってもらえなかったりする可能性があります。そのため、あとからトラブルに発展する可能性も高いでしょう。
悪質なクライアントと避けるためには、自分自身でしっかりと契約内容を確認することが大切です。
フリーランスのリスクを減らすためには?
ここまで紹介したとおり、フリーランスは会社員よりも自由な働き方ではありますが、フリーランス特有のリスクも多いです。そのため、フリーランスとして独立を目指す場合は、できるだけリスクを減らせるように対策を行っておきましょう。
ここでは最後に、フリーランスのリスクを減らすための対策について解説するため、参考にしてみてはいかがでしょうか。
仕事を確保してから独立する
フリーランスとして独立したとしても、必ずしもすぐに仕事が見つかるとは限りません。独立してからしばらくは仕事が軌道に乗ることも難しいため、収入が不安定になりがちでしょう。
そのため、会社員時代の取引先などに独立する旨を伝えておき、独立後も仕事を発注してもらえる段取りをつけてから独立するようにしましょう。
フリーランスは景気によっても仕事がなくなるリスクが高いため、できるだけ複数の取引先を確保しておくことが重要です。
独立前に実績を積む
クライアントはフリーランスの実績を見て、案件を発注するかどうかを決めます。そのため、フリーランスとして仕事を獲得していくためには、実績を積むことが重要です。
フリーランスとして案件を獲得していくためには、独立前にしっかりと実績を積んでおくことが大切です。
高齢になったときの仕事の仕方を考えておく
フリーランスには定年はありません。しかし案件によっては「30代まで」などの年齢制限が設けられているケースも多いです。
また、クライアントの中にもできるだけ若い人材に案件を発注したいと考えているクライアントが多いため、高齢になるほど獲得できる仕事が減っていく可能性が高いです。
そのため、フリーランスとして独立するのであれば、高齢になってからの仕事の仕方についてもあらかじめ検討しておきましょう。たとえばプログラミングスクールの講師やアドバイザーなどの案件であれば、経験を活かして働くことができるでしょう。
フリーランスのリスクを理解しておこう
フリーランスにはさまざまなメリットがありますが、一方でフリーランス特有のリスクもあります。
ぜひ本記事で紹介したフリーランスに向いていない人の特徴やフリーランスのリスクなどを参考に、フリーランスのリスクについて把握してリスクを回避しながら活躍できるようにしましょう。
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