JavaScriptに将来性はあるのか？課題・有効な勉強方法も紹介

JavaScriptは「大半のWebサイトで用いられている」「世界標準で利用されている」「フレームワークが充実している」「活用範囲が幅広い」などの理由から将来性が高いと言われています。JavaScriptを取得できれば、スマホアプリ・Webアプリケーション・ブロックチェーンの開発が可能です。

本記事では、「JavaScriptの将来性はある」と言われている理由を中心に、JavaScriptでできること、有効な勉強方法について解説していきます。

JavaScriptの将来性があるとされる理由

プログラミング言語といっても複数の種類がある中で、JavaScriptはWebサイトの開発に欠かせない言語です。JavaScriptに興味を持っている人の中には、JavaScriptの将来性について知りたいという人も多いでしょう。

結論から述べると、JavaScriptには将来性があると言えます。ここではJavaScriptに将来性があるとされる理由について解説しますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

大半のWebサイトで用いられている

前述のとおり、JavaScriptはWebサイトの開発に欠かせないプログラミング言語です。JavaScriptはＷebページに動作を付与することができる言語で、JavaScriptを使用することでWebサイトにポップアップ表示やアニメーションなどを付けることができます。

このような理由から、多くのWebサイトの開発にJavaScriptが用いられているため、JavaScriptには将来性があると言えるでしょう。HTMLやCSSだけでもWebサイトを開発することは可能ですが、動的なWebサイトを開発するにはJavaScriptを使用する必要があります。

また、JavaScriptの代わりとなるプログラミング言語が現状では存在しないため、今後もWebサイトの開発でJavaScriptの需要がなくなることはないと言えるでしょう。

世界標準で用いられている

先に紹介したとおり、JavaScriptを使用した動的な要素を持つWebサイトは時代の主流となっています。さらに、Web開発などのフロント開発においてJavaScriptは世界標準と言えるポジションを確立しているため、JavaScriptには将来性があると言えるでしょう。

Web系のフロントエンド開発の需要は今度も加速していくことが予想されているため、JavaScriptの需要も高まっていくことが期待できます。

現時点ではJavaScriptとシェアを分けるようなWeb系言語も存在していないため、JavaScriptのポジションは今後も揺るぐことはないと言えるでしょう。

フレームワークが充実している

フレームワークとは、アプリケーションなどを開発する際にどの土台となるもののことを指します。

フレームワークには、そのアプリケーションに実装する必要がある機能やコードがあらかじめ用意されています。そのため、エンジニアは提供されている機能を利用するためのコードを記述するだけで、簡単に機能を実装することが可能です。

JavaScriptは世界的に多くの開発に用いられてきたプログラミング言語であるため、このようなフレームワークやライブラリが充実しています。

フレームワークやライブラリが充実しているということは、そのプログラミング言語で開発を行う際に、1から全てコードを記述して開発する必要がありません。

このように、JavaScriptであれば既存のフレームワークやライブラリを利用することで効率的な開発が可能になることから、JavaScriptには将来性があると言えるでしょう。

Webアプリケーションの活用範囲が非常に幅広い

JavaScriptを習得すれば、幅広い範囲でWebアプリケーションの開発に利用できるという点もJavaScriptの将来性が高い理由の一つです。JavaScriptはブラウザ上で動作するフロントサイドの言語ですが、Node.jsを利用すればサーバーサイドの開発にも対応できます。

そのため、JavaScriptはWebアプリケーションの開発に対して、フロントエンドからサーバーサイドまで活用することができます。また、Webアプリケーションだけでなく、JavaScriptを使ってAndroidアプリやiOSアプリを開発することも可能です。

JavaScriptに関する情報量が多い

JavaScriptは世界的に見ても需要が高く、一定のポジションを確立したプログラミング言語であるため、インターネットや書籍などに情報が多いというメリットがあります。

インターネットや書籍で情報量が多いということは、初心者からでも学びやすい言語ということになるため、JavaScriptには将来性があると言えるでしょう。

また、情報に手が届きやすいということは、不明点やバグがあった場合も自分で解決しやすいということになります。ただし、情報量が多いことでJavaScriptは学習コストが高くなっているという側面もあるため、その点においては理解しておいた方が良いでしょう。

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JavaScriptで可能となること

前述のとおり、JavaScriptは活用範囲の広いプログラミング言語です。もともとはWeb系のフロントエンド開発に用いられる言語ですが、非常に汎用性が高いため、サーバー側のバックエンドの開発にも対応可能です。

JavaScriptを利用することで、Webサイトの開発の以外に、スマホアプリの開発やブロックチェーンの開発なども可能になるでしょう。

ここではJavaScriptで可能となることを紹介します。

スマホアプリの開発

スマホアプリの開発と言うと、Androidアプリの場合はJavaやKotlin、iOSアプリの場合はSwiftなどのプログラミング言語が用いられるイメージがあります。しかしJavaScriptであれば、どちらのスマホアプリの開発も実現可能です。

JavaScriptはパソコンだけでなく、スマートフォンなどさまざまなプラットフォームでの利用に対応しています。また、JavaScriptを使用することで、スマホアプリにアニメーションやボタン機能などさまざまな機能を実装することができます。

このように、スマホアプリ開発のために別のプログラミング言語を習得しなくても、JavaScriptだけでスマホアプリの開発を行うことが可能です。そのため、近年ではJavaScriptを習得した人がスマホアプリの開発を行うケースも増えてきています。

Webアプリケーションの開発

前述のとおり、JavaScriptはフロントエンドはもちろん、サーバーサイドの開発にも対応可能です。Webサイトのような表示の部分の開発だけでなく、Webサイトの裏で動いている処理にもJavaScriptは利用されています。

Webアプリケーションを開発する場合、アプリケーションの表の表示だけでなく、会員登録やデータの取得などバックエンド側の処理も開発する必要があります。その点、JavaScriptであればどちらにも対応することができるため、Webアプリケーションの開発にも対応可能です。

また、RubyやPHPなどのサーバーサイドの言語と連動することで、データ処理を行い、結果を反映させることも可能になります。実際に、JavaScriptはGoogleスプレッドシートやYouTubeなどのWebアプリケーションにも利用されています。

ブロックチェーンの開発

JavaScriptはブロックチェーンの開発にも用いられています。ブロックチェーンとはデータベース技術の一つで、取引記録を暗号技術によってブロックと呼ばれる単位で管理し、過去から1本の鎖のように連結することで、正確な取引履歴を維持する技術です。

ブロックチェーン技術はビットコインなどの仮想通貨に必要不可欠な技術です。ブロックチェーンはネットワーク上にある複数の端末同士を接続し、同様の情報を保持させることから、JavaScriptが活用できる分野であると言えるでしょう。

通信の円滑化などユーザビリティの向上

JavaScriptを用いることで、非同期通信の技術を扱えるようになります。JavaScriptの非同期通信の機能を使用すれば、動的なインターフェースでも画面推移を行う必要なくデータの読み込みが実現できます。

そのため、JavaScriptを利用することで通信の円滑化によるユーザビリティの向上が実現できると言えるでしょう。

たとえば、JavaScriptで開発されたスマートフォン向けの地図アプリなどの場合、非同期通信の技術を用いることで、画面をスクロールしながら目的地を探すことが可能になっています。

他にも、近年ではシングルページアプリケーションや画面推移することなく情報を提供し続ける無限スクロールなどの技術にJavaScriptが利用されています。

JavaScriptの課題

ここまでJavaScriptの将来性があると言える理由について解説してきましたが、逆にJavaScriptの将来性を危惧する声があることも事実です。

JavaScriptは汎用性が高く多くの開発現場で利用されてきたプログラミング言語ですが、他の言語に比べて頻繁にアップデートされるなど、いくつかの課題も抱えています。

JavaScriptの将来性を考える上で、具体的にどのような課題があるのか把握しておくことも重要だと言えるでしょう。ここでは、JavaScriptが抱えている課題について解説します。

アップデートの頻度が多い

JavaScriptは他のプログラミング言語と比較しても、アップデートの頻度が多いという特徴があります。頻繁にアップデートが行われるということは、不具合の修正や新しい機能の実装など言語としてブラッシュアップされることになるため、メリットと言えます。

しかし頻繁に言語仕様が変わるという意味でもあるため、JavaScriptを扱うエンジニアにとっては負担になると言えるでしょう。また、新しい機能が追加されたことによって、JavaScriptを使って開発したプログラムに再テストや仕様変更が必要になることもあります。

このようなケースでは、エンジニアの工数負荷も増えてしまいます。このように、仕様変更が頻繁に行われることによる技術的な対応がエンジニアの負担になりやすい点は、JavaScriptの課題と言えるでしょう。

記述方法が非常に多い

JavaScriptは他のプログラミング言語と比較しても、比較的自由な記述ができる言語です。自由な書き方でコーディングすることができるということは、同じ内容のコードでもエンジニアによって書き方が異なるということです。

また、学習レベルによってもソースコードが大きく異なるため、コードが共有しにくく、開発者以外の人がコードを読む際に読み間違えるリスクも高くなります。そのため、バグなどの間違いが起きやすいという課題があります。

JavaScriptを開発に利用する場合は、書き方を統一して、このような問題が起きないようにすることが大切です。

リリース前のテストが煩雑である

JavaScriptのデメリットとして、実行時にエラーを検知する能力が低いという点が挙げられます。そのため、JavaScriptで開発を行う場合、リリース前のテストが大変であるという課題があります。

JavaScriptは他のプログラミング言語と比べてもデバッグが大変であるため、経験のあるエンジニアでもバグをつぶすのが困難です。また、JavaScriptはメジャーな言語であり標準化されているとも言われていますが、環境によっては正常に動作しないケースもあります。

このような理由から、JavaScriptで開発したアプリケーションのデバッグを行う際には、クロスブラウザで同じ動作ができるかどうかしっかりと動作テストを行う必要があります。

ブラウザによっては正常に作動しないこともある

JavaScriptはブラウザ上で動作するという特徴を持ったプログラミング言語です。そのため、前述のとおり、使用するブラウザの種類やバージョンによって挙動が異なるケースがあります。

また、「Internet Exploler」や「Microsoft Edge」、「Google Chrome」などブラウザの種類だけでなく、開発に使用したJavaScriptのバージョンによっても異なる動作をするケースがあります。

そのため、JavaScriptで開発を行う場合は、ブラウザの種類とJavaScriptのバージョンに配慮した上でコーディングを行う必要があると言えるでしょう。

さらに、リリース前には種類の異なるブラウザでテストを実施し、正常に動作するかどうかを検証する手間もかかります。このように、開発やデバッグで工数がかかる点はJavaScriptの課題だと言えるでしょう。

JavaScriptの有効な勉強方法

本記事を読んでいる人の中には、これからJavaScriptを習得したいと考えている人もいるでしょう。

JavaScriptを習得する方法としては、一般的なプログラミング言語の学習方法と同様に、参考書などを利用して独学で習得する方法や、プログラミングスクールなどを利用する方法が挙げられます。

ここではJavaScriptの有効な勉強方法について解説しますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

オンライン講座

インターネット上で提供されているオンライン講座を活用して、JavaScriptを習得するという方法があります。近年ではさまざまなオンライン学習サービスが提供されており、JavaScriptが学べる講座の数も多いです。

オンライン講座によっても学習方法はさまざまですが、実際にブラウザ上でコードを記述しながら学ぶことも可能です。また、動画やわかりやすいスライドで学べる講座もあるため、書籍を利用して学習するよりも学習のハードルを下げることができます。

代表的なオンライン講座としては、「ドットインストール」や「Progate」などが挙げられるでしょう。

参考書・問題集などの書籍

JavaScriptは参考書や問題集などの書籍を利用して、独学で習得することも可能です。書籍を利用した独学であれば学習にかかる費用を抑えることができるため、できるだけコストを抑えて習得したい人におすすめです。

JavaScriptは有名なプログラミング言語であるため、学習用の書籍にもさまざまな種類があります。また、初心者向けから、中・上級者向けまであるため、自分のレベルに合わせた学習が可能です。

ただし、初心者の場合は自分のレベルに合った書籍がどれなのかわからない場合があるため、できるだけ中身を確認した上で購入するようにしましょう。

また、独学の場合はわからないことがあった場合、解決できずにそのまま挫折してしまうケースもあるため、独学での習得が困難だと感じた場合は、無理をせずオンライン講座やスクールなどの利用を検討するようにしましょう。

プログラミングスクール

プログラミングスクールであれば、専門的なカリキュラムに沿ってプロの講師から直接指導してもらうことができます。そのため、できるだけ短期間でJavaScriptを習得したい場合は、プログラミングスクールを利用するのがおすすめです。

また、スクールでわからないことがあった場合、その場で講師に質問して解決することができるため、途中で挫折するリスクを軽減することができます。

JavaScriptと併せてHTMLやCSSなどフロントエンドの開発に役立つ言語をまとめて学べるコースを提供しているスクールもあるため、目的に合わせて効率的な学習を行うことが可能です。

ただし、プログラミングスクールは費用が高額になるというデメリットもあります。

就職・転職に有利なJavaScriptに関する資格

JavaScriptを扱うエンジニアは、特に資格を必要としない仕事です。また、エンジニアはスキルが重視される職種であるため、資格がなくても技術があれば仕事はできるでしょう。

ただし、JavaScriptに関連した資格を取得することで、実務未経験でもJavaScriptの知識やスキルを習得することが可能になります。

また、資格を保有することで一定の知識やスキルを持っていることを証明できるようになるため、就職や転職の際に有利になるケースもあるでしょう。ここでは就職・転職に有利なJavaScriptに関する資格を記載致しますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

CIW JavaScript スペシャリスト

CIW JavaScript スペシャリストとは、JavaScriptに関する基本的、専門的な内容を問う国際的な資格です。CIW JavaScript スペシャリストは、アメリカのIT向け主要ベンダーの認定シリーズであるCIW認定の1つです。

国際的な資格であるため、グローバルなJavaScriptエンジニアとして活躍したい人におすすめだと言えるでしょう。ただし、試験は英語で出題されるため、英語の学習も必要になります。

取得することができれば、世界で通用するJavaScriptエンジニアになれるでしょう。

HTML5プロフェッショナル認定試験

HTML5プロフェッショナル認定試験とは、HTML5、CSS3、JavaScriptなどの最新のマークアップ言語の知識やスキルを証明できる資格です。特定非営利活動法人「LPI-Japan」が実施している資格試験です。

本試験にはレベル1とレベル2という2種類のレベルが設定されており、レベル1はマルチデバイス対応のWebコンテンツを制作するための基礎的なスキルについて問われます。

また、レベル2はシステム間連携や最新マルチメディア技術に対応したWebアプリケーションなどの設計、開発スキルについて問われるものとなっています。

レベル1は3ヵ月から半年程度、レベル2は半年から1年程度の学習期間を目安としており、独学でも習得することは可能です。

JavaScriptの将来性を理解してマスターしましょう

JavaScriptは将来性が危惧される声もあるものの、世界標準で用いられているWeb系言語であることから、十分将来性があると言えるでしょう。

ただし、記述方法がバラ付きやすい、実行時のエラー検出が弱いといった理由から、エンジニアの技術的な負担が大きいなどのデメリットもあるため、今後解決していかなければいけない課題も残されています。

ぜひ本記事で紹介したJavaScriptの将来性があるとされる理由や、JavaScriptで可能となること、JavaScriptの課題などを参考に、JavaScriptの将来性について理解を深めてみてはいかがでしょうか。