フレームワーク「Vue.js」とは?6つのメリットや特徴・学習方法も紹介
「Vue.jsとはどういうフレームワーク?」
「Vue.jsのメリットや特徴って?」
「Vue.jsのインストール方法って?」
このように、JavaScriptのフレームワークである「Vue.js」について詳しく知りたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
本記事ではVue.jsのメリットや特徴、Vue.jsを使ってできることなどを解説しています。本記事を読むことで、Vue.jsについて理解を深められるでしょう。
また、Vue.jsのインストール手順についても解説しているため、これからVue.jsを利用しようと考えているも参考にできます。
JavaScriptのフレームワークであるVue.jsについて知りたい人は、ぜひ本記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。
目次
目次を閉じる
JavaScriptのフレームワーク「Vue.js」とは
Vue.jsとは、Webユーザーインターフェースを構築するためのJavaScriptのフレームワークです。Vue.jsは、スクリプトタグを一行書くだけで簡単に利用でき、さらにDOM操作を同時に行えるという点が特徴です。
シンプルで自由度の高いフレームワークであることから、特にシングルページアプリケーションの構築に適しています。
Vue.jsは他のフレームワークの良い点を取り入れているため、通常であればたくさんのコードを記述しなければいけないWebアプリケーションでも、簡単に実装することが可能です。
Vue.jsの6つのメリットや特徴
Vue.jsはUIをシンプルかつスピーディに構築できるフレームワークです。Vue.jsが多くのWeb開発で用いられている理由としては、さまざまなメリットがあるフレームワークである点が挙げられるでしょう。
ここでは、Vue.jsのメリットや特徴について解説していきます。
- シンプルなのではじめやすく拡張性も高い
- 学習コストが抑えやすい
- コンポーネントが再利用できる
- 仮想DOMによって高速化できる
- DOM操作を自動で行える
- SPAの開発がしやすい
1:シンプルなのではじめやすく拡張性も高い
さまざまなJavaScriptのフレームワークがある中でも、Vue.jsは必要最小限の機能しか持たないフレームワークです。シンプルな構造であることから、多機能なWebアプリケーションを開発する場合は、他のツールやライブラリを導入する必要があります。
このように機能を最小限に抑えることで、利用しやすく拡張性も高いというメリットがあります。また、Vue.js公式のツールやライブラリもあるため、目的に合わせて自分で機能を拡張することが可能です。
2:学習コストを抑えやすい
フレームワークはそれぞれ記述方法が異なります。Vue.jsの場合はHTMLのように記述できるため、初心者でも理解しやすく、学習コストが低いフレームワークだと言えるでしょう。
また、Vue.jsは非常にメジャーなフレームワークということもあり、日本語の情報が豊富で、オンラインで学習できるコンテンツも豊富です。
3:コンポーネントが再利用できる
コンポーネントとは、機能ごとに細かく分けた部品のことを指します。Vue.jsでは、コンポーネントを組み合わせることでアプリケーションを構築する「コンポーネントシステム」という概念を採用しています。
Vue.jsのコンポーネントは繰り返し利用できるようになっており、効率的に整合性の高いアプリケーション開発ができるという点もメリットです。
Vue.jsではあらゆる規模のアプリケーションを開発できますが、コンポーネントシステムを採用していることがその理由だと言えるでしょう。
4:仮想DOMによって高速化できる
Vue.jsには仮想DOMと呼ばれる概念があります。仮想DOMではJavaScriptオブジェクトを使用して、変更前と変更後の構造を比較することで、差分のみをDOMに反映できます。
jQueryなどの場合は直接DOMを書き換えることで画面全体を再描画しますが、Vue.jsの場合は差分のみを反映するため、より早く画面を処理することが可能です。
そのため、仮想DOMの仕組みを理解すれば、Vue.jsについての理解も深まるでしょう。
5:DOM操作を自動で行える
他のJavaScriptのフレームワークでは、DOM操作を行う必要がありますが、Vue.jsにはディレクティブ機能があるため、DOM操作が自動的に行えるという特徴があります。
DOM操作をエンジニア自身で行う必要がないことから、コードがシンプルになり、メンテナンスの手間が少ない点もメリットだと言えるでしょう。
6:SPAの開発がしやすい
SPA(シングルページアプリケーション)とは、最初にアプリを表示した時点でサーバーから情報を読み込み、画面の推移を行わずに更新が必要な部分だけを再描画できるアプリケーションを指します。
Vue.jsはルーティングと呼ばれる機能によって画面が推移しているように見せることが可能であるため、SPAの開発に適している点も特徴です。SPAであれば、通信コストを抑えてスピーディに画面切り替えを行えます。
Vue.jを使ってできること
Vue.jsは必要最小限の機能しか備えていないフレームワークですが、さまざまなことに対応できます。Vue.jsを使ってどのようなことができるのかを把握しておくことで、Vue.jsをより活用できるようになるでしょう。
ここでは、Vue.jsを使ってできることを紹介します。
アプリケーションの構築
Vue.jsとは、アプリケーションを構築できるフレームワークです。前述のとおり、Vue.jsでは小さな部品であるコンポーネントを組み合わせることで、効率的にアプリケーションを開発できます。
Vue.jsではコンポーネントシステムを採用していることから、大小さまざまな規模のアプリケーションを構築していくことが可能です。
データの同期
Vue.jsには、内部のデータを画面にシームレスに反映できる「リアクティブシステム」と呼ばれる機能があります。リアクティブシステムではデータ同士が紐づけられているため、データを同期することが可能です。
具体的には、内部で扱っているデータとViewとして画面に見えているDOMのデータを同期しています。
このような動作をjQueryで実装すると非常に処理が複雑化しますが、リアクティブシステムを持つVue.jsであれば処理がシンプルで実現できるため、メンテナンスもしやすいです。
アプリケーションの拡張
前述のとおり、Vue.jsには必要最小限の機能しか備わっていません。そのため、本格的にアプリケーション開発を行うためには、他のツールやライブラリなどを導入する必要があります。
また、npmやyarnなどのパッケージマネージャーを利用することで、アプリケーションを拡張することも可能です。柔軟にアプリケーションを拡張できる点は、Vue.jsを利用することのメリットでもあります。
Vue.jsを使うときに知っておきたいこと
ここまで紹介したように、Vue.jsとはさまざまなメリットを持つフレームワークです。しかしその一方で、Vue.jsを利用する上でいくつか気をつけておきたいポイントもあります。
ここでは、Vue.jsを使うときに知っておきたいことを紹介していきます。
Vue.jsとjQueryで同じ処理を実装したときの違い
JavaScriptの有名なフレームワークとして、Vue.jsの他にjQueryが挙げられます。この2つのフレームワークは、まったく同じ処理を実装した場合でもソースコードが異なります。
たとえば、jQueryよりもVue.jsの方がscriptのソースコードが少なく、optionタグを生成して追加するという記述もありません。このような違いがある点を押さえておきましょう。
ネイティブアプリ開発用としての他フレームワークからの遅れ
Vue.jsには「week」というネイティブアプリがありますが、まだ発展途上です。そのため、他のフレームワークと比較すると、スマートフォンのネイティブアプリ開発用としては遅れていると言えるでしょう。
もちろんネイティブアプリ開発用として遅れていても、通常の利用に影響があるというわけではありません。ただし、不安材料の一つであることには変わりないでしょう。
ネイティブアプリ開発用としては、今後の発展が期待されるところです。
大規模な開発への適正
Vue.jsとはSPAのようなシンプルなWebアプリケーションの開発に適したフレームワークであり、大規模な開発には向いていません。SPAは一つのページで情報を更新していくアプリケーションであるため、Vue.jsは大規模なアプリ開発には不向きです。
大規模なアプリケーション開発を行う場合は、AngularやReactなど先行する他のJavaScriptのフレームワークを利用すると良いでしょう。
Vue.jsのインストール手順
Vue.jsを利用する場合、あらかじめNode.jsをインストールしておく必要があります。Vue.jsを利用したいと考えている場合は、インストール方法についても把握しておいた方が良いでしょう。
ここでは、Vue.jsのインストール手順について解説していきます。
Node.jsとVue.jsをそれぞれインストールする
Vue.jsをインストールする場合、事前にNode.jsをインストールしておく必要があります。まず、Node.jsの公式サイトにあるNode.jsのインストーラをダウンロードして、Node.jsをインストールしましょう。
インストーラには推奨版と最新版があります。インストールが完了したらコマンドプロンプトを起動し、コマンドである「node --version」と「npm --version」を一行ずつ実行していきましょう。バージョンが表示されればインストールは成功です。
続けて、Vue.jsの開発ツールである「@vue/cli」をインストールしましょう。コマンドプロンプトで「npm install -g @vue/cli」を実行し、次に「vue --version」を実行します。
こちらもバージョンが表示されれば、インストールは成功しています。
プロジェクトを作成して起動する
続けてプロジェクトの作成と起動を行いましょう。まずはコマンドプロンプトでコマンド「vue create プロジェクト名」を実行して、プロジェクトの作成を行います。
プロジェクトを作成したら、「cd プロジェクト名」でプロジェクト以下のディレクトリに移動し、「npm run serve」でプロジェクトを起動しましょう。ここまでコマンドを実行したら、ブラウザから「http://localhost:8080/」に移動してみましょう。
プロジェクトの起動画面が表示されていれば、インストールは完了です。
Vue.jsの学習方法
これからVue.jsを学ぼうと考えている人の中には、どのような学習方法が効率的に学べるのか知りたいという人もいるでしょう。Vue.jsには多くの書籍やコンテンツがあるため、初心者からでも学習しやすいと言えます。
ここでは最後に、Vue.jsの学習方法を紹介します。
動画や書籍を活用する
Vue.jsは動画や書籍などを活用して学べます。文字だけでは理解することが難しい内容でも、音声や図で説明してくれる動画であればわかりやすいでしょう。
動画で学ぶ方法としては、YouTubeやドットインストールなどが挙げられます。座学で行う場合は、書籍も利用すると良いでしょう。
公式のドキュメントや他のエンジニアの意見を参考にしてみる
Vue.jsの公式のドキュメントは日本語で記述されているため、ドキュメントを利用することで常に最新の情報を知ることができます。公式ドキュメントはVue.jsのバージョンごとに用意されているため、自分が学習しているVue.jsに合わせて利用しましょう。
また、Vue.jsを学習していてわからないことがあった場合は、他のエンジニアの意見を参考にするのがおすすめです。インターネットを検索すれば、他のエンジニアが同じような問題につまずき、解決した記事などが見つかる可能性も高いでしょう。
簡単なアプリを実際に作ってみる
Vue.jsの基礎を押さえたら、実際に簡単なアプリケーションを作ってみましょう。手を動かしてアプトプットすることで、習得した知識を定着させられます。
最初のうちはToDoリストや簡単なゲームなどシンプルなアプリケーションを作り、他の人に見てもらうと良いでしょう。インターネット以上で公開すればフィートバックも得られるため、よりクオリティを上げていけます。
Vue.jsとは何かを理解して実際に使ってみよう
JavaScriptのフレームワークであるVue.jsとは、シングルページアプリケーションの開発に適したフレームワークです。データ変更をシームレスに画面に反映でき、学習コストも低いことから、初心者からでも利用しやすいフレームワークだと言えるでしょう。
ぜひ本記事で紹介したVue.jsのメリットや特徴、Vue.jsでできること、Vue.jsの学習方法などを参考に、Vue.jsを学んでみてはいかがでしょうか。