Linuxのディストリビューションの種類は?できることや使い方も解説
Linuxにはたくさんの種類があり、その多くが無料で利用可能です。Linuxは種類が多いため、まずどのような目的でLinuxを利用したいのか考え、目的に合ったディストリビューションを選ぶ必要があります。
本記事では、14種類のLinuxディストリビューションについて一つ一つ紹介し、Linuxでできること、メリット・デメリットも解説しています。Linuxについて興味がある方は是非参考にしてみてください。
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Linuxの役割
Linuxとは無料で利用できるオープンソースのOSです。OSとは「オペレーティングシステム」のことで、ソフトウェアとハードウェアを結びつけ、ユーザーの操作をコンピュータへ伝えるという役割を持っています。
Linuxは基本的に誰でも無料で利用できる点が特徴です。また、オープンソースであるため中身も自由に改変でき、再配布できます。
出典|参照:About|The Linux Kernel Archives
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Linuxの利便性
Linuxはオープンソースでコードが公開されており、無料で利用できる点が大きな特徴です。また、Linuxではさまざまなことができるため、ビジネスでも多く採用されています。
ここではLinuxでどのようなことができるか紹介しますので、参考にしてみてください。
古いパソコンを動かしやすくなる
Linuxでは余計な機能がついていないため、動作速度が重くならない特徴があります。そのため、長年放置されていた古いパソコンでも動かせるでしょう。
他のOSの場合、古いパソコンほど動作が重たくなり、使いにくくなるケースが多々発生します。しかしLinuxであれば、そのような問題も解決できる可能性があります。
ただし、他のOSにはあるような補助的な機能が搭載されていないため、必要なものは自分でインストールするようにしましょう。
IoT技術に役立てられる
IoTとは「Internet of Things」のことで「モノのインターネット」をという意味です。これは家電製品・車・建物など、色々な「モノ」とインターネットを接続する技術です。
Linuxは組み込み系の分野に強みを持っており、HDDレコーダーやルーターといったさまざまなハードウェアの開発に活用されています。このような機器はもともとコンピュータを動かすことを目的に開発されていないため、リソースが貧弱です。
しかしLinuxの場合、少ないリソースでも問題なく稼働できます。今後はIoT分野の発展に伴い、Linuxが役立つと言えるでしょう。
新しいOS・サーバー構築ができる
Linuxでは新しいOSを開発したり、サーバー構築を行ったりすることもできます。たとえば、AndroidはLinuxをベースに開発されたスマートフォン用のOSです。Linuxを用いることで、AndroidのようなOSも開発できます。
また、Linuxであれば無料で利用でき、必要な分だけサーバーを増設することもできるため、サーバー構築用OSとして多くの企業に採用されています。
出典|参照:Android Enterprise | Android
CUIの練習として活用できる
LinuxはCUIでコンピュータを操作できるため、CUIの練習にも使えます。CUIは「Character User Interface」の略で、キーボードを使って黒い画面にコマンドを入力することでコンピュータに命令を出すことを意味します。
なお、Linuxの中には一般的に使われているパソコンのようにGUI操作を行えるものもあるため、CUIに慣れていない人はGUIを利用することも可能です。
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Linuxディストリビューションの種類
オープンソースであるLinuxには、これまでに世界中の企業や個人が開発を加えてきました。そのため、現在ではさまざまなメーカーがあらゆるLinuxディストリビューションを販売しています。
Linuxディストリビューションとは、簡単に言えばLinuxの種類のことです。ここではLinuxのディストリビューションの種類を紹介していくため、参考にしてみてはいかがでしょうか。
- Fedora(フェドラ)
- Red Hat Linux(レッドハット・リナックス)
- CentOS(セントオーエス)
- Ubuntu(ウブントゥ)
- Vine Linux(ヴァイン・リナックス)
- Debian(デビアン)
- Turbo Linux(ターボリナックス)
- Linux Mint(リナックス・ミント)
- Manjaro(マンジャロ)
- openSUSE(オープン・スーゼ)
- MX Linux(エムエックス・リナックス)
- elementaryOS(エレメンタリーオーエス)
- Zorin OS(ゾーリンオーエス)
Fedora(フェドラ)
Fedora(フェドラ)は、RedHat社がスポンサーとして支援している無料のLinuxディストリビューションです。RedHat社が提供しているRed Hat Enterprise Linuxは商用の有料ディストリビューションですが、Fedoraは無料で利用可能です。
FedoraはRed Hat Enterprise Linux専用の検証用ディストリビューションとして役割があります。そこで検証した最新技術はRed Hat Enterprise Linuxに広く採用されています。
出典|参照:Fedora Linux | The Fedora Project
出典|参照:Red Hat Enterprise Linux オペレーティングシステム | Red Hat
Red Hat Linux(レッドハット・リナックス)
Red Hat Linux(レッドハット・リナックス)は、RedHat社が提供していたLinuxディストリビューションです。
ソフトウェアを容易にインストールしたり、削除したりすることが可能なプログラム形式のRPMシステムを採用したディストリビューションです。リリース当初から無償で利用できたため有名になりました。
現在は商用のRed Hat Enterprise Linuxとして有料でリリースされており、無償部分は前述のFedoraとして無料で提供しています。
出典|参照:Red Hat Enterprise Linux オペレーティングシステム | Red Hat
出典|参照:Fedora Linux | The Fedora Project
CentOS(セントオーエス)
CentOS(セントオーエス)は、Red Hat Enterprise Linuxの複製として商用部分が取り除かれたLinuxディストリビューションです。Red Hat Enterprise Linuxとの完全互換を目指しており、無償で利用できます。
主に企業でのサーバー構築を目的としたディストリビューションとなっており、商用として利用されることも多いです。レンタルサーバーなどで採用されています。
ただし、こちらのサービスは2024年内に終了するため、Red Hat Enterprise Linuxに移行が必要です。
出典|参照:CentOS とは | Red Hat
出典|参照:Red Hat Enterprise Linux オペレーティングシステム | Red Hat
Ubuntu(ウブントゥ)
Ubuntu(ウブントゥ)は、Debianをベースに開発された、Linuxディストリビューションです。Debianをベースとしているため、できるだけ自由なソフトウェアを使用するという方針を持っています。
また、使いやすく安定したOSであるため、世界的に人気があり、多くの企業で採用されています。日本でも人気の高いディストリビューションの一つです。
出典|参照:Ubuntuとは | Ubuntu Japanese Team
出典|参照:Debian|ユニバーサル オペレーティング システム
Vine Linux(ヴァイン・リナックス)
Vine Linux(ヴァイン・リナックス)は、コンパクトで軽量な日本生まれのLinuxディストリビューションです。Red hat Linux(現Red Hat Enterprise Linux)の派生として生まれ、日本語に対応したLinuxディストリビューションの先駆けとなりました。
これまで国内でのLinuxの普及に貢献してきたVine Linuxですが、すでにリリース版の終了が宣言されており、次のバージョンの公開予定はありません。
出典|参照:Vine Linux について|Vine Linux
出典|参照:Red Hat Enterprise Linux オペレーティングシステム | Red Hat
Debian(デビアン)
Debian(デビアン)は、世界中の有志によって開発が行われているLinuxディストリビューションです。完全無料で利用でき、多くのCPU上での動作サポートやDebianで利用できるデスクトップ環境、豊富なアプリケーションの提供を行っています。
Debianを元にした、さまざまな種類の派生Linuxディストリビューションが登場しています。
出典|参照:Debian|ユニバーサル オペレーティング システム
Turbo Linux(ターボリナックス)
Turbo Linux(ターボリナックス)は、ターボリナックス社によって開発が行われているLinuxディストリビューションです。Turbo LinuxはWindowsとの相互互換への強化を積極的に行っており、Windows Mediaを再生できるソフトウェアを同梱しています。
現在では開発元の日本のターボリナックス社が営業を停止したため、移管先の中国のTurboLinuxが開発を行っています。
出典|参照:ターボリナックス株式会社|Turbolinux, Inc.
出典|参照:公司介绍|Turbolinux
出典|参照:Windows Media Player の入手|Microsoft
Linux Mint(リナックス・ミント)
Linux Mint(リナックス・ミント)は、ターボリナックス社によって開発が行われているLinuxディストリビューションです。洗練された快適なデスクトップを提供するという目標を掲げています。
Linux MintはDebianやUbuntuを母体としているため、これらのリポジトリを保有しています。
出典|参照:Linux Mint とは | Linux Mint Japan
出典|参照:ターボリナックス株式会社|Turbolinux, Inc.
出典|参照:Debian|ユニバーサル オペレーティング システム
出典|参照:Ubuntuとは | Ubuntu Japanese Team
Manjaro(マンジャロ)
Manjaro(マンジャロ)は、Arch Linuxをベースに開発された、Linuxディストリビューションです。Arch Linuxとの互換性があります。
デスクトップ志向かつ初心者向け仕様である本システムは、高速で使いやすいところが特徴です。自動ハードウェア検出や簡単にインストールする機能、安定したリリースが可能など、他にもさまざまな機能を持ち合わせています。
出典|参照:Manjaro
出典|参照:Arch Linux
openSUSE(オープン・スーゼ)
openSUSE(オープン・スーゼ)は、SUSEやコミュニティにより開発された、Linuxディストリビューションです。初心者から熟練ユーザーまで、全ての人にとって使いやすい安定した多目的ディストリビューションを目指しています。
openSUSEは多くの賞を受賞した自社製品、SUSE Linux Enterpriseのベースとなった経緯があります。
出典|参照:Linux OS. どちらをお使いになりますか?|openSUSE
出典|参照:SUSE Linux Enterprise Serverディストリビューション|SUSE
MX Linux(エムエックス・リナックス)
MX Linux(エムエックス・リナックス)は、MEPISとantiXにより開発された、Linuxディストリビューションです。MX Linuxの「MX」とは、MEPISとantiXに由来しています。
MX Linuxは容易な設定や安定性を追求し、使いやすく洗練されたデスクトップ環境の提供を目標としています。また、基本的にGUI環境での操作を行えますが、コマンドでも操作ができ、さらにユーザー自身でカスタマイズすることも可能です。
出典|参照:About Us|MX Linux
出典|参照:6 Best Linux Distros of 2021, Coupons, Sale & Discounts|MEPIS
出典|参照:About antiX|antiX
elementaryOS(エレメンタリーオーエス)
elementaryOS(エレメンタリーオーエス)は、非常にシンプルなLinuxディストリビューションです。Ubuntuをベースに開発されたLinuxディストリビューションで、最初から用意されているアプリケーションや画面の構成などが最小限に抑えられている点が特徴です。
シンプルであるため、はじめてelementaryOSを利用するユーザーでも操作に迷わないというメリットがあります。また、基本的に無料で利用できますが、ユーザーが自分で決めた金額を支払うこと(Pay what you want)も可能です。
出典|参照:Windows と macOS の代わりに使える、親切で高機能、エシカルな OS|elementary OS
出典|参照:Ubuntuとは | Ubuntu Japanese Team
Zorin OS(ゾーリンオーエス)
Zorin OS(ゾーリンオーエス)は、WindowsやmacOSとの代替えを目標としているLinuxディストリビューションです。UbuntuをベースにしたLinuxディストリビューションで、初心者向けの設計になっています。
インターフェースはWindowsに近く、ソフトウェアも多数用意されています。無料版のCore と有償版のUltimateがあり、ビジネスだけでなくゲームにも活用可能です。
出典|参照:About |Zorin
出典|参照:Ubuntuとは | Ubuntu Japanese Team
▼Midworks利用者インタビュー記事
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Linuxを使うメリット
Linuxを使うメリットとして、無料で利用できる点が挙げられます。また、無料でありながら多くのソフトウェアが利用できるため、コンピュータ周りのコストを下げることが可能です。
さらにオープンソースであるLinuxは、これまでさまざまなユーザーが改良を加えてきているため、セキュリティ性も高いです。そもそもコンピュータウィルスはユーザー数の多いWindowsを狙うため、Linuxを狙ったウィルス自体が少ない点もメリットだと言えるでしょう。
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Linuxを使うデメリット
Linuxを使うデメリットとして、ユーザーのデスクトップ環境によって操作方法が変わる点などが挙げられます。たとえばこれまでWindowsを使っていたユーザーの場合、操作感が違い過ぎて戸惑うこともあるでしょう。
また、LinuxではWindows用のソフトウェアを利用できません。Windows用のソフトウェアと互換性を持つLinuxも存在しますが、正規品ではないため、同じように代用することができない点は認識しておく必要があります。
▼Midworks利用者インタビュー記事
知識欲と好奇心を武器に。未経験で旅行業界からITの世界へ
Linuxの目的別の使い方
これからLinuxを利用しようと考えている人の中には、どのLinuxディストリビューションを選べば良いのか迷っているという人もいるでしょう。Linuxディストリビューションを選ぶ場合、まずどのような目的でLinuxを利用したいのか考える必要があります。
ここではLinuxの目的別の使い方について解説していきます。
LinuxをWindows風パソコンとして使う場合
LinuxをWindows風のパソコンとして使用したい場合、Zorin OSなどがおすすめです。
Debian系のLinuxディストリビューションはユーザーフレンドリーなものが多いですが、特にZorin OSはこれまでWindowsを使っていた人でも、今までの使用感とさほど変わらず使いやすいでしょう。
日本語の表示も違和感なく行え、軽量なLite版もあります。他に、Linux Mintなどもおすすめです。
出典|参照:About |Zorin
出典|参照:About Linux Mint|Linux Mint
出典|参照:Debian|ユニバーサル オペレーティング システム
LinuxをMac風パソコンとして使う場合
LinuxをMac風のパソコンとして使用したい場合、elementaryOSなどがおすすめです。elementaryOSはMacのデスクトップをリスペクトしたようなデザインになっているため、Mac風のパソコンとして違和感なく利用できます。
出典|参照:Windows と macOS の代わりに使える、親切で高機能、エシカルな OS|elementary OS
企業で仕事として使う場合
Linuxを企業で仕事として使用したい場合、CentOSなどがおすすめです。前述のとおり、CentOSはRed Hat Enterprise LinuxのクローンOSであるため、ビジネス利用に適しています。
また、Debianは企業で利用されるケースの多いLinuxディストリビューションです。企業で仕事として利用したいのであれば、CentOSかDebianを押さえておくとよいでしょう。
出典|参照:CentOS とは | Red Hat
出典|参照:Debian|ユニバーサル オペレーティング システム
出典|参照:Red Hat Enterprise Linux オペレーティングシステム | Red Hat
Linuxを学ぶうえでおすすめの資格
Linuxを学ぶのであれば、LinuCやLPICを習得するのがおすすめです。どちらもLinuxエンジニアのスキルを習得した証明となる資格です。試験勉強を通してLinuxの知識やスキルを習得できるでしょう。
なお、試験のレベルや範囲などは似ていますが、LinuCは日本の資格、LPICは世界共通の資格という違いがあります。どちらもステップアップ式の資格試験であるため、レベル1から取得していくようにしましょう。
出典|参照:Linux技術者認定試験LinuC | LPI-Japan
出典|参照:Linux Professional Institute (LPI) | Linux Professional
▼Midworks利用者インタビュー記事
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Linuxのディストリビューションの種類などを深く知ろう
Linuxはディストリビューションによって特徴が異なっているため、Linuxを利用する場合は目的に合ったディストリビューションを選ぶようにしましょう。
是非本記事で紹介したLinuxでできることやLinuxディストリビューションの種類、Linuxの目的別の使い方などを参考に、さまざまなLinuxディストリビューションの種類について理解を深めてみてはいかがでしょうか。