社会人が基本情報技術者試験に合格するために必要な勉強時間は?勉強方法も紹介
IT初心者の社会人が基本情報技術者試験に合格するためには、200時間程度の勉強時間が必要です。難易度が高い試験ですが、時間をかけて十分に対策すれば合格を狙えます。
基本情報技術者試験の対策方法や勉強を効率的に進める方法についてご紹介していますので、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
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改定された基本情報技術者試験とは
2023年4月より、基本情報技術者試験が大きく改定されます。
今までの基本情報技術者試験は春期と秋期の年2回でしたが、改定後は通年で実施されることになり、随時受験が可能です。
また、採点方法も今までは素点方式で1問何点といった配点が決められていましたが、改定後は実力を判定しやすいように配点が変動するIRT方式が採用されます。
今までは午前試験、午後試験という名称でしたが、改定後は科目A試験、科目B試験という名称になり、午前試験に相当する「科目A試験」の出題範囲は変わりありません。一方、午後試験に相当する「科目B試験」は大きく改定されます。
今までは必須問題と選択問題がありましたが改定後は全問必須問題となり、アルゴリズムとプログラミングの割合が8割、情報セキュリティの割合が2割という内容になります。
出典:情報処理技術者試験における出題範囲・シラバス等の変更内容の公表について|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/topic_20220425.html
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基本情報技術者試験の難易度はどれくらい?
平成30年までの合格率は20~25%程度で、4人に1人しか合格しない「難易度が高め」の試験と言えます。
令和に入ってからは合格率が向上し30~40%程度となっていますが、それでも3人に1人しか合格しない割合となっています。
基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門としての位置づけとなっており、IT業界全般の知識が出題されるため、試験範囲が広いところが難易度を上げている要因でしょう。
しかし、1つ1つの分野は決して理解できないものではありません。時間をかけてしっかりと対策すれば合格可能な試験と言えます。
出典:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 統計資料|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_07toukei/toukei_r04a_oubo.pdf
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社会人が基本情報技術者試験に合格するための勉強時間の目安
基本情報技術者試験に社会人が合格するためには、目安となる勉強時間があります。
ただし、IT知識やITスキルを持っていない初心者が基本情報技術者試験に取り組む場合と、すでにIT知識を保有していたり実務経験があったりする人では、目安となる勉強時間が変わってきます。
ここでは、IT初心者の場合とIT知識を事前に余裕している場合の目安となる時間を紹介します。
IT初心者の場合
IT初心者が基本情報技術者試験に合格するためには、200時間程度の勉強時間が必要と言われています。
社会人は働きながら勉強を進める形になるため、1日あたり2時間の勉強時間で換算すると、3ヶ月~4ヶ月程度の期間が必要です。長期戦になるためモチベーションを維持しつつ、コツコツと続けることが重要になるでしょう。
IT関連の事前知識がある場合
IT関連の知識をすでに保有している人が基本情報技術者試験に合格するためには、50時間程度の勉強時間が必要と言われています。ただし、事前に保有している知識の量や、勉強のやり方次第でも費やす時間が変わるでしょう。
1日あたりおおよそ2時間の勉強時間で換算すると、IT関連の知識を保有している人は1ヶ月程度で目安の時間をこなせる計算になります。
IT関連の知識を保有している人でも、マネジメント系やストラテジ系に苦労する可能性があるので、根気よく進めていきましょう。
【対策対象別】基本情報技術者試験の勉強時間の目安
基本情報技術者試験は、いろいろな対策で勉強を進めていく必要があります。
ここでは、基本情報技術者試験の対策別の勉強時間の目安を紹介します。基本情報技術者試験の勉強を始めたいと思っている方は参考にしてください。
テキスト対策
まずはテキストを使用して全体的な知識を習得するために、40時間程度が必要です。
すでにIT知識を保有している場合は、保有している分野を飛ばすため、もう少し短い時間で習得が可能になるでしょう。IT初心者の場合は、用語などでつまづくことも想定されるため、もう少し長めにかかる場合もあります。
テキストはインプットを主として、幅広く知識を習得していくには最適の教材です。順番に進める必要はなく、分からない部分や苦手な部分から着手することも可能です。
プログラミング・アルゴリズム対策
アルゴリズムやプログラミングは、実際に演習に取り組んで自分の頭で考えながら進める必要があるため、100時間程度が必要です。
すばやく問題内容を把握し、ロジックを検討したりするには慣れが必要ですが、根気よく続けていくことで問題に慣れてきて、回答できるようになります。
プログラミング言語は文法を理解する必要があり、文法を理解したあとは、実際に使いこなせるように演習に取り組みながら習得していくため、慣れれてくるまでは時間がかかります。
このように、アルゴリズムやプログラミングは時間のかかる要素であるため、実際に手を動かしながら根気よく進めていきましょう。
午前試験の過去問練習
午前試験の過去問練習に必要な時間は、20時間程度です。
午前試験の問題は知識を問われるため、数多くの過去問をこなして自分の苦手分野を明確にできれば、今後の対策が取りやすくなります。
早い段階から午前試験の過去問に取り組めば、試験までに十分な対策が取れるでしょう。
午後試験の問題練習・選択問題の選定対策
午後試験の問題練習に必要な時間は、20時間程度です。
午後試験に慣れるため、可能な限り数多くの過去問をこなすようにしましょう。1つの問題が大きいため、問題を考える集中力を養うことも大切です。
試験1週間前の対策
基本情報技術者試験の1週間前では、30時間程度の勉強時間が必要です。
試験1週間前は最後の追い込みです。午前試験は60%以上で合格となるため、実際に過去問で60%を超えるかチェックしましょう。
もし不足している場合は、間違った箇所を徹底的に覚え直し、次の過去問にチャレンジするようにしましょう。これを繰り返すことで知識量が増えていきます。
試験直前の対策
試験直前の前日は、8時間程度の勉強時間を確保するようにしましょう。
午前試験、午後試験それぞれの過去問を解き、間違った箇所を徹底的に覚えることを繰り返します。時間の許す限り過去問で自分の不足している部分を抽出し、知識を埋めていくようにしましょう。
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社会人が基本情報技術者試験の勉強時間を短縮する方法
基本情報技術者試験の勉強時間を短縮する方法はいくつかあります。
社会人は仕事をこなしながら、勉強時間を確保する必要があるため、時間のない中で効率よく勉強を行うことは重要なポイントとなるでしょう。
ここでは、勉強時間を短縮する方法を紹介します。
勉強方法を見直す
勉強は続けているのになかなか成果につながっていない場合は、勉強方法に見直す点があるでしょう。
間違った勉強方法を続けていると、効率が悪いだけでなく、モチベーションを維持することも困難になってしまうため、勉強方法の軌道修正は早いうちに行っておく必要があります。
分かりやすいテキストを使う
どのようなテキストを使うかで勉強の効率が変わってきます。テキストは試験に直結している内容のものを選び、図表などで分かりやすく説明されているものがおすすめです。
勉強時間を短縮するためにも、効率の良い勉強をするためにも、自分にとって分かりやすいテキストを選びましょう。
目標勉強時間を決めてメリハリをつける
メリハリをつけて勉強に取り組むことで、勉強時間を短縮できます。基本情報技術者試験は範囲が広く、やるべきことがたくさんあります。
モチベーションを維持しつつ、勉強の成果を上げていく必要があるため、ダラダラと続けていくのではなく、1日や1週間の勉強目標時間を決めてメリハリをつけて取り組んでいくことが大切です。
自宅以外の勉強場所を探す
自宅だとついつい休憩ばかりになってしまうということはないでしょうか。
例えば図書館やカフェなどの静かな場所や、誰かに見られているという感覚が得られる場所であれば、集中力の維持にも有効です。
自分自身が集中できる場所や方法を見つけ出すために、いろいろな方法を探してみるのも良いでしょう。
通信講座を検討する
自分自身で勉強スケジュールを立てても、予定通りに進めていくことは困難です。さらに、理解が追い付かなかったり、時間が確保できなかったりといろいろな要因が出てくるでしょう。
通信講座を利用すれば、考え抜かれたスケジュールや効率の良い学習ツールが準備されているので、学習時間を短縮することが可能です。
また、疑問点や不明点が出てきた場合でも、講師に質問できるため、確実に理解してから次のステップに進めます。
通信講座は費用がかかりますが、効率の良い勉強を進めていく上では有効な手段と言えるでしょう。
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パターン別から見る基本情報技術者試験の勉強方法
基本情報技術者試験は、IT知識を保有しているかどうかで勉強方法が異なってきます。
IT知識を保有していれば、基本的な専門用語は習得済みのため、テキストの内容を理解するのに苦労はしません。しかし、IT知識がなくIT初心者の場合は、専門用語から理解する必要があるため、苦労するでしょう。
ここでは、パターン別から見る基本情報技術者試験の勉強方法を紹介します。
IT経験者の社会人である場合
IT経験者の場合は、過去問中心の勉強方法が有効です。
IT経験者は専門用語などの基本的な事項は習得済みのため、過去問にチャレンジしましょう。過去問にチャレンジすることで出題傾向が把握でき、自分の苦手分野も明確にできます。
IT初心者の社会人である場合
IT初心者の場合は、基本的な部分から勉強を進めていく方法が有効です。
IT初心者の場合、基本的な用語やプログラミングなども未経験のため、初期内容から習得していく必要があります。どうしても時間がかかってしまいますが、コツコツ続けていきましょう。
勉強期間が長くなってしまう可能性もあるため、モチベーションを維持していくことに注力することが大切です。
社会人が基本情報技術者試験に合格するための勉強のコツ
時間のない社会人が基本情報技術者試験に合格するためには、効率の良い勉強方法を実践することが大切です。
ここでは、基本情報技術者試験に合格するための勉強のコツを紹介します。
- 配点が高い午後試験の科目を重点的に対策する
- アウトプットで頻出範囲や出題傾向を把握する
- インプットとアウトプットのバランスを考える
- インプットからアウトプットのサイクルを回す
- 過去問演習を活用する
- 分からない問題の解消にはテキストを使う
- 計算を紙に書いて練習する
- 試験直前期は知識の見直しをする
配点が高い午後試験の科目を重点的に対策する
午後試験は問題によって配点割合が異なるので、配点の高い問題を重点的に対策しましょう。
午後試験で配点が高いのは、アルゴリズムとソフトウェア開発の項目です。アルゴリズムは、問題を解決するための手順や方法のことで、プログラミングの元となるものです。
アルゴリズムの問題は時間がかかります。ただし慣れてくれば解くスピードもあがってくるので、たくさんの問題を解くようにしましょう。
アウトプットで頻出範囲や出題傾向を把握する
実際に問題を解いて、頻出範囲や出題の傾向を把握することが重要です。数多くの問題にチャレンジし、出題されるパターンをつかむことで頻出範囲を確実に解けるようにしましょう。
勉強時間が限られている中では、やみくもに勉強を進めるのではなく、効率よく勉強を進める必要があります。そのためには、頻出範囲と出題傾向を把握して、力を注ぐべきポイントに集中して勉強を進めていくことが大切です。
インプットとアウトプットのバランスを考える
基本情報技術者試験の勉強のコツは、インプットとアウトプットのバランスを意識することです。基本情報技術者試験は、過去問の出題率が高い試験であるため、過去問を中心に演習を繰り返す勉強方法が有効です。
しかしながら、基本的な用語や理論を理解していないと、演習問題を繰り返しても効果がありません。インプットによって基本用語や理論を理解しつつ、アウトプットによって演習をこなしていくという流れが勉強のコツです。
インプットからアウトプットのサイクルを回す
テキストを使用して基本用語や知識のインプットを行い、過去問などの演習でアウトプットしたあと、不明点や復習したい点が出てきたら再度テキストなどでインプットを行いましょう。
このようにインプットとアウトプットのサイクルを繰り返しながら理解を深めていくと効率よく勉強できます。
アウトプットは、正しくインプットできているかどうかのチェック要素として捉え、アウトプットでつまずいた箇所をインプットで補足していくという形を繰り返していきます。
過去問演習を活用する
基本情報技術者試験は、過去問演習を活用することが勉強のコツです。
目安としては、最低でも5回程度は過去問にチャレンジするようにしましょう。もし余裕がある人は、過去10回分までさかのぼってチャレンジしてください。
過去問にチャレンジすることで知識や解き方の蓄積だけでなく、出題傾向や重要視されているポイントが見えてくるので、過去問による収穫は大きいと言えます。
分からない問題の解消にはテキストを使う
分からない問題を解消する場合は、テキストを見直してみましょう。
分からない問題が出てきた場合は、テキストを見直して再度理解を深めるようにしましょう。テキストが自分にあっていないと感じた場合は、テキストを買い替えるのも選択肢の1つです。
計算を紙に書いて練習する
計算問題の出題率は高い傾向にあり、計算問題を習得する場合は紙に書いて練習しましょう。1つの式を理解するたびに、実際の問題を紙に書いて解いてみるというサイクルを繰り返して理解を深めていきます。
試験直前期は知識の見直しをする
試験直前は知識を身につけることに集中しましょう。
具体的な方法としては、午前の過去問をひたすら解いていくとう方法です。もし分からない問題が出てきた場合は、解説を読み込み理解してから次に進むようにしてください。
基本情報技術者試験の事前知識としてITパスポートを取得するべき?
社会人であればITパスポートよりも基本情報技術者試験を目指しましょう。
ITパスポートはITを活用するすべての社会人が備えておくべき、IT分野の基礎的な知識を問う試験です。ITパスポートに取り組むことで、ITを理解して効果的に使用できる能力が身につきます。
しかし、社会人であれば初めから基本情報技術者試験に取り組んだ方が良いでしょう。基本情報技術者試験とITパスポートでは難易度がかなり違っており、基本情報技術者試験を取得している方が評価されるためです。
基本情報技術者試験の試験範囲
基本情報技術者試験は高度IT人材を目指す上での基本知識や技能を問う内容の試験です。
午前は基本知識を問われ、午後は技能が問われます。ここでは、基本情報技術者試験の試験範囲について紹介します。
午前試験
基本情報技術者試験の午前は基本知識が問われ、テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の3つの分野に分かれています。
テクノロジ系は、コンピュータシステムやIT技術の基本理論、開発技術、マネジメント系は、プロジェクトマネジメントやサービスマネジメント、ストラテジ系は、企業全般のシステム戦略や経営戦略などです。
基本情報技術者試験では、特にテクノロジ系の技術要素が重点分野に指定されています。
分野 | 大分類 | 中分類 |
---|---|---|
テクノロジ系 | 基礎理論 | 基礎理論 |
アルゴリズムとプログラミング | ||
コンピュータシステム | コンピュータ構成要素 | |
システム構成要素 | ||
ソフトウェア | ||
ハードウェア | ||
技術要素 | ヒューマンインターフェース | |
マルチタスク | ||
データベース | ||
ネットワーク | ||
セキュリティ | ||
開発技術 | システム開発技術 | |
ソフトウェア開発管理技術 |
分野 | 大分類 | 中分類 |
---|---|---|
マネジメント系 | プロジェクトマネジメント | プロジェクトマネジメント |
サービスマネジメント | サービスマネジメント | |
システム監査 |
分野 | 大分類 | 中分類 |
---|---|---|
ストラテジ系 | システム戦略 | システム戦略 |
システム企画 | ||
経営戦略 | 経営戦略マネジメント | |
技術戦略マネジメント | ||
ビジネスインダストリ | ||
企業と法務 | 企業活動 | |
法務 |
午後試験
基本情報技術者試験の午後は、アルゴリズムやプログラミングなどの技能が問われます。
範囲としては、コンピュータシステム全般、情報セキュリティ関連、データ構造およびアルゴリズム、ソフトウェア設計、ソフトウェア開発、マネジメント関連、ストラテジ関連です。
プログラミング言語は、C言語、Java、Python、アセンブラ、表計算の中から選択します。
試験範囲 | コンピュータシステム全般、情報セキュリティ関連、データ構造およびアルゴリズム、ソフトウェア設計、ソフトウェア開発、マネジメント系、ストラテジ系 |
---|---|
内容 | ITを活用したサービス、製品、システム、ソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識や技能を身につけた者が対象像 |
基本情報技術者試験におすすめの通信講座
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通信講座を利用して勉強しようとしている方は、参考にしてください。
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基本情報技術者試験に合格するための勉強時間を確保しよう
基本情報技術者試験に合格するための目安となる時間を参考に、勉強の計画を立てましょう。
また、試験合格のためにはまず自分の知識や技能を把握し、必要な時間を見積もりましょう。そして効率の良い勉強方法や具体的なスケジュール決定していきます。
長期間の取り組みとなるため、モチベーションを維持していけるようなスケジュールを立てて取り組みましょう。
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