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システムアーキテクト試験とは?難易度・取得メリット・合格のポイントについて解説

システムアーキテクト試験とは?難易度・取得メリット・合格のポイントについて解説のイメージ

システムアーキテクト試験の合格率は平均15%と、高度情報技術者試験の中でも最高難易度です。取得できれば高度情報技術人材として認められ、転職する際には有利になります。

システムアーキテクトを受験する際に、合格するポイントを理解しておくことで、効率的に勉強を進めることができますので、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

システムアーキテクト試験とは

システムアーキテクト試験とは、システムアーキテクトとして企業内のITシステムを設計する能力や適性を評価する試験のことです。ITストラテジストなど他の上級エンジニア職と同じく、高度情報処理技術者試験の最高峰に位置づけられています。

業務内容を分析してシステム化に必要な要件を把握し、情報システムの基本設計を行う上級エンジニアの方におすすめの試験です。

対象者と受験資格

高度IT人材として実践レベルのスキルと知識を持ち、ITストラテジストの提案を受けて、業務内容に合わせてシステム設計を行う人が対象です。プログラマーやシステムエンジニアなどが現場で詳細設計する際、迷わないよう設計のルールづくりをする人も含まれます。

受講にあたり、必要な学歴や職歴、年齢などはありません。システムアーキテクトとして働ける実践的なスキルや知識があれば、社会人としての実務経験がなくても受験できます。

試験内容

システムアーキテクト試験は、毎月1回、春期に開催されますが、具体的な日程は受験申し込み時期でしか確認できません。しかし毎年4月に開催されていることから、4月中の開催を目途に試験対策の日程を組むとよいでしょう。

また、以下の人は午前Ⅰ試験が2年間免除されます。
・応用情報技術者試験の合格者
・高度試験又は支援士試験の合格者
・高度試験又は支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績をとった者

出典:免除制度の概要|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.ipa.go.jp/shiken/about/koudo_menjo.html

出典:システムアーキテクト試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/sa.html

午前Ⅰ 午前Ⅱ 午後Ⅰ 午後Ⅱ
試験時間 9:30~10:20 (50分) 10:50~11:30 (40分) 12:30~14:00 (90分) 14:30~16:30 (120分)
出題形式 多肢選択式 (四肢択一) 多肢選択式 (四肢択一) 記述式 論述式
出題数 出題数:30問 出題数:25問 出題数:4問 出題数:3問
解答数 解答数:30問 解答数:25問 解答数:2問 解答数:1問

難易度

システムアーキテクト試験は、ほかの高度情報技術者試験に比べてどのくらい難しいのでしょうか。令和3年度における各高度情報技術者試験の受験者数・合格者数・合格率を、いくつかピックアップしてご紹介します。

システムアーキテクト試験の難易度は、高度情報技術者試験の中で平均的といえます。ただし年度によって合格率が12%台のときもあるため、基本的に最高難度と考えてよいでしょう。

出典:情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_07toukei/toukei_r03.pdf

試験名 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
システムアーキテクト 3,433 567 16.5
ITストラテジスト 3,783 579 15.3
ネットワークスペシャリスト 8,420 1,077 12.8
情報セキュリティスペシャリスト(支援士) 10,869 2,306 21.2
ITサービスマネージャ 2,018 303 15.0

システムアーキテクト試験の配点割合・採点方法

システムアーキテクト試験を攻略するには、試験内容だけでなく配点割合や採点方法を理解する事が大切です。どのような設問が重要とされ高配点なのか理解することで、試験対策で重視するポイントが明確になります。
自分の得意分野だけを伸ばすのではなく、合格基準に達するために必要なことを理解して自分に合った受験戦略を立てましょう。

採点方法・合格基準

システムアーキテクト試験は、正解した設問の点数を合計する「素点方式」を採用しています。そのため「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ」の各試験ごとに、合格基準点以上の得点をとらなければなりません。

各試験の合格基準点は以下の通りです。
・午前Ⅰ:60点/100点
・午前Ⅱ:60点/100点
・午後Ⅰ:60点/100点
・午後Ⅱ: ランク A

出典:試験要綱|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_13download/youkou_ver1_5

午後Ⅱ試験について

午後Ⅱ試験の論述試験は内容の妥当性や論理力、洞察力などをもとに、試験官の裁量のもと総合的に評価されます。評価ランクは以下の4段階です。

評価ランク 内容 合否
A 合格水準にある 合格
B 合格水準まであと一歩である 不合格
C 内容が不十分である
D 内容が著しく不十分である 問題文の趣旨から逸脱している

配点割合

システムアーキテクト試験の配点割合は、以下の通りです。

・午前Ⅰ:解答数30問、各 3.4 点
・午前Ⅱ:解答数40問、各 4 点
・午後Ⅰ:4問のうち2問選択、各50点
・午後Ⅱ:3問のうち1問選択、配点割合なし

午前Ⅰの合計が「102点」、午前Ⅱの合計が「160点」、午後Ⅰの合計が「100点」です。午後Ⅱは、評価ランクA以外すべて不合格になります。

システムアーキテクト試験に合格するメリット

システムアーキテクト試験は、情報処理技術者試験の中でも最高峰といわれています。問題の意味を理解するだけでも高い専門スキルと知識が必要なため、実務経験なしで合格するのはほぼ不可能です。

では、なぜこのような高難度の試験を受験する人がいるのでしょうか。ここではシステムアーキテクト試験に合格するメリットをご紹介します。

エンジニアとしての市場価値が向上する

システムアーキテクト資格を取得することで、高度情報技術人材と認められエンジニアとしての市場価値が向上します。幅広い案件に携われ、上流の設計でしか得られない経験ができるため、スキルアップとしても効果的です。

現場でも立ち回りが難しいポジションであり、高いコミュニケーションやリーダーシップ力が求められるため高年収も狙えます。

転職しやすくなる

システム全体を見通してアーキテクチャ設計ができる人は、ほとんどの企業で需要があります。特に最近はデジタルトランスフォーメーション(DX)が注目され、自社システムを根本から設計し直す企業も珍しくありません。

システムアーキテクトは、人手不足が叫ばれるIT業界で最も人材が不足している業種のひとつです。特に実務経験の豊富なシステムアーキテクトは少なく、今後さらに需要が増えていくでしょう。

ほかの国家試験が一部免除になる

システムアーキテクト試験に合格すると、他の情報処理技術者試験午前Ⅰ科目の免除などが得られます。ただし免除申請が可能となる期間等が決まっているため、申請する際は注意しましょう。

出典:免除制度の概要|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.ipa.go.jp/shiken/about/koudo_menjo.html

システムアーキテクト試験に合格するポイント

システムアーキテクト試験は、「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ」のすべてで合格基準を上回らなくてはなりません。合格には高いスキルと知識が必要なため、準備せずに合格することはほぼ不可能です。

では、システムアーキテクト試験に合格するには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。ここでは合格するためのポイントをご紹介します。

過去問を繰り返し解く

午前Ⅰの試験は、ストラテジ系やマネジメント系、テクノロジ系の全分野から出題されます。多肢選択式ですので記述式よりも比較的簡単ですが、全分野で高いレベルの知識が必要です。

しかしある程度定型化した設問が出題されるため、過去問でしっかりと対策していればほぼ確実に合格点をとれるでしょう。ほとんど応用情報処理技術者試験の範囲ですので、応用情報処理技術者試験用の参考書などで学習しても問題ありません。

システム開発技術・情報セキュリティ・システム企画分野を徹底する

午前Ⅱの試験は午前Ⅰのように定番問題が出題されないため、過去問での対策ができません。そのため要件定義から設計、テスト運用に至るまでの専門知識を網羅的に理解しておく必要があります。

午前Ⅰ試験対策に過去問を使用する際、解説文による用語の理解はもちろんのこと、関連知識まで学習するとよいでしょう。特に重点分野として挙げられている「システム開発技術・情報セキュリティ・システム企画」の3つを徹底的に勉強してください。

時間を測り問題演習を行う

午後Ⅰ試験は記述式なので、時間を測り問題演習を行うのが効果的です。設問が長文なので、どのようなことを聞かれているのか、正確に把握する練習から始めることをおすすめします。4問すべての設問内容を確認し、回答しやすいものを2つピックアップしてください。

午後Ⅱの試験は論述式で、基本的に多くの受験生が苦手としています。そのため設問をみても焦ることなく、自分のペースで問題の意図や解答を考えましょう。時間的に書き直すのが難しいため、日頃から構成の作成や論理の展開方法などを練習し、指定の文字数内で書く経験を積んでください。

システムアーキテクト試験を受けるうえでの注意点

システムアーキテクト試験は、年に一度しか受験のチャンスがありません。このチャンスを逃すと来年まで待たなければならず、技術革新などがあると試験内容が変わることもあります。そのため準備を万端にして、1度のチャンスをしっかりと掴みましょう。

システムアーキテクト試験を受けるうえで注意すべき点について解説します。

毎日勉強する

勉強は、毎日コツコツと継続することが大切です。1日だけ頑張ったり、勉強した次の日を休みにしたりすると、せっかく覚えた知識が時間と共に記憶から消えてしまいます。

1日後には知識の大部分を忘れてしまうため、毎日復習と予習をしっかり行いましょう。モチベーションが低い日があっても、小さな目標を作るなどして継続できる仕組みを構築してください。

隙間時間でも勉強する

予備校に通うにしろ独学するにせよ、隙間時間を有効活用することが重要です。通学・通勤や昼休み休憩など、隙間時間があれば知識の習得に励みましょう。

問題演習は集中できる環境で解くことが望ましいため、過去問の解説を読み直したり、苦手分野の用語をチェックしたりすることをおすすめします。人が多いところが落ち着かないのであれば、カフェや喫茶店などで学習してもよいでしょう。

1つでも基準点以下になるとすべて不合格になる

システムアーキテクト試験は多段階選抜方式を採用しているため、「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ」のいずれか1つでも基準点を下回ると自動的に不合格になります。そのため午前Ⅰ試験の得点が基準点以下だと、午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱの試験は採点すらされません。

解答の内容を問わず不合格となるため、試験終了時の手応えによっては時間節約のために次の試験を受けずに退出する人もいます。試験を継続するかは、その時の状況によって決めましょう。

しっかりと準備してシステムアーキテクト試験に合格しよう

システムアーキテクト試験は情報処理技術者試験の最高峰といわれており、市場価値が非常に高い資格です。試験内容が多肢選択式・記述式・論述式と多様なので、豊富な経験や知識、文章力がないと全問回答することも困難です。

高難度な試験ですが、年収や転職成功率アップなど取得するメリットは大きいため、過去問を繰り返し解き、難問に対応できる応用力をつけましょう。毎日コツコツと勉強を継続し、隙間時間も有効活用して合格を勝ち取ってください。

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この記事の監修者

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Branding Engineer編集部

株式会社Branding Engineerはエンジニアプラットフォームサービスである「Midworks」を運営。株式会社Branding Engineerが属するTWOSTONE&Sonsグループでは、エンジニアプラットフォームサービスにおけるエンジニアの連結登録数は50,000名を越え、連結稼働数も4,500名を、案件数も10,000件を超える。 ※登録数、稼働数、案件数は2024年10月発表時点の実績数値

株式会社Branding Engineerはエンジニアプラットフォームサービスである「Midworks」を運営。株式会社Branding Engineerが属するTWOSTONE&Sonsグループでは、エンジニアプラットフォームサービスにおけるエンジニアの連結登録数は50,000名を越え、連結稼働数も4,500名を、案件数も10,000件を超える。 ※登録数、稼働数、案件数は2024年10月発表時点の実績数値

記載されている内容は2024年10月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日
2022.09.28
更新日
2024.10.25

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