テストエンジニアに将来性がないといわれる5つの理由とは?おすすめのキャリアパスもご紹介
テストエンジニアはシステムのテストや検証を行う職種です。「AI技術の発展」「開発支援ツールの導入」「業務量に対して収入が低い」などの理由から、将来性がないとも言われています。一方で、分析スキルや提案能力を養うことで需要の高いテストエンジニアになることは可能です。
本記事では、テストエンジニアに将来性がないと言われる理由を中心に、テストエンジニアのキャリアパス、おすすめの資格をご紹介していますので、参考にしてみてください。
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テストエンジニアの仕事内容
テストエンジニアはその名の通りシステムのテストや検証、評価を行う仕事です。
テストの実施前に、実施する期間やどのような観点でテストを行うのか、計画を立て、さまざまな角度からテストを行います。そして、プログラムの不備やデータベースの設計ミスなどがないかをチェックします。
一般的には、モジュールをテストする単体テストやモジュール結合させて実施する結合テスト、システム全体を確認する総合テストなどを行います。
テストが終わるとテスト結果の資料を作成してプロジェクトマネージャーや開発者に報告し、場合によっては改善案を提案することもあるでしょう。
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テストエンジニアとテスターの違いは?
テストエンジニアとテスターは混同されがちですが、担当する範囲に違いがあります。
テストエンジニアがテストの計画や実施、改善策の提案などの工程を担当するのに対し、テスターは準備された仕様書に則ってテストを行うのが仕事です。
テスターと比べて、テストエンジニアの方がより幅広い業務を担当します。
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テストエンジニアに将来性がないと言われる理由5つ
テストエンジニアに将来性がないと言われる理由の一つには、技術が進歩したことによりIT業務全体に変化が生じたことが挙げられます。
また、テストエンジニアという仕事の内容や待遇面において不安を抱くエンジニアがいることも理由の一つです。
ここでは、テストエンジニアに将来性がないと言われる理由について詳しく見ていきましょう。
AI技術の発展によりテストエンジニアの需要は減少
現在IT業界ではAI技術の発展と浸透が進んでおり、これはテストエンジニアが行うテスト業務においても同じです。
AI技術が発展することで人々の生活が豊かになる一方、私たちの仕事を奪ってしまう可能性があります。
これまで人の手だけでは時間とお金がかかるためできなかった膨大なテストケースを網羅することも、AIを使えば自動化できます。AIを使うことで、労働力の削減だけでなく、品質も向上できるため、今後AI技術はさらに浸透していくでしょう。
開発支援ツールの導入によるテストエンジニアの需要縮小
最近では、開発支援ツールを導入して開発を行うケースが増えています。
開発支援ツールを使えばテストエンジニアに代わって定型ソースを自動で生成したり、プログラムを解析して設計書を自動で生成したりでき、精度も高いです。
そのため、テスト業務はテストエンジニアではなく、開発支援ツールが行うことが増えていくとも考えられています。
業務量に対して収入は低い傾向にある
テストエンジニアが携わるのは開発工程の仕上げの段階です。
そのため、それ以前の段階で遅れが出るとテストエンジニアの業務にしわ寄せがきて、納期に間に合うように、残業をこなす場合もあるでしょう。
また、開発側からテストの変更を求められたり、無理な要求をされたりすることもあります。また業務量に対して収入は低い傾向にあるため、将来性がないと言われることもあります。
テストにしか対応しないエンジニアは需要が減っている
近年、エンジニアには、スキルの向上が求められています。そのため、さまざまなプログラム言語を習得し、現場で経験を積んだエンジニアの需要は増えていくでしょう。
一方で、テストにしか対応しないエンジニアは活躍できる場面が少ないため、需要が減っていくと言われています。
自分の裁量で仕事ができずやりがいを感じられない場合もある
テストエンジニアの仕事はテスト作業を行うことだけではありませんが、経験やスキルが少ないテストエンジニアの場合はテスト業務に終始することになるでしょう。
仕様書や手順書に従って動作をチェックするテスト作業に裁量権はなく、単純作業の繰り返しです。そのため、自分の裁量で仕事ができず、やりがいを感じられないこともあるでしょう。
スキルを身につけたり、経験を積んだりすることで業務への取り組み方は変わってきますが、そのことに気づかないまま、将来性がないと判断してしまう人もいるようです。
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テストエンジニアの平均年収はどれくらい?
テストエンジニアの平均年収は450万円ほど、ボリュームゾーンは350万円から450万円ほど、と言われています。
始めはテスター業務から行いテストエンジニアへと育てていく企業では年収が300万円ほどということも多いです。一方で、難関資格を取得していたり高いスキルを持っていたりするテストエンジニアは年収600万円以上の高収入を目指すことも可能です。
未経験からテストエンジニアを始める場合、年収は250万円から300万円ほどになるでしょう。
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将来性があるテストエンジニアを目指すためには?
AI技術の発展やテストエンジニアの仕事内容の実情など、テストエンジニアの将来性が疑問視される理由はいろいろあります。しかし、そのような中でも将来性があるテストエンジニアを目指すことは可能です。
ここでは、将来性があるテストエンジニアを目指すためにはどのようにすれば良いのかを見ていきましょう。
テスト計画立案や提案のスキルをつける
現場ではシステム設計、開発工程、テスト工程と順に進む開発手法が取り入れられていることが多く、この開発手法では一つの工程に遅れが出ると後続に影響を及ぼしてしまいます。そのため、スケジュール通りに進めていくことが大切です。
全体の工程のうちテスト工程が占める割合は少なくないため、テストエンジニアには工程全体のスケジュールを意識して、提案をするスキルが求められます。また、テスト実施においても、必要なテストの種類や実施手順を提案することが必要です。
このように、要件を把握してテストを実施する工数の見積もりを出し、スケジュール通りに進められるようテスト計画を提案するスキルが求められています。
テスト結果を分析するスキルをつける
テストを実施するにあたって、設計通り動作しているか、想定している操作パターンで正常に動作するかなど、仕様書などでテスト項目が細かく定められています。そのため、テストエンジニアは設けられたテスト項目を正確に実施してエビデンスをまとめます。
バグを発見した場合、速やかに原因箇所を特定したり、情報共有を行ったりできれば、それ以前の工程の見直しが必要であってもスムーズに進めやすくなるでしょう。
バグを発見した場合にも、発生する条件の仮説やバグ同士の関連性などを分析して報告することで、その後の改修作業をスムーズにできることがあります。
そのため、テスト結果を分析するスキルを身につけることは、テストエンジニアにとって重要だと言えるでしょう。
コミュニケーション能力を磨く
システム開発プロジェクトでは、テストエンジニアもコミュニケーションスキルが求められます。また下流工程であっても、クライアントとの接点がある場合もあります。
そのため、テストエンジニアは上流工程のメンバーやクライアントとのミーティングなどで積極的にコミュニケーションを取り、慣れていく必要があるでしょう。
マネジメント力をつける
テスト工程では業務量が多くなることもあるため、チームのリーダーや経験を積んだテストエンジニアにはマネジメント力が求められます。
作業量が膨大だったり、難易度が高かったりして時間がかかる場合にはスケジュールの調整も必要になってくるでしょう。
簡単そうなテストであっても、必要な操作やデータなどがわからないということもあり得るため、知識の共有なども含めてマネジメントできる力を身につけることが大切です。
プログラミング言語の知識を習得する
テストエンジニアがプログラミングをする必要はない一方、プログラミングの知識がある方が、効率的に安全性の高いテストを行えます。そのため、プログラミング言語の知識を習得することで将来性のあるテストエンジニアになれるでしょう。
また、プログラミング言語の知識を習得しておけば、システムエンジニアやプログラマーになることも可能です。
テストエンジニアとして経験を積んでいく選択肢のほかに、システムエンジニアやプログラマーに転身することも視野に入れておいた方が安心だと言えるでしょう。
プレゼンテーションのスキルを身につける
システムテストを行った結果、バグが発見された場合、テストエンジニアは開発チームに対してバグの発生を報告するだけでなく、品質改善案を提示することが必要です。
品質改善案を開発チームにわかりやすく伝えられるように、資料作成能力はもちろんプレゼンテーションのスキルを身につけることも大切です。
AIではできない分野の需要に対応する
AI技術の発展、浸透により業務の置き換わりが進んだとしても、コミュニケーションが必要な仕事やチームマネジメントの自動化は難しいでしょう。
将来性がないと言われているテストエンジニアの将来性を変えるためには、AIではできない分野の需要に、対応できるようになることが必要です。
現在の業務に必要なスキルだけでなく、より多くの業務知識を身につけることでAIに仕事を奪われず、テストエンジニアとして活躍できるでしょう。
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テストエンジニアの需要があるのはどんな会社?
テストエンジニアの求人を出している会社はソフトウェアテスト専門会社やSIer、IT関連会社、メーカーなどに多い傾向があります。
最近ではテスト工程をテスト専門会社に依頼するメーカーが増えており、自社開発を行うIT関連会社や、SIerを含むテスト専門会社の求人が多いようです。
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テストエンジニアにおすすめのキャリアパス
将来性のあるテストエンジニアとして活躍していくためには、キャリアパスを見据えて勉強したり、準備したりすることが大切です。
ここではテストエンジニアにおすすめのキャリアパスについて解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
テストエンジニアのスペシャリスト
テストエンジニアのスペシャリストは、さまざまな要件を把握し、テスト工程がスケジュール通りに進められるようテスト計画を立てます。そのため、テストエンジニアのスペシャリストになるには、システムテストに関するさまざまな知識を身につけることが必要です。
テスト工程だけでなく全体を理解できれば、スペシャリストへとキャリアアップできるでしょう。
テストマネージャーやテストリーダー
チームで協力しながら業務を進めるテスト業務では、テストマネージャーやテストリーダーがチームを統括、管理して業務が計画通り進められるようコントロールします。
クライアントに対してヒアリングを行ったり、協力を要請したりするのもテストマネージャーやテストリーダーの仕事です。
プログラミングスキルを持っていたり、システム開発の経験があるテストマネージャーであれば高収入も期待できるでしょう。
テストアナリスト
テストアナリストは製品の仕様や環境をよく理解した上でテストケースを選択したり、実施を分析したりする仕事です。また、テストで不具合が見つかった製品の分析だけでなく、対処方法の提案も行います。
テストアナリストはクライアントや製品の利用者が求める性能や機能を把握している必要があるため、テスト業務に関する深い知識や高いスキルだけでなく、設計関連の知識も必要です。
品質管理コンサルタント
QAエンジニアとも呼ばれる品質管理コンサルタントは、製品の品質を管理したり品質の保証を行ったりするのが仕事です。また、製品のデザインや使いやすさ、サービスの問題なども確認します。
開発段階の製品やサービスをテストするのがテストエンジニアの仕事ですが、品質管理コンサルタントの仕事は完成した製品やサービスの品質を確認することです。
近年のビジネスシーンではコンプライアンスが重要視されるようになってきているため、品質管理コンサルタントの需要は今後拡大していくでしょう。
プログラマー
テストエンジニアの中にはプログラミング言語の知識やスキルを身につけ、プログラマーへキャリアチェンジする人も少なくありません。
しかし同じ職場内で職域を変更できるケースは少ないため、プログラマーへとキャリアチェンジするのであれば転職を視野に入れた方が良いでしょう。
プログラマーがテスト工程を兼任する現場もあるため、プログラマーへとキャリアチェンジすることで転職先の選択肢も広げられます。
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テストエンジニアが転職でキャリアアップするためのポイント
テストエンジニアの転職は、未来を切り開いていく上で重要な機会になります。しっかりと準備をせずに転職すると後悔してしまう可能性もあります。
ここではテストエンジニアが転職でキャリアアップするためのポイントについて解説するため、転職を成功へ導くための参考にしてください。
- 転職エージェントに相談する
- キャリアパスを見据えて行動する
- 資格取得を目指す
転職エージェントに相談する
転職を成功に導くために重要なのは、自分に適した転職先を見つけることです。自分に適した転職先を見つけるためには、企業研究をしっかり行うことが重要なポイントと言えるでしょう。
企業の経営理念や業務内容だけでなく、求める人物像などがわかればミスマッチは少なくなります。しかし求人情報から全てを読み取るのは難しく、企業研究に時間がかかってしまうこともあるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、転職のプロである転職エージェントに相談することです。転職エージェントに相談することで、スキルや目指すキャリアを理解した上で適した転職先を紹介してくれます。
転職によるキャリアアップを目指す場合にも、これまでの経験を活かせる転職先を見つけてくれるでしょう。
キャリアパスを見据えて行動する
現在の収入や待遇などに不満がある場合は、年収や労働環境などを転職する際、重視することになるでしょう。また、スキルを上げたり経験を積んだりするのであれば、収入より学べる環境が整った転職先を探すのが良いでしょう。
キャリアチェンジするのか、それともテストエンジニアとして、キャリアアップを目指すのかによっても転職先は変わります。
キャリアパスを見据えて行動すれば、自分が目指すべき道が見えているため、転職が上手くいきやすいでしょう。
資格取得を目指す
IT関連の資格にはさまざまなものがあり、資格取得は学ぶモチベーションを高めてくれます。また、資格を取得していれば自分のスキルや、やる気を第三者に証明できるため、転職の際にも有利になるでしょう。
資格を取得する際は、自分が目指すキャリアとレベルに適した資格を取得することがポイントです。
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【3選】テストエンジニアのスキルアップにおすすめの資格
ここでは、テストエンジニアのスキルアップのために取得しておきたい資格を3つご紹介します。テストエンジニアとして、スキルアップしたいという人はぜひ参考にしてみてください。
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フリーランスエンジニアのスキルアップにおすすめの書籍をご紹介!書籍がおすすめの理由
IT検証技術者認定試験
IT検証技術者認定試験は、一般社団法人IT検証産業協会が認定するテストエンジニアの資格試験です。テスト現場の実務を重視した資格で、5つのレベルで編成されています。
日本企業の信頼度が高い資格であり、資格認定者には現場で安心して仕事が任せられると定評があります。そのため、日本でテストエンジニアとして働く場合は取得するのがおすすめです。
出典|参照:IVEC(認定試験)|IT検証産業協会
ソフトウェア品質技術者資格認定
ソフトウェア品質技術者資格認定は、ソフトウェア技術者が品質技術を身につけ実践することによるソフトウェアの品質向上の実現を目的としています。
品質保証に関わる人だけでなく開発者やテストエンジニアなどソフトウェア品質に関わる人を対象としており、初級、中級、上級で構成されています。テストエンジニアとして活躍したい人は中級以上を取得すると良いでしょう。
JSTQB認定テスト技術者資格
JSTQB認定テスト技術者資格は、日本のソフトウェア技術者のテスト技術をより向上させようと始められた資格認定制度です。
Foundation LevelとAdvanced Levelに分かれており、テストエンジニアとしての市場価値を高めたい場合には、どちらも取得するのがおすすめです。
未経験でもテストエンジニアになれる?
テストエンジニアは重要な役割を担い、知識も求められる仕事である一方、初心者でも対応できる部分は多いです。
テストエンジニアは、チームで仕事をするためのコミュニケーション能力や基本的なプログラミングスキル、システムの仕様を理解する能力などが必要となります。そのため、これらのスキルをあらかじめ身につけておくと良いでしょう。
\\未経験からでもテストエンジニアは目指せる//
将来性のあるテストエンジニアを目指してスキルアップしよう
この記事ではテストエンジニアに将来性がないと言われる理由や将来性があるテストエンジニアを目指す方法、おすすめのキャリアパスなどについて解説しました。
AI技術の発展や開発支援ツールの導入などにより、将来性がないと言われているテストエンジニアですが、スキルを磨くことで将来性がある人材になることもできます。
ご紹介した内容を参考に、将来性のあるテストエンジニアを目指してスキルアップしましょう。
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