情報処理安全確保支援士試験の難易度は?合格率・おすすめ勉強法とは
情報処理安全確保支援士とは、サイバーセキュリティの専門知識や情報システムの開発支援の業務を問う国家資格で、近年の合格率は20%前後となっています。資格を取得できれば、独立できる可能性が高まったり、年収アップにつながったりするでしょう。
本記事では、情報処理安全確保支援士試験の概要を中心に、取得するメリット、合格に向けた勉強方法などについて詳しく解説しています。資格取得を目指している方は、参考にしてみてください。
目次
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情報セキュリティ業務に重要な情報処理安全確保支援士試験とは?
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情報処理安全確保支援士が行う業務内容
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情報処理安全確保支援士試験の偏差値
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情報処理安全確保支援士試験の合格率
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情報処理安全確保支援士試験の合格基準とは
- 情報処理安全確保支援士試験の合格率が低いと言われる理由
- 情報処理安全確保支援士試験と他資格との難易度比較
- 情報処理安全確保支援士を取得するメリット
- 情報処理安全確保支援士試験へ合格した後に行う事項とは?
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情報処理安全確保支援士試験への勉強時間目安
- 情報処理安全確保支援士試験の合格率を高めるためのポイント
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情報処理安全確保支援士試験の合格率を把握しておこう
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情報セキュリティ業務に重要な情報処理安全確保支援士試験とは?
情報処理安全確保支援士とは、サイバーセキュリティの専門知識や情報システムの開発支援などの業務に関する国家資格のことです。国内で実施されるセキュリティ関連の試験の中でも、ITSSのレベル4に値し、最難関と言われています。
試験は年2回の開催で、4月と10月にあります。試験内容は午前と午後で2つずつあり、午前中は選択式の問題、午後は記述式の問題が出されます。
試験範囲は、テクノロジー系、マネジメント系、システム開発、システム監査など幅広い分野から出題されます。
出典:情報処理安全確保支援士試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sc.html
情報処理安全確保支援士が行う業務内容
情報処理安全確保支援士の業務内容は、情報セキュリティマネジメントに関する業務や、情報システムの企画や設計、開発、情報システムのセキュリティ対策などが挙げられます。
また、業務を行うとともに、正確な下位者の指導や指示も期待されるのです。
具体的には、情報システムの脅威や脆弱性の分析、防止するセキュリティの企画や開発などが求められています。情報を多く取り扱う分野で、セキュリティ管理や技術的な支援を担う役割です。
情報処理安全確保支援士試験の偏差値
情報処理安全確保支援士試験の偏差値は、67程度と言われています。
同程度の資格には、中小企業診断士や一級建築士、情報処理技術者支援を指すIPAの中ではネットワークスペシャリストやデータベーススペシャリストなどがあります。
情報処理安全確保支援士試験の合格率
情報処理安全確保支援士試験の合格率は、2009年から2014年頃は13~15%と低い値になっていますが、2021年現在では年々合格率が上昇し、約20%まで上がっています。
試験の合格率を比較すると、他の高度情報技術試験よりも高い値となっており、取得しやすい傾向にあるのです。政府も資格取得者の増加を期待しており、今後も需要はますます高まっていくでしょう。
出典:令和3年度秋期情報処理技術者試験(応用情報技術者試験、高度試験)及び情報処理安全確保支援士試験の合格者を発表|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/topic_20211217.html
情報処理安全確保支援士試験の合格基準とは
情報処理安全確保支援士試験は、試験が午前と午後でそれぞれ2種類ずつあり、計4つの試験にわかれています。合格するには、それぞれ100点満点の合格ラインを上回る必要があるのです。
午前中の問題は回答が選択式になっており、1問あたり4点で60点以上が合格ラインになっています。問題のレベルも高くなく、基本知識が問われやすいです。しかし午後の問題は、記述式になっており、100点満点中60点以上の合格ラインを超す必要があります。
情報処理安全確保支援士試験の合格率が低いと言われる理由
上記で紹介したように年々合格率は上昇傾向にありますが、情報処理安全確保支援士試験の合格率は低いと言われているのが現状です。
ここでは、情報処理安全確保支援士試験の合格率が低いと言われる理由2つ解説します。
試験の種類が多く午後試験の内容が高度であるため
合格率の低さの原因として、4つの試験のうち午後の試験内容が高度であるとされています。午前中は、応用情報技術者の試験範囲と同様の部分などから出題され、基本的な知識が問われやすいです。
一方で午後になると、試験範囲は同じでも長文を読み、記述式で回答するため、内容を正確に記述する論理的に考える力や、論述力が試されます。
また、特定の技術に絞られるのではなく、複合的な分野の問題が出題されるため、苦手分野があると得点を取ることが難しくなるのです。
試験に対する前提知識や経験が必要であるため
情報処理安全確保支援士試験は、試験内容が高度かつ試験範囲も広いため、受験者の前提知識や現場での経験によって難易度も変化します。
セキュリティ業務や他の高度技術者試験に合格したことがあると、問題が易しく感じるでしょう。また、業務経験があると、午後の問題を頭で想定しながら理解がしやすくなります。
このように合格する上で、知識とは違った形で経験が味方することがあるでしょう。
情報処理安全確保支援士試験と他資格との難易度比較
では情報処理安全確保支援士試験は、他資格と比較すると難易度はどの程度になるのでしょうか。
ここでは同じ情報処理の中の試験を基に、難易度を解説していきます。試験を受ける参考にしてみてください。
ネットワークスペシャリスト
ネットワークスペシャリストは、情報処理安全確保支援士と同様のレベルである高度技術者試験に分類されており、情報処理技術者試験レベル4となっています。
合格率は平均14%程度と低い値を示しており、情報処理安全確保支援士よりも合格率が低くなっています。必要なレベルでは同様ですが、合格するためにはネットワークスペシャリストの方が難易度が高くなっています。
出典:ネットワークスペシャリスト試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/nw.html
応用情報技術者
応用情報技術者は、情報処理技術者試験ではレベル3に値します。情報処理安全確保支援士はレベル4のためレベルが1つ下となっています。合格率は応用情報技術者が20%前半程度であり、情報処理安全確保支援士よりも合格率が高くなっています。
このことから応用情報技術者は、情報処理安全確保支援士よりも難易度が低く、合格しやすいことがわかります。
出典:応用情報技術者試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ap.html
CISSP
CISSP認定試験とは、情報セキュリティ関連で働いている方が対象になる国際的な試験です。この試験は5年以上の情報セキュリティとしての実務経験が必要かつ受験料が1回6万円と、受験するハードルが高いことが大きな特徴です。
試験内容は情報セキュリティのみに限らず、事業計画や物理的セキュリティなど分野が幅広く設定されています。そのため難易度も必然的に上がり、難しい傾向にあるのです。
情報処理安全確保支援士を取得するメリット
ここまでは情報処理安全確保支援士試験の概要などを解説してきました。では具体的に資格取得できた場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、情報処理安全確保支援士を取得するメリットを解説していきます。どのようなメリットがあるのかを理解し、資格取得のモチベーションにすると良いでしょう。
- 名称独占資格であるため高い評価を得られる
- 情報セキュリティに関する見識の高さをアピールできる
- 国家資格試験の一部が免除される
- コンサルタントとして独立できる可能性が高まる
- 企業や職種によっては年収が上がりやすくなる
名称独占資格であるため高い評価を得られる
情報処理安全確保支援士は士業であるため、資格を保有していない人は名乗れません。これは弁護士や公認会計士といった資格と同様です。このことを「名称独占資格」と呼びます。
これによって周囲や取引先などに、高い評価と信頼性を与えることが可能です。そのため社会的信用が高まることで、幅広い場面で使用できる資格となっています。
出典:国家資格について|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000099508.pdf
情報セキュリティに関する見識の高さをアピールできる
情報処理安全確保支援士の資格があることで、情報セキュリティに関して高い見識があることを示すことが可能です。資格を保有することで、高難易度試験を合格できるだけの実力が明確になります。
さらに情報処理安全確保支援士は、資格に合格した後に登録規定があります。登録規定は、社会的に問題がない人でないと登録できないため、この資格を持っていることで社会的な信用にも繋がるでしょう。
国家資格試験の一部が免除される
情報処理安全確保支援士の資格を取得すると、他の国家資格試験の一部を免除できることがあります。国家資格試験が一部でも免除されるものとして、中小企業診断士や弁理士、情報セキュリティ監査人補などがあります。
他の国家資格を取得することで、自分のできる業務の幅を増やし、価値を高めることも可能です。
出典:試験のメリット|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_08gaiyou/merit.html
コンサルタントとして独立できる可能性が高まる
前述したように情報処理安全確保支援士は国家資格であり、弁護士や税理士などと同様に「士業」として名乗れます。これによって企業内ではなく、副業や独立して、セキュリティの専門家としてコンサルタントと活躍する可能性も高まります。
信頼性があること、資格取得のために勉強した知識があるため企業以外に個人でもビジネスを行えるでしょう。
企業や職種によっては年収が上がりやすくなる
情報処理安全確保支援士の資格を保有していることで、市場価値が上がり、年収が上がりやすくなる可能性があります。
情報処理安全確保支援士取得後の年収は、400万円~1,000万円程度と言われており、合格するのが難しい資格だけに、取得できるだけでも年収アップが期待できます。
また、転職した先でも優遇を受けること、警視庁のサイバー犯罪や情報職員として行政職にも入ることが可能です。これによって現状よりも働ける場所が増え、待遇が良くなることが期待できるでしょう。
情報処理安全確保支援士試験へ合格した後に行う事項とは?
情報処理安全確保支援士の資格は、ただ試験を合格しただけではまだ士業とは名乗れないのをご存知でしょうか。この資格を保有するためには、合格後にしなければならないことがあります。
ではどのようなことをすべきなのかを、ここでは2つ解説していきます。合格しただけでは、履歴書などにも記載はできないため注意しましょう。
合格後の登録
情報処理安全確保支援士は試験に合格しただけでは、資格を取得できたわけではありません。必ず合格後には、登録しなければなりません。登録の手続きが完了されていないと、士業として名乗ることはできないのです。
登録日は年に2回と決まっており、4月1日と10月1日です。また支援士の登録を維持するためには、年に1度のオンライン講習、3年に1度の実践講習を受ける義務が課せられます。
出典:情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)になるには|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.ipa.go.jp/siensi/toberiss/
出典:情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の受講する講習について|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.ipa.go.jp/siensi/lecture/index.html
資格の更新
資格取得後は、一定期間を経過すると登録の更新をしなければなりません。まず資格の有効期限は、登録日から起算して3年です。更新の申請をするには、更新期日の60日前にする必要があります。
また、登録更新申請は、定められている講習を全て修了することが条件です。
登録更新申請においては、更新手数料などはかかりません。また2021年11月より更新手続きが郵送からオンライン申請に変更されています。更新も忘れずに行わなければ、資格の維持はできません。
出典:登録セキスペの方々へ|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.ipa.go.jp/siensi/forriss/index.html
情報処理安全確保支援士試験への勉強時間目安
情報処理安全確保支援士の合格目安の勉強時間は、約500時間は必要です。平日に2時間、休日に7時間勉強しても、1週間で24時間なので約20週間以上かかります。しかしこの時間には、基礎知識として応用情報技術者の勉強時間も含まれています。
基本知識がある程度ある方や業務経験がある人は、勉強時間も減るので約200時間を目安にすると良いでしょう。自分の理解度や経験に応じて、勉強時間を調整してみてください。
情報処理安全確保支援士試験の合格率を高めるためのポイント
試験内容が難しいとされる情報処理安全確保支援士試験に合格するにはどのようなことをすべきなのでしょうか。
ここでは、少しでも合格率を高める具体的に方法を7つ紹介します。独学で勉強を始めようと考えている方は、1度確認してからスタートするのが良いでしょう。
- インプットとアウトプットを徹底する
- 勉強のモチベーションを維持する
- スケジュール管理を徹底する
- 過去問を使う
- 参考書を使う
- 通信講座を活用する
- 免除制度を活用する
インプットとアウトプットを徹底する
資格取得に向け、勉強する際には必ずインプットとアウトプットを意識しましょう。勉強のため参考書を読んだり、ノートにまとめたりするだけでは頭に記憶として定着しません。そのためインプットできた情報が正しく理解できているか、過去問や問題集で確認しましょう。
インプットとアウトプットを繰り返すことで、自分がどの程度理解ができているかを知ることができます。これによって記憶の定着を図るとともに、合格率も上がるでしょう。
勉強のモチベーションを持続する
資格取得するまでには、新たな知識をつけるために長い勉強時間が必要となります。そこで重要なのがモチベーション維持です。
集中し続けられるような、短期的な目標設定などを設定しましょう。すると目標の点数や勉強時間を超える度に、達成感を感じながら進めていけます。
このように自分で自分のモチベーションを維持する方法を決めておくと良いでしょう。
スケジュール管理を徹底する
試験に合格するためには、仕事をしながら勉強をし続けるため、自己管理やスケジュール管理の徹底が必要です。
さらには試験範囲と自分の知識や経験から、必要な勉強時間を計算し、いつまでに何を勉強するか決めなければなりません。そのため重要なのがスケジュール管理能力です。この能力がないと思うように勉強が進まず、合格には近づけません。
過去問を使う
試験に合格するためには、過去の試験で出題された過去問をうまく使いましょう。過去問を用いることで、基礎問題の理解度チェックから問題の出題傾向を把握できます。事前にどのような問題が頻出されるかを知るだけで、対策を打つことが可能です。
また、午前中の基礎問題は過去問からの流用も多いため、解いた問題がそのまま出題されることもあります。うまく過去問を活用しながら、勉強を効率よく進めていくと良いでしょう。
参考書を使う
情報処理安全確保支援士の資格を独学しようと考えている場合には、参考書を有効に使いましょう。本屋さんに行くと、何種類もの資格取得にための参考書が販売されています。参考書は合格するために、過去の問題が多く出題されていたり、問題の傾向が把握できたりします。
また、解説もわかりやすく記載されており、独学での勉強がしやすくなっています。参考書を選ぶ際には、自分がわかりやすいと感じるものを手に取り、勉強するのが良いでしょう。
通信講座を活用する
通信講座では、資格取得を効率よくさせる勉強方法はもちろんのこと、直前期には総まとめなどをしてくれます。
そのため、試験対策も豊富であり、独学で勉強するよりも挫折しにくくなっています。独学で勉強するのが苦手な方は、通信講座を検討してみましょう。
免除制度を活用する
情報処理安全確保支援士試験は、特定の条件をクリアすることで、試験の一部を2年間免除されることがあります。免除の対象となるのは「午前Ⅰ」です。
免除されるためには、応用情報技術試験に合格していること、情報処理技術者試験のいずれかの高度試験に合格していること、情報処理技術者試験の高度試験「午前Ⅰ」か、情報処理安全確保支援士試験「午前Ⅰ」が基準点に達していることが条件です。
出典:午前Ⅱ試験免除 情報処理安全確保支援士試験(SC)|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_81menjo/_index_sc_am2menjo.html
情報処理安全確保支援士試験の合格率を把握しておこう
ここまで情報処理安全確保支援士試験について解説してきました。
情報処理安全確保支援士試験は、難易度が情報処理の中では高く、レベル4に認定されています。国家資格ということもあり、難易度はとても高い試験ですが、合格すれば豊富な知識があることや高い信頼性を証明できます。
自分の市場価値を上げたい方は、この記事を参考に挑戦してみてください。
Midworks おすすめの案件例
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