いま、自分が納めている住民税の金額を答えられますか。会社員であれば、給与から自動で天引きされているので、あまり意識していないという方も多いのではないでしょうか。
会社任せだった手続きや税金の仕組みがよく分からず、なかなか独立に踏み出せないという方は少なくありません。
今回は、身近な税金のひとつである住民税について解説します。この記事を読めば、住民税の計算方法や、どのように納税するかなど、仕組みや注意点が分かります。
会社に勤めている場合、税金の手続きは担当部署で処理されることが一般的ですが、個人事業主として働くなら、自分で税金の手続きをしなければならない場面もあります。
住民税の仕組みや注意点を知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
目次
目次を閉じる
住民税とは
普段、学校教育や上下水道など、さまざまな行政サービスを受けて生活しています。そこでかかる費用を、その地域に住んでいる住民で分担して支払っているものが、個人住民税です。
この個人住民税はさらに2つに分けられ、市町村民税と道府県民税があります。
個人住民税のほかにも、法人住民税というものもありますが、こちらは事務所などを保有している法人に対して、事業所のある地域が課税するものとなっています。
出典:地方税制度|個人住民税|総務省
参照:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_06.html
出典:地方税制度|法人住民税・法人事業税|総務省
参照:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/149767_04.html
個人事業主が知っておきたい住民税の仕組み
給与明細を受け取った際、住民税や所得税といった控除項目ではなく、支給額だけチェックしていませんか。もちろん支給額を確認することも大切ですが、住民税は働く人にとって身近な税金のひとつです。
個人事業主を目指すなら、住民税は自分で納める必要があります。まずは、住民税の仕組みを知るため、納税方法や税額の算出方法を解説します。
出典:地方税制度|個人住民税|総務省
参照:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_06.html
住民税の納付方法
住民税の納付方法は、特別徴収と普通徴収の2種類があります。
特別徴収で納めているのは、勤め先から給与を受け取る会社員などが該当します。給与支払者(会社)が、毎月の給与から住民税を差し引いて、納税義務者(会社員)の代わりに納める方法です。
普通徴収の場合、市町村から納税義務者へ納税通知書が送られてくるので、その通知に従って、納税義務者が銀行の窓口やコンビニエンスストアなどで納めます。個人事業主であれば、この普通徴収で納税します。
年4回に分けて納めるため、1回の納付額は大きくなりますが、自治体によってはクレジットカード払いも可能です。
住民税の税率と所得割とは
住民税の税額は、所得に応じて課税される所得割と、平等に定額を負担する均等割があります。
所得割は、前年の1月1日から12月31日までの所得に基づいて出た金額に対して、一律10%の税率をかけた後、税額控除額を差し引いて算出します。
税額控除では、ふるさと納税といった対象団体への寄付を行なった場合や、株式による配当を得た場合に、一定額を税額から差し引くことができます。
覚えておきたいのは、収入額にそのまま税率をかけるのではなく、所得控除や税額控除を受けられるという点です。自分がどの控除を利用できるのか把握することで、漏れなく節税できるでしょう。
住民税の税率と均等割とは
個人住民税は、地域社会における会費のような役割を担っています。
東日本大震災にともなう防災費用確保のため、平成26年から令和5年までは市町村民税・道府県民税共に500円ずつ引き上げられており、現在は5,000円が加算されています。
さらに、道府県民税においては、所得割・均等割のほかに、預貯金の利子にかかる「利子割」や特定の配当にかかる「配当割」、株式の譲渡所得にかかる「株式等譲渡所得割」もあります。
個人事業主が知っておきたい住民税の注意点
ここでは、個人事業主が知っておくとよい住民税に関する注意点を紹介していきます。
個人事業主として働きたい、個人事業主になる予定がある方は、ぜひ参考にしてください。
住民税における所得控除とは
住民税の所得割を算出するにあたり、対象となる所得控除が適用されます。所得控除とは、納税義務者本人やその家族の状況によって、税の負担を軽くするための仕組みです。
例えば、所得が少ない人の税負担を減らすために、基礎控除や配偶者控除があります。これらは、所得の金額によって控除額が決まります。
ほかにも、障害者控除や勤労学生控除といった、個人の事情に応じた控除も受けられます。
出典:地方税制度|個人住民税|総務省
参照:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_06.html
出典:所得控除に関する資料|財務省
参照:https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/b03.htm
住民税と所得税の控除の違い
住民税とよく対比される税金として、所得税があります。どちらも所得に対して課税される点は同じですが、納付方法や課税方法が異なります。
例えば計算方法については、所得金額から所得控除額を差し引いて課税所得金額を算出する点までは共通です。ただし、住民税に比べて、所得税における控除額の方が大きいという特徴があります。
また、住民税は均等割が適用されるのに対して、所得税は適用されません。
出典:住民税と所得税の違い|練馬区公式ホームページ
参照:https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/zei/jyuminzei/jumin_shotoku.html
納付が免除される非課税限度額とは
住民税には、非課税限度額が設けられています。これは、所得の少ない人など、一定の条件を満たす場合に住民税の課税対象から外れる制度です。
条件によっては所得割のみ課税されない場合や、所得割・均等割共に非課税となる場合があります。非課税になる条件は、各自治体のホームページで確認してみてください。
出典:個人住民税の非課税限度額について(令和3年度以降〜)|バラのまち埼玉県伊奈町公式ホームページ
参照:https://www.town.saitama-ina.lg.jp/0000001029.html
住民税を経費とすることはできるのか
結論から言うと、住民税は経費として扱うことはできません。国税庁のタックスアンサー(よくある税の質問)においても、住民税が経費にならない旨が記載されています。
経費として計上できる税金としては、事業税や固定資産税などがあげられます。ただし、固定資産税は業務にともなう場合のみ経費に含めることが可能です。
出典:No.2210 やさしい必要経費の知識|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm
個人事業主は住民税の仕組みを正しく理解しよう
個人事業主として独立すると、給与から天引きされるのではなく、自分で納める必要があります。年に4回まとまった金額で納めるため、納税方法や税額を把握し、準備しておきましょう。
また、税金の仕組みを学ぶことは、節税対策にもつながります。ただ納税するのではなく、身近な税金への理解を深めていきましょう。
Midworks おすすめの案件例
- 芝公園駅 / 港区月額80万〜90万円
- 新宿駅 / 新宿区月額70万〜90万円
- 本郷三丁目駅 / 文京区月額80万〜90万円
- 渋谷駅 / 渋谷区月額70万〜120万円
- 京橋駅 / 大阪市城東区月額100万〜200万円
関連記事
フリーランスのキャリア
【弁護士監修】フリーランス新法が「業務委託」の発注者と受注者に与える影響とは?メリットと注意点をご紹介
【弁護士監修】フリーランス新法施行でSES事業者が注意すべき事項とは?発注者によって異なる適用範囲に注意が必要!
【弁護士監修】フリーランス新法施行はエンジニアにも影響がある?具体的な対策をご紹介
【弁護士監修】フリーランス新法の制定はフリーランスの権利保護が目的!エンジニアが新法適用に合わせてすべきことをご紹介
【弁護士監修】エンジニアの副業はフリーランス新法の適用対象になる!契約の際の注意点もご紹介
【弁護士監修】準委任契約はフリーランス新法の適用対象になる?実際の影響や注意するべきことをご紹介!
【弁護士監修】フリーランス新法が業務委託の再委託に与える影響とは?再委託する・受ける場合の注意点をご紹介
【弁護士監修】副業での稼働もフリーランス新法の対象になる!実際に注意すべき点をご紹介
インタビュー
フリーランスに転向し収入も生活も向上 アップデートを続けるエンジニアの情報収集方法を公開
新業界参入と同時にフリーランスに転向したエンジニアの情報収集方法とは?
常に情報を更新してより良い選択を ベテランフリーランスエンジニア直伝の情報収集術をご紹介
理想的なエンジニア像を描き、自由な働き方を求めてフリーランスへ。
フリーランスになって収入が3倍!全エンジニアに独立は怖くないと伝えたい
評価と報酬を考え、的確な情報を得ながら働けるフリーランスは、自分にあった生き方
専門家としての誇りを持ち、期待に応えてしっかり稼ぐ
思いもかけないフリーランスとしてのキャリア。そこには大きな可能性がたくさん詰まっていた
エンジニアの職種
TechStockの気になる評判は?おすすめポイントや使い方を詳しく解説
【徹底比較】ネットワーク監視のフリーソフトおすすめ10選!できることやメリットをご紹介!
AWSの導入事例17選を紹介!導入するメリットや注意点について解説
デバッカーが「きつい」と言われる本当の理由とは?必要なスキルやおすすめの資格もご紹介!
運用保守が「やめとけ」と言われる理由とは?平均年収や仕事内容から解説!
ネットワークエンジニアは「やめとけ」と言われてしまう理由とは?仕事の魅力やメリットも解説
Linux関係の資格を取得するメリットとは?取得に向けた勉強方法も紹介
【必見】組み込みエンジニアのフリーランス年収とは?将来性や必要なスキルも紹介
業界特集
医療業界のフリーランスエンジニア向け案件特集|DX化が進む成長市場で求められるスキルと働き方のポイント
自動車業界フリーランスエンジニア案件特集|CASE時代の開発をリード!求められる技術とプロジェクト事例
EC業界のフリーランスエンジニア向け案件特集|急成長業界で必要とされるスキルや働き方のポイントもご紹介
セキュリティ業界のフリーランスエンジニア向け案件特集|案件参画で身につくスキルや参画の際に役立つ資格もご紹介
金融業界(Fintech領域)のフリーランスエンジニア向け案件特集|業界未経験でも活躍する方法もご紹介
生成AI分野フリーランスエンジニア案件特集|最先端技術を駆使!注目スキルと開発プロジェクト事例
小売業界フリーランスエンジニア案件|年収アップとキャリアアップを実現!最新トレンドと案件獲得のコツ









