「ABAPって、どのような言語なの?」
「SAPエンジニアの仕事内容や将来性を知りたい」
「SAPエンジニアの年収相場はどのくらいなの?」
SAPは世界的にニーズの高いERPシステムの一つで、日本国内でも多くの企業が導入しています。
SAP開発案件に興味があるけれど、どのように勉強すればよいのか、年収はどの程度なのか気になる方もいるでしょう。
この記事ではSAPのシステム開発言語であるABAPの詳細や学習するメリットを解説し、あわせてSAPエンジニアの仕事内容や必要な能力、将来性や年収相場についても紹介します。
この記事を読むことでABAPの詳細やSAPエンジニアになるために必要なスキルと将来性がわかり、さらに仕事の幅が広がるでしょう。
ABAPエンジニアとして仕事の幅を広げたい方、SAP案件の上流工程にチャレンジしたい方は本記事をチェックしてみてください。
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ABAPとは

ABAPとは、SAPシステムの開発に使われるプログラミング言語です。
正式名称は“Advanced Business Application Programming”で、通称「アバップ」と呼ばれます。当初は構造化プログラミング言語として発表されましたが、時代の流れに合わせてオブジェクト指向言語として拡張されました。
SAP開発には欠かせないABAPですが、言語の詳細や特徴、開発案件でどのように使われているのか詳しく見ていきましょう。
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SAPのシステム開発のための言語
ABAPはSAPシステムのみで扱える独自の言語です。SAPの基本機能を拡張したり、導入企業独自の機能に合わせたシステム開発をしたりする際に使われます。
SAP開発に特化した言語のため、ABAPを使えるエンジニアは多くありませんが、プログラム初心者でも比較的取り組みやすい言語であるのが特徴です。
また、他のプログラミング言語と比べて環境や言語仕様の影響を受けにくい点も、ABAPの強みだと言えるでしょう。
ABAPの基本書式ルール
ABAPには以下の書式ルールがあります。
1.命令は半角英字で記述する
2.大文字と小文字は区別されない
3.構文内の単語は半角スペースで区切り、ピリオドで終わる
4.同じキーワードが続く場合は、チェーン命令を利用することでまとめて記述できる
5.行全体をコメントアウトする場合は、行頭にアスタリスクを記述する
6.行の途中からコメントアウトする場合は、ダブルクォーテーションで囲む
7.「IF〜ENDIF」といった複数の命令が一連となる場合は、キーワードごとにピリオドを記述する
いずれもコーディングする上で基本となるものであるため、しっかり理解しておきましょう。基本的なルールを把握しておくことで、業務をより効率的に進めることもできます。
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ABAPは大きく3つに分類される
ABAPはプログラムの特徴によってDynpro、レポート、バッチインプットという3つのタイプに分類されます。
作成するプログラムが主にどのような処理をするのかによって、これらの3つのタイプから適したものを選び、プログラミングを行うのです。
ここからは各タイプの特徴と、主にどのような場面で使われるのかを見ていきましょう。
- Dynpro
- レポート
- バッチインプット
Dynpro
Dynproとは“Dynamic programming”の略称で、対話型の画面入力に関するプログラムのことを指します。対話型プログラムは、ユーザーのアクションに応じて画面が遷移する点が特徴です。
SAPでは操作の際にGUIを使うのが一般的で、Dynproのプログラムが実装されることが多いですが、Dynproはユーザーの要求に対応する複雑な処理が求められます。そのため、Dynproを扱えるABAPエンジニアは高いスキルを持っているとみなされるでしょう。
レポート
レポートとは、情報を収集し、データ出力を目的に作られるプログラムのことです。インプットデータを加工して一覧表示を行ったり、データベースを更新したりといった役割を持ち、出力したデータは「ABAPレポート」と呼ばれることもあります。
また、レポートはその実行方法によって、さらに3つの種類に分けられることを覚えておきましょう。
・選択画面を表示し、ユーザーに条件を入力させた後に実行するもの
・実行条件を入力させずに、いきなり処理が実行されるもの
・データの出力・表示後にデータ更新を行えるもの(インタラクティブレポート)
SAPでは会計情報を扱うことも多いため、レポートプログラムを作成すれば財務諸表などの作成が比較的容易に実装できます。
バッチインプット
バッチインプットとは、「バッチ」と呼ばれる機能を使用して、大量のデータ処理をまとめて処理するプログラムのことです。
例えば、大量の商品情報を登録する際に手作業で1件ずつ入力するのではなく、インプット用のデータを作成してバッチインプットプログラムを実装することで、手作業よりも速く確実にデータ更新が可能です。
また、バッチインプットは起動日時を指定して実行する「スケジューリング」機能が使えます。スケジューリング機能を使うことで、日中の売上データを夜間にまとめてSAPシステムに登録するといった処理ができます。
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ABAPを学ぶメリットは?

SAP案件に参画するためにABAPを身につけたいと思う方もいるでしょう。ABAPを学ぶメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
ABAPはSAP開発に特化した言語であるため、他の言語に比べるとエンジニアの数が少なく希少性が高いと言われています。ABAPを学ぶことで自分自身の市場価値が上がり、年収アップの可能性もあるでしょう。
また、ABAPを学ぶことでJavaをはじめとした他のオブジェクト指向言語の理解が深まるのもメリットの一つです。ABAPそのものは専門性の高い言語ですが、その考え方は他の言語にも通じるものがあり、プログラミング全般に関するスキル向上が期待できます。
ABAPを理解することで、SAPの標準機能についてもより深い知識を得られるでしょう。SAP標準機能はSAPプロジェクトにおいて基本的な知識であるため、ABAPだけでなく標準機能を理解しているエンジニアは、プロジェクト内で重宝されることが多いでしょう。
SAPエンジニアの仕事内容について

SAPは多くの企業で採用されている統合パッケージですが、複数モジュールを組み合わせて構築するため、さまざまな職種のプロジェクトメンバーが参画します。
SAPエンジニアは「SAP導入時のパラメータ設定」と「アドオン開発」が主な仕事内容です。他にもコンサルティングや、SAP導入後の保守運用対応、追加のアドオン開発を担うこともあります。
ここからは、プロジェクト内でSAPエンジニアが担当する「パラメータ設定」と「アドオン開発」について詳しく見ていきましょう。
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パラメータ設定
パラメータ設定は「カスタマイズ」や「コンフィグレーション」とも呼ばれ、導入企業の業務仕様に合わせてSAPのパラメータを設定する作業のことです。
SAPのパラメータ設定では言語設定などの基本的なものから、導入企業からヒアリングした内容を元に項目の設定を行います。
SAPはあらゆる企業に対応できるように膨大なパラメータが用意されているため、導入企業にとって必要な項目を使用できるよう細かく設定する必要があります。
アドオン開発
SAPの標準機能やパラメータ設定では、導入企業の業務要件を満たせない場合があります。要件を満たすために導入企業独自の機能をSAPに追加する作業が、アドオン開発です。
アドオン開発では、ABAPを使用してプログラミングを行います。ABAPはSAP独自のプログラミング言語であるため扱えるエンジニアが少なく、市場では希少な存在です。
JavaやHTMLなどのメジャーな言語とあわせてABAPも扱えるSAPエンジニアは、プロジェクト内での活躍が期待されるでしょう。
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SAPエンジニアに必要な能力

経験豊富なSAPコンサルタントは市場価値が高いと言われていますが、SAPエンジニアに求められる能力を知ることで、案件を獲得しやすくなるでしょう。
SAPに関する専門知識を持っているエンジニアは、プロジェクト内でも重宝されます。資格がなくてもSAPエンジニアとして働けますが、SAP社がモジュールの知識や能力を認定する「SAP認定コンサルタント資格」を取得しておくとより信頼度が増すでしょう。
また、マネジメント能力を磨くのもおすすめです。SAP案件では、多くのエンジニアと協力して作業する場面も多くみられます。標準機能のカスタマイズやアドオン設計などを指揮し、メンバーのマネジメントができるエンジニアはプロジェクト内でも貴重な存在になるでしょう。
ドイツ生まれのシステムであるSAPは、基本的なドキュメントは英語で提供されています。語学力を身につけておくと、多くのグローバル企業にも採用されているSAP開発で役立つこともあるでしょう。
- SAPの専門知識
- マネジメント能力
- 語学力
SAPエンジニアの年収
SAPエンジニアは専門的な知識と技術を求められるため、年収は高い傾向にあると言われています。SAPエンジニアは、月収相場が40万円~200万円と幅があります。つまり、年収換算すると480万円~2,400万円の幅になります。
SAPエンジニア自身がもっているスキルや経験によって年収は異なります。他のエンジニアと同じく経験年数や知識、スキルが少ない場合は低い価格帯からのスタートになるでしょう。
まずはABAPエンジニアとしてパラメータ設定やアドオン開発で経験を積み、次にプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーとして参画できるようになれば、年収アップも期待できます。
SAP以外の案件でマネジメント経験がある場合は、早い段階で高単価案件に参画できる可能性もあるでしょう。
フリーランスは最低単価100万円?
MidworksでもSAPの案件は多数保有しています。案件数が増加傾向にあるだけではなく、案件単価も高くなっている状況です。
SAP案件の場合、最低でも単価は100万円程度になっています。フリーランスエンジニアの方々が参画できる案件の中でも、SAP案件の単価は非常に高いといえます。
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SAPエンジニアの将来性

SAPは世界的にも大きなシェアを占めているERPパッケージです。市場には多くのSAP開発案件があるため、SAPエンジニアの需要は今後も増える傾向にあると言われています。
特に「2025年問題」と呼ばれる、SAPの旧バージョンのサポート終了が迫っていることに伴い、新バージョンへの切り替えを行う企業が増えています。そのため、ABAPのスキルを持つSAPエンジニアが不足すると言われているのです。
また、SAPは従来の主流であったオンプレミスだけでなく、AWSなどのクラウドサービスなどの連携を始めました。これにより中小企業でも高価なサーバーを準備せずにSAPが利用できるようになったため、中小企業でのSAP導入が増えると想定されています。
導入企業の多さとバージョンアップに伴う開発案件の増加により、SAPエンジニアの将来性は明るいと言えるでしょう。
ABAPを学ぶと希少価値が高いエンジニアになれる!

SAP案件に欠かせないABAPとは何か、学習するメリットや仕事内容、年収相場や必要なスキルを紹介しました。
世界中で使われているSAPは大規模案件も多く、サポート終了や導入企業の増加によりSAPエンジニアの不足が予想されるため、今後も高い需要が続くでしょう。
また、アドオン開発に欠かせないABAPを身につけることで、プログラミングスキルだけでなくSAP全体の理解が深まり、有能なエンジニアとしてプロジェクト内で活躍できるでしょう。
自分の価値を高めるためにもABAPスキルの取得に挑戦し、希少価値の高いSAPエンジニアを目指してください。
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