未経験からフリーランスの仕事を始めるには？難しい理由・おすすめの職種も紹介

「クライアントから即戦力を期待される」「サポート・教育体制が不十分」などの理由から、未経験からフリーランスを目指すのは難しいと言われています。一方で、Webライターやブロガーなどの職種は、未経験からでも目指すことが可能です。

本記事では、未経験のフリーランスが仕事するのは難しいと言われる理由に加え、未経験からフリーランスを目指す方法、おすすめの職種を紹介していきます。未経験からフリーランスを目指したい方は必見です。

フリーランスとは

「フリーランス」とは、会社や組織などに雇用されず、自分の経験や知識、スキルなどを活用して収入を得る働き方を指す言葉です。特定の企業に属さずに働くというワークスタイルを表しているため、具体的な雇用形態を指すわけではありません。

そのため、実店舗を持たず社員を雇用していない自営業主や、一人社長などが「フリーランス」に当てはまると言えるでしょう。

個人事業主とフリーランスの違い

混同されることが多いフリーランスと個人事業主ですが、その違いはどこにあるのかご存知でしょうか。フリーランスは特定の会社などに雇用されずに収入を得る働き方を指し、個人事業主は開業届を出して自身で事業を行っている事業者を指します。

そのため、フリーランスとして働く人の中には、開業して個人事業主になっている人もいれば、開業していないという人もいるでしょう。

また、会社員でありながら副業を持っている人などの場合は、「会社員かつフリーランス」ということになります。

未経験からフリーランスの仕事をするのが難しい理由

現在は会社員として働いていても、将来的には独立して、フリーランスとして活動したいと考えている人もいるでしょう。中には、今とは全く別の業種や職種でフリーランスになりたいという人もいるのではないでしょうか。

しかし、全くの未経験でスキルがない状態では、フリーランスとして生活を成り立たせるのはハードルが高いと言えるでしょう。

ここでは、未経験からフリーランスの仕事をするのが難しい理由を紹介していきます。

クライアントからは即戦力を期待される

基本的に、フリーランスは一人で仕事を行います。会社員のように周りに同僚や先輩がいるわけではないため、一人で最初から最後まで仕事を完遂できるだけのスキルが必要です。

また、クライアントから発注される案件も即戦力を前提としているため、未経験でスキルがない状態で対応できるような案件はほとんどありません。

そのため、経験やスキルがなく、業界での人脈もないままフリーランスとして独立しても、案件を獲得していくのは難しいと言えるでしょう。

サポート・教育体制が十分ではない

前述のとおり、フリーランスは一人で仕事をこなすことが前提です。会社員と違って仕事を教えてくれる先輩やサポートしてくれる同僚などもいません。

会社と違って初心者を教育してくれるようなサポート体制も存在しないため、経験やスキルがない状態でフリーランスになったとしても、十分に対応することは難しいでしょう。

また、案件を獲得できたとしても、一人でこなすだけのスキルが身に付いていなければ、解決できない問題にぶつかってしまう可能性もあるでしょう。

未経験の仕事は限られる

近年では、クラウドソーシングやフリーランス向けのエージェントなど、業務委託案件を扱っているサービスが増えてきています。中には未経験でも応募できるような案件もありますが、未経験で対応できる仕事は限られているのが現状です。

クライアントも、基本的に相手のスキルや実績を見て発注先を決めるため、未経験で実績がない状態ではなかなか信用してもらえず、案件を獲得することは難しいでしょう。

また、フリーランスの場合は人脈を介して仕事をもらうケースも多いため、まずは自分で人脈を構築していかなければ、仕事を回してもらうことはできません。

未経験の仕事は単価が低くなりがちである

フリーランスは、自分の経験や知識、技術などを使って仕事を獲得していく働き方です。そのため、前提となるスキルを持っていない場合、クライアントへのアピールポイントが「安い単価で請け負えること」だけになってしまいます。

未経験からでも案件を獲得しやすいクラウドソーシングサービスなどもありますが、フリーランス向けのエージェントと比較すると、やはり単価は安い傾向があります。

単価が高ければ短い稼働時間でも十分な収入を得られますが、単価が安い場合は、会社員と同じ時間だけ働いても収入は見合わず、場合によっては会社員よりも低収入になってしまうでしょう。

このような状態では生計も立てにくくなるため、フリーランスとして働くことが難しくなります。

相談できる人が見つけにくい

フリーランスは基本的に一人で仕事をします。会社員のように周りに人がいるわけではないため、困ったときに相談できる人が見つけにくいです。

フリーランスとして活動するのであれば、一人のパートナーとしてクライアントから仕事を任されるという意識を持ち、自己解決できるだけのスキルを身に付けておく必要があるでしょう。

未経験でもフリーランスの仕事が増えつつある理由

前述のとおり、本来であれば未経験からフリーランスになるのは難しいです。しかし、近年では未経験でも対応できるフリーランスの仕事が増えてきています。

ここでは、未経験でもフリーランスの仕事が増えつつある理由を詳しく見ていきましょう。

慢性的な人材不足

少子高齢化による労働人口の減少により、現在はさまざまな業界、業種で人材不足が叫ばれています。特に、専門性の高い仕事や若い人材が少ない仕事は慢性的な人手不足の状態になっているため、経験が浅いフリーランスにも仕事のチャンスがあると言えるでしょう。

たとえば、IT業界がその一つです。市場規模が拡大していることもあり、IT人材の不足は深刻化しつつあります。そのため、フリーランスエンジニアに業務委託を行うクライアントも増えてきています。

働き方の変化によりフリーランスが増えている

近年では働き方の多様化により、フリーランスを選ぶ人が増えてきています。また、新型コロナウィルスの影響で在宅勤務しやすい環境が構築されたことで、働き方を見直したり、空いた時間で副業を始めたりする人が増えたことも、フリーランスが増えている理由と言えるでしょう。

さらに、フリーランスの人口が増えたことでノウハウも見つけやすくなっているため、フリーランスを目指すハードルも低くなっています。

フリーランスをサポートするサービスが増えている

最近では、クラウドソーシングサイトやエージェント、ビジネス系SNSなど、フリーランスをサポートするさまざまなサービスが登場しています。このようなサービスを利用することで、自分で営業活動を行わなくても仕事を獲得することが可能になっています。

そのため、経験の浅いフリーランスでも仕事に取り組みやすい環境が整ってきていると言えるでしょう。

未経験からフリーランスの仕事を始めるには

本記事を読んでいる人の中には、どうしても未経験からフリーランスの仕事を始めたいと考えている人もいるでしょう。スムーズにフリーランスになるためには、実績や経験を積んでから独立するのが一番です。

しかし、未経験からフリーランスの仕事を始めることは不可能ではありません。

未経験からフリーランスになるのであれば、まずはフリーランスとしての方向性を定めることが大切です。ここでは、未経験からフリーランスの仕事を始める方法について見ていきましょう。

なぜフリーランスなのかを明確にする

未経験からフリーランスになろうと考えているということは、フリーランスになりたいと思った理由があるでしょう。

たとえば、「今よりもお金を稼ぎたい」、「プライベートを充実させたい」など、フリーランスになりたいと思った理由を明確にしましょう。

未経験からフリーランスの仕事を始めるのであれば、目標をしっかりと定めることが大切です。フリーランスになりたいと思った理由が明確になっていないと、目標も曖昧になり、どのような仕事を選べば良いのかもわからなくなってしまうでしょう。

自分の得意分野・やりたい仕事を明確にする

フリーランスになる理由を明確にしたら、フリーランスとして活動する職種や働き方などを決めていく必要があります。そのため、自分の得意分野ややりたい仕事を明確にしておきましょう。

自分のやりたい仕事が決まったら、その仕事がうまくいかなかった場合の選択肢も考えておくようにしましょう。事前にリスクヘッジをしておけば、いざフリーランスになってうまくいかなかった場合でも、焦ることなく行動できます。

会社員のうちにフリーランスの準備を進める

フリーランスの仕事を始めるのであれば、会社員として勤めている間に独立の準備を進めましょう。

インターネット上で検索すれば、YouTubeやSNSなどさまざまな場所にフリーランスとして活躍している人が見つかります。先輩達がどのようにして仕事を獲得しているのか参考にしながら、フリーランスという働き方について理解を深めましょう。

フリーランスになれば、これまで会社が行ってくれていた雑務も自分で行う必要が出てきます。事前に必要最低限の知識は身に付けておきましょう。

副業として「未経験OK」の仕事を始める

会社を辞めてから、改めてフリーランスとして仕事を始めると、収入が全くない期間が発生します。そのようなことを避けるため、会社員として働いている間に、未経験でもできる副業を始めておきましょう。

会社員としての収入が確保されている間であれば、副業でなかなか仕事が取れなくても生活できなくなるリスクはありません。

なお、未経験可の案件を効率的に獲得するには、クラウドソーシングサイトを利用するのがおすすめです。

高いスキルを身に付け実績を積む

副業で仕事を始めたら、実績を積んでいきましょう。スキルを上げながら実績を積んでいけば、だんだんと稼げるようになっていきます。

最初は単価も安く生活できるほど稼ぐのは難しいでしょうが、仕事を続けていくうちにだんだんとノウハウも掴めてきます。

継続を力に変えていきましょう。

ポートフォリオを作成する

未経験の場合、スキルをアピールする材料としてポートフォリオを用意しておくことが大切です。ポートフォリオとは、自身の作品などをまとめた資料集です。

特にエンジニアやWebデザイナーなどの職種の場合、クライアントからポートフォリオの提出が求められるケースも多いため、事前に用意しておきましょう。クライアントが求める言語を使用したポートフォリオなどが用意できれば、採用してもらえる可能性も上がります。

徐々に高額な仕事を受注する

アピールできる程度に実績が積みあがってきたら、徐々に高単価な仕事を受注するようにしましょう。最初はクラウドソーシングなどを利用して未経験でも対応できる案件で実績を積み、徐々にエージェントなどに移行していくのがおすすめです。

フリーランス向けのエージェントは実績が要求されますが、その分、高いスキルや実績を持っているほど高単価の案件を獲得しやすくなります。

生活ができる程度まで収入アップを目指す

会社員として働きながら副業をこなし、スキルを磨いて、副業収入だけでも生活できるレベルまで稼げるようになっておくのが理想です。目標金額を決めて、達成できたらフリーランスとして独立しましょう。

最初の内は不安が付きものですが、副業だけで生活できるほど稼げるようになったことは、自信につながります。不安が大きい場合は、会社員の内にしっかりと貯金しておくことが大切です。

未経験・スキルなしにおすすめのフリーランスの職種

未経験からフリーランスを目指す場合は、スキルがなくても仕事を受けやすい職種について知っておくことが大切です。どのような仕事をすれば良いのかまだ決まっていない場合は、未経験からでも始めやすい仕事として参考にできるでしょう。

ここでは未経験・スキルなしにおすすめのフリーランスの職種を紹介していくため、参考にしてみてください。

Webライター

Webライターとは、WebサイトやECサイトなどに掲載する記事をライティングする仕事です。Webライターの仕事は、コンテンツの執筆から入稿作業までWeb上で完結するため、フリーランスとして働きやすいと言えるでしょう。

また、ライターとしての経験がなくても、プログラミングなど特定の分野に強みがある場合、高単価の案件を獲得できる可能性があります。

Webライターの案件はクラウドソーシングでも見つかりやすいため、初心者からでも始めやすいでしょう。

ブロガー・アフィリエイター

ブロガーやアフィリエイターとは、ブログを書くことでアフィリエイト収入を稼ぐ仕事です。

ブログを書くことが仕事ですが、特に書く記事に決まりはなく、初心者からでも始めやすいのが特徴です。また、働く場所や時間も自由なため、フリーランスとして仕事をしやすいでしょう。

ただし、ブロガーやアフィリエイターとして稼ぐには、継続して記事を読んでもらえるように工夫する必要があります。ブログの人気が出るかどうかによって、明暗が分かれる職種だと言えるでしょう。

事務代行業

事務代行業とは、データ入力や書類作成、スケジュール管理など、クライアントの事務作業を代行する仕事です。

事務作業は基本的にデスクワークとなるため、在宅のフリーランスで働くことができます。基本的なビジネススキルを身に付けていれば対応できますが、事務の実務経験がある方が案件を獲得しやすいでしょう。

在宅コールセンター

在宅コールセンターは、お客様からの問い合わせ対応や、営業電話をかける仕事です。在宅オペレーターなどと呼ばれることもあります。

基本的に、用意されているマニュアルに沿って対応することになるため、電話対応ができれば問題はありません。ほとんどの場合、受電1件につき○○円と単価が決まっており、多くの電話を受けられればしっかりと収入が得られるでしょう。

YouTuber

YouTuberとは、動画投稿によって収入を得る仕事です。ゲーム実況や商品紹介など、自分で好きな動画を選んで投稿できますが、収入を得るためには需要が多いジャンルを選ぶ必要があります。

収入は動画につけた広告収入が基本となりますが、人気のあるYouTuberであれば、スーパーチャットや企業とのタイアップ動画でも収入を得られます。

YouTuberも、動画の撮影、編集など、自分の好きな時間、場所で働くことができるため、フリーランスとして働きやすいと言えるでしょう。

ただし、ライバルの多い世界でもあるため、まとまった収入を得ているYouTuberは全体のほんの一握りです。

ネットショップ

ネットショップ運営もおすすめの副業です。近年では、簡単にネットショップを開けるBASEなどのサービスが登場しているため、初心者からでもネットショップの運営がしやすくなりました。

ネットショップ運営は自分のペースで仕事がしやすいため、子育てと両立したい人にもおすすめです。

出典｜参照：BASE｜BASE株式会社

サービス業

フリーランスにおすすめのサービス職としては、ネイリストやエステティシャン、スポーツのインストラクターなどが挙げられます。自分の好きなことや得意なことを活かせる仕事です。

このようなサービス業であれば、自分で店舗を持って経営することもできるでしょう。

未経験・スキルありにおすすめのフリーランスの職種

フリーランスの職種には、スキルや経験を活かせる仕事が多く存在します。

ここからは、フリーランスとして仕事をしたことがなくても、スキルがあればできるおすすめの職種を紹介していきます。ぜひ参考にしてください。

ITエンジニア

ITエンジニアとは、システムやアプリケーションの開発を行う仕事です。ITエンジニアにはさまざまな種類の職種があり、それぞれ業務も異なります。

どの職種のITエンジニアとして働くにしても、プログラミングスキルやITの知識が必要になるため、IT関連のスキルを持っている方であれば未経験でも活躍できるでしょう。

Webデザイナー

Webデザイナーとは、WebサービスやWebサイトのデザイン、レイアウトの調整などを行う仕事です。文字や画像などを組み合わせて商品を魅力的にアピールしたり、記事を読みやすくデザインしたりします。

Webデザイナーとして活動するには、グラフィックソフトを扱うスキルやプログラミングスキル、Webデザインの知識などが必要になるでしょう。

イラストレーター

イラストレーターとは、キャラクターデザインを作成したり、パッケージイラストなどを描いたりする仕事です。イラストレーターの案件には、ゲームキャラクターから企業ロゴまでさまざまな種類があります。

イラストレーターとして働くには、PhotoshopやIllustratorなどのグラフィックソフトを扱うスキルが必要になるでしょう。

出典｜参照：Adobe Illustrator｜Adobe Inc.

出典｜参照：Adobe Photoshop｜Adobe Inc.

カメラマン

カメラマンは、IT系に強くなくても始めやすい仕事のため、スキルがある方にはおすすめの仕事です。近年ではWebマーケティングが活発に行われていることもあり、品質の良いオリジナル写真の需要も高まってきています。

フリーランスのカメラマンとして収入を得る方法には、クライアントから依頼されて撮影を行う方法もあれば、自分で撮影した写真をサイトで販売する方法もあります。

近年では、InstagramなどのSNSを活用して情報発信を行い、集客しているカメラマンも多いです。

動画編集者

動画編集者とは、撮影した動画の編集を行う仕事です。企業のプロモーション動画や結婚式の動画など、発注者が依頼する動画はさまざまです。

近年では、YouTube用の動画編集を依頼されるケースも多く、動画編集の仕事は増加傾向にあります。動画編集の主な作業は、不要なシーンのカットやテロップ、効果音の挿入などです。

スキルによっても異なりますが、発注者の意図に合った動画が作成できるようになれば、十分収入を得られる仕事と言えるでしょう。

未経験のフリーランスが仕事を獲得する方法

実際にフリーランスとして活動するのであれば、自分で仕事を獲得する要があります。ここでは最後に、未経験のフリーランスが仕事を獲得する方法について紹介していくため、参考にしてみてください。

フリーランスに特化したエージェント

フリーランスに特化したエージェントでは、フリーランス向けの案件を豊富に扱っています。エージェントに登録すれば、フリーランスを探しているクライアントとの仲介を行ってくれるため、自分で営業活動を行う必要がありません。

ただし、エージェントを利用する場合は、ある程度の経験やスキルが求められるため、独立したばかりの人には不向きです。

クラウドソーシング

クラウドソーシングサービスは、インターネット上で業務委託先を探しているクライアントとフリーランスとをマッチングさせるプラットフォームです。

クラウドソーシングの場合、仲介してもらえるわけではなく、掲載されている案件に自分で応募する形になります。未経験者でも応募しやすい案件が多い反面、単価も低い傾向があるため注意が必要です。

知人からの紹介

友人や知人からの紹介で案件を獲得することも可能です。どこから仕事が舞い込むかわからないため、独立前の会社の同僚や取引先など周りの人に仕事を探していることを伝えておくとよいでしょう。

求人サイト

求人サイトにもフリーランス向けの業務委託案件は掲載されています。フリーランス向けの案件を扱っているサイトの場合、「業務委託」などのワードで絞り込むと案件が見つかるでしょう。

未経験からフリーランスの仕事を始める方法を理解しよう

未経験の職種でも、コツコツと実績を積み上げてスキルを身に付けていくことで、フリーランスとして独立することは可能です。

ぜひ本記事で紹介した、未経験からフリーランスの仕事を始める方法や未経験におすすめのフリーランスの職種などを参考に、未経験からでもフリーランスを目指してみてはいかがでしょうか。