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4人に1人しか受からない!? 応用情報技術者試験のメリットとは?

4人に1人しか受からない!? 応用情報技術者試験のメリットとは?のイメージ

応用情報技術者試験は経済産業省がITエンジニアとして一定の水準の知識や技術力を証明できる国家試験です。資格を取得できれば、エンジニアとしてのスキルを証明できたり、就職・転職の際のアピールポイントになったりします。

本記事では、応用情報技術者試験を取得するメリットを中心に、受験するに当たっての基礎知識、勉強方法などを解説しています。応用情報技術者試験の取得を目指している方は、参考にしてみてください。

応用情報技術者試験とは?

「応用情報技術者試験」は経済産業省がITエンジニアとして一定水準の知識や技術があると認定している国家試験「情報処理技術者試験」の一つです。

「情報処理技術者試験」には「応用情報技術者試験」の下のレベルに「基本情報技術者試験」、上のレベルに9つの区分からなる専門領域に応じた試験があります。

「応用情報技術者試験」には令和4年度春期だけで5万人近くもの応募者がおり、「基本情報技術者試験」の次に人気の高い資格となっているようです。

出典:試験区分一覧|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/seido_gaiyo.html

応用情報技術者試験の概要

「応用情報技術者試験」は例年4月頃の春期と10月頃の秋期に実施されます。

各試験実施日の約3ヵ月前から3週間前後の願書受付期間中に申込む必要があるため、受験する際には余裕を持ってスケジュールを把握しましょう。

また「基本情報技術者試験」ではCBT(Computer Based Testing)での実施ですが「応用情報技術者試験」では筆記試験になり、試験会場は指定できず申込後に発送される受験票で通知されるので注意が必要です。

基本情報技術者試験との違い

試験名は「基本」と「応用」の表現による違いですが、具体的には上位者の指導の下に戦略や提案を行える知識を持ち、上位者の指導の下にシステムやソフトウェアの設計、開発、運用ができる技術水準を求めているのが「基本情報技術者試験」です。

それに比べて「応用情報技術者試験」が期待するのは、経営戦略や顧客のニーズに対して自らが戦略を立案したり、提案書の作成できる知識を有し、データベースやシステムの設計、開発などが可能な技術力と品質管理といったマネジメント能力なども含まれます。

「応用情報技術者試験」では上位者の指導の無い、独力での解決能力や提案能力が期待されていると言えるでしょう。

どんな人が取る資格?

「基本情報技術者試験」がITエンジニアの登竜門と称されており、「応用情報技術者試験」はその上位に位置する試験です。

上述の資格に期待される能力を考慮すると、ITエンジニアとして一定の経験を積み重ね、業務の裁量の幅が広がり自立性が求められてきたり、プロジェクトの中心として業務に従事する機会が多くなっている方にメリットの大きい資格と考えられます。

「応用情報技術者試験」の出題範囲には技術的な知識だけでなく、マネジメントやストラテジといった業務を円滑に進めていくうえで欠かせない知識も含まれています。こうした知識も会得することで、技術だけではない応用の効くITエンジニアとしてのスキルを身に着けることが出来るでしょう。

応用情報技術者試験取得のメリットや資格の使い道は?

「応用情報技術者試験」の前身にあたる「第一種情報処理技術者試験」と「ソフトウェア開発技術者試験」から、この試験は制定されて以来、50年以上にわたり数多くのITエンジニアと企業、機関に活用されてきました。

「基本情報技術者試験」より高度な知識や技術を要求する資格のため、取得することが難しい反面、取得した際のメリットは高い資格となっています。

ITエンジニアとして高い客観的評価

「応用情報技術者試験」はその難易度から合格者に対する客観的な評価は「基本情報技術者試験」や「ITパスポート」といった下位レベルの資格に比べて高いでしょう。

企業の中には社内資格認定に「応用情報技術者試験」を活用しているケースもあり、一定水準の知識や技術を証明するモノサシとして評価されています。

高度試験や他の国家試験の一部免除に使える

「応用情報技術者試験」に合格すると、さらに上のレベルに制定されている「情報処理技術者試験」の9つの区分からなる高度試験と「情報処理安全確保支援士試験」の一部免除に使えます。

この他、「中小企業診断士試験」や「弁理士試験」といった国家試験でも「応用情報技術者試験」の合格者は一部免除が受けられるといったメリットがあります。

将来的にこうした上位の試験の合格を目指す場合にも、段階を踏みながら勉強を進めるメリットがありそうです。

出典:免除制度の概要|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.ipa.go.jp/shiken/about/koudo_menjo.html

出典:中小企業診断士第1次試験他資格等保有による科目免除|J-SMECA 中小企業診断協会
参照:https://www.j-smeca.jp/attach/test/tashikakumenjyo.pdf

出典:【別表2】 弁理士試験の選択科目が免除される情報処理技術者試験合格者の試験区分|特許庁
参照:https://www.jpo.go.jp/news/benrishi/document/ronbun-menjo-shikaku/03.pdf

企業の採用や官公庁の採用での評価

前述の通り「応用情報技術者試験」は企業の中で活用が進んでいる資格であり、評価が高いため採用の際にも資格取得を考慮するケースもあるようです。

さらには一般企業だけでなく、官公庁の採用選考試験における受験資格に採択されている場合もあります。北海道警察などではサイバー犯罪捜査官の採用選考試験において受験資格の中に「応用情報技術者試験」を含んでいます。

ITエンジニアとして就職活動をする際にはメリットを感じる機会が多いでしょう。

応用情報技術者試験に必要な知識について

「応用情報技術者試験」で出題される設問は「基本情報技術者試験」と同様の出題範囲です。「テクノロジ系」「マネジメント系」「ストラテジ系」の3つの系統、100個以上の細目分類がされた専門知識が要求されます。

情報処理推進機構が配布するシラバスに出題範囲が記載されているので、事前に目を通し把握しておくとよいでしょう。

基本情報技術者試験に必要な知識を応用できるレベルが要求される

「応用情報技術者試験」のシラバスと「基本情報技術者試験」のシラバスを比較すると、出題範囲は同じものの「応用情報技術者試験」はより一層深い理解や修得が必要となっていることがわかります。

「基本情報技術者試験」ではシラバスに記載された各分類の種類や特徴、仕組みを理解することを目標とされていますが、「応用情報技術者試験」ではそれらを修得し、応用することが目標となっています。

午後試験は記述式の長文問題

試験の実施形式が「基本情報技術者試験」のCBT方式から筆記試験になることは先に述べた通りですが、さらに「応用情報技術者試験」の午後試験では長文問題の解答方式が多岐択一式から記述式へと変更されます。

経営戦略、システムアーキテクチャ、データベース、システム監査といった分野から11問出題され、5問を解答する必要があります。

なお、11問出題のうち情報セキュリティに関する設問は必須解答となっていますので、記述という解答形式と併せて十分な対策が必要です。

応用情報技術者試験の難易度は?

情報処理推進機構が制定する国家試験の試験区分には難易度に応じたレベリングがされています。レベル1から4までの4段階があり、「応用情報技術者試験」はレベル3の難易度にあたります。

「基本情報技術者試験」がレベル2の難易度で「ITストラテジスト試験」や「ネットワークスペシャリスト試験」といった9つの専門区域に分けられた高度試験がレベル4と設定されています。

応用情報技術者試験の合格率や勉強方法は?

令和4年度春期の「応用情報処理技術者試験」の応募者数は49,171人、受験者数は32,189人、そして合格者は7,827人です。応募者数に対する合格率は16%、受験者数に対する合格率は24%と実際に受験した方の4分の3が不合格になっています。

コロナ禍の令和3年度春期を除くと過去10年間は毎期約50,000人の応募者、そのうち受験者は約33,000人、合格者は7,000人から8,000人が目安になります。

出典:統計資料|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_07toukei/toukei_r04a_oubo.pdf

受験率の低さが目立つ試験

「応用情報処理技術者試験」は応募者に対し実際に受験した受験者数の割合を示す受験率が「基本情報処理技術者試験」に比べて低い特徴があります。

申込から試験実施日まで約3ヵ月の猶予がありますが、この間に受験を諦めてしまうパターンなどが「基本情報技術者試験」より多い傾向にあるようです。

もちろん試験日に予定が入ってしまったり、病気になってしまう場合もあるため、辞退理由を特定することは出来ませんが例年こうした傾向が見受けられます。

応募の前にご自身の現在の知識や技術と試験難易度を照らし合わせてから応募すると良さそうです。

過去問題は公式HPから入手可能

「応用情報技術者試験」の過去問題は「基本情報技術者試験」とは違い、公式HPからダウンロードできます。

午前試験、午後試験それぞれの問題と解答が掲載されていて、記述式の午後試験に関しては講評も自由に閲覧できるようになっています。

平成21年度春期試験から令和4年度春期試験まで、試験制度改定により現行の「応用情報技術者試験」が誕生してから全ての過去問題が掲載されています。

応用情報技術者試験の受験に必要な資格は?

「応用情報技術者試験」は「基本情報技術者試験」の上のレベルに制定されている試験ですが、受験資格はありません。

「基本情報技術者試験」と同様に申込をすれば自由に受験できます。そのため、「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」に合格していなくとも「応用情報技術者試験」を受験することも可能です。

「応用情報技術者試験」に合格できる知識や技術を有していると思われる方は、飛び級でこの試験を受けると複数回受験しなくても良いメリットがあります。

申込方法やスケジュール、受験料について

「応用情報技術者試験」は例年、春期と秋期の年2回の試験を実施しています。インターネットからの個人申込が必要で、申込期限を過ぎるといかなる理由でも受付をしていないため、受験希望の場合は事前に申込期間や必要事項を把握しておきましょう。

なお、情報処理推進機構のメールニュースでは申込受付開始等の試験情報を随時配信しているそうです。

出典:スケジュール、手数料など|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_02annai/_index_annai.html

応用情報技術者試験のスケジュール

春期は4月、秋期は10月に実施され、それぞれ試験日の約3ヵ月前から3週間前後の申込期間が設けられています。申込完了後は試験日の約3週間前に試験会場などが記載された受験票が発送されます。

また、試験が終わり合格が発表されるのは約1ヶ月後となっています。

令和5年度の「応用情報技術者試験」の日程については発表されていないため、情報処理推進機構の公式HPやメールニュースで最新情報が更新されるまで待ちましょう。

出典:スケジュール、手数料など|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_02annai/_index_annai.html

応用情報技術者試験の申込方法

申込方法は原則インターネットからの個人申込のみとなります。「応用情報技術者試験」の受験申込期間中に情報処理推進機構の公式HPから必要事項を入力することで申込が可能です。

受験申込料金は税込7,500円で申込後のキャンセルや返金などはできないため、試験日のスケジュールや受験勉強の進捗を確認の上、申込をするように注意しましょう。

出典:スケジュール、手数料など|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_02annai/_index_annai.html

基本情報技術者試験の通年化と応用情報技術者試験について

「基本情報技術者試験」は令和4年度下期の試験を最後に年2回の実施方式から通年方式に変更されます。受験者は好きな日時を指定して受験できるようになり、日程調整がしやすい上に年間の受験可能回数も増える予定です。

名称が似ている「応用情報技術者試験」ですが、2022年8月末現在では年2回の実施方式から変更の予定は発表されておらず令和5年度以降も現行の方式が継続される模様ですので間違いのないようご注意ください。

出典:情報処理技術者試験における出題範囲・シラバス等の変更内容の公表について|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/topic_20220425.html

応用情報技術者試験はキャリア向上のメリットがたくさん

合格者が25%以下で求められる知識レベルも高い「応用情報技術者試験」ですが、ITエンジニアとしてキャリアを歩むうえで得られるメリットもたくさんある資格であることを紹介してきました。

制定されてから技術の進歩に合わせて形を変えながらも、日本のITエンジニアの知識や技術力を測るモノサシとして「応用情報技術者試験」は今後も多くの企業や機関で活用されていくことでしょう。

「基本情報技術者試験」に合格し、これからステップアップを目指す方はもちろん、これからITエンジニアを目指す方の大きな目標として、様々なメリットが得られる「応用情報技術者試験」に是非挑戦してみてください。

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この記事の監修者

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Branding Engineer編集部

株式会社Branding Engineerはエンジニアプラットフォームサービスである「Midworks」を運営。株式会社Branding Engineerが属するTWOSTONE&Sonsグループでは、エンジニアプラットフォームサービスにおけるエンジニアの連結登録数は50,000名を越え、連結稼働数も4,500名を、案件数も10,000件を超える。 ※登録数、稼働数、案件数は2024年10月発表時点の実績数値

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記載されている内容は2024年08月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日
2022.09.28
更新日
2024.08.12

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