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国家試験ITパスポート試験の概要・難易度を解説!受験するメリットも紹介

国家試験ITパスポート試験の概要・難易度を解説!受験するメリットも紹介のイメージ

ITパスポートとは、ITに関する基礎的な知識を持つ証明になる国家試験です。IT系国家試験の中では難易度が低いこともあり、最近ではエンジニアやIT企業に従事する人に限らず、多くの業界で取得をする人が増えてきています。

本記事では、ITパスポートの試験概要や難易度、受験するメリットや勉強方法についても紹介していきます。ITパスポートの資格取得を検討している人はぜひ参考にしてみてください。

ITパスポートについて

ITパスポートとは、ITに関する基礎的な知識が証明できる試験です。一般的に「iパス」と呼ばれている国家試験で、経済産業省管轄のIPAが実施している情報処理技術者試験の1区分となっています。

ITSSのスキルレベルは1に相当するため、情報処理技術者試験の中ではもっとも易しいレベルです。ここでは、ITパスポートの詳しい内容について紹介していきます。

出典|参照:ITパスポート試験|独立行政法人 情報処理推進機構

試験内容

ITパスポート試験は、小問100問四肢択一式の試験です。出題分野はストラテジ系が35問程度、マネジメント系が20問程度、テクノロジ系が45問程度となっています。

また、試験時間は120分となっており、総合評価で1,000点満点中600点以上獲得、さらに分野別評価でもストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系それぞれで1,000点満点中300点以上獲得することで合格となります。

出典|参照:試験内容・出題範囲|独立行政法人 情報処理推進機構

試験実施日

ITパスポートの試験は、全国にある試験会場で随時実施しています。公式サイトから試験会場ごとの試験開催状況が確認できるため、試験日や空席状況を確認して自分の都合の良い日で申し込めます。

出典|参照:受験要領|独立行政法人 情報処理推進機構

試験会場

ITパスポートの試験は、全国47都道府県にあるCBT試験会場で受験できます。CBT試験会場では、個室の用意やパソコン周辺機器の持ち込み、所定位置からのパソコンの移動などはできません。

また、一部のCBT試験会場では車いすでの受験も可能となっています。

出典|参照:受験要領|独立行政法人 情報処理推進機構

出典|参照:車椅子での受験が可能な試験会場|独立行政法人 情報処理推進機構

受験料

ITパスポートの受験料は7,500円(税込)となっています。一度受験料を支払った場合、たとえ試験を受けなかったとしても返還してもらうことはできません。

なお、領収書は支払いを確認できた日以降、1年間ダウンロードできます。

出典|参照:4.受験手数料|独立行政法人 情報処理推進機構

受験方式(CBT方式)

ITパスポート試験の受験方式はコンピュータを使用したCBT(Computer Based Testing)方式の試験となっています。CBT方式では、受験者はコンピュータ上に表示された試験問題をマウスやキーボードを使用して解答していきます。

CBT方式を採用している試験では、そのほとんどで1年を通して好きな日程で試験を受けることが可能です。

また、CBT方式の場合は申し込み、受験、合否通知まで全てインターネット上で完結するため、受験者側だけでなく主催者側の利便性が高い点もメリットです。

出典|参照:受験要領|独立行政法人 情報処理推進機構

ITパスポートを受験する8つのメリット

ITパスポート試験は他のIT系国家試験と比較しても難易度が低く、ITを利活用する全ての学生、社会人向けの試験とされています。そのため、ITパスポートを受検することにはエンジニアに限らず多くのメリットがあると言えるでしょう。

ここでは、ITパスポートを受験するメリットを紹介していきます。

出典|参照:ITパスポート試験|独立行政法人 情報処理推進機構

1:IT初心者でも幅広い知識が身につく

ITパスポートではITの仕組みや業務で使用するシステム、安全な使い方などITに関連した範囲が網羅されています。

そのため、試験に合格するためには試験範囲の内容をバランスよく学習する必要があるでしょう。このような試験勉強を通して、初心者からでも幅広いIT知識を習得できます。

2:就職活動時の自己PRになる

ITパスポートは就職活動の際の自己PRにも活かせる資格です。ITパスポートを保有しているということは、ITに関連した幅広い知識を持っていることの客観的な証明になります。

そのため、ITに関する基礎的な知識があることをアピールできるようになるでしょう。特にIT業界未経験から転職する場合、ITパスポートがあることでスムーズに転職できるケースもあります。

3:大学進学時に有利になる場合がある

さまざまな大学、専門学校などで、ITパスポート保有者の入試優遇制度が設けられています。また、単位認定制度が設けられているケースもあるため、ITパスポートを取得しておくことで大学に入学しやすくなったり、単位取得がしやすくなったりするというメリットがあります。

ITパスポートはITを利活用する全ての人を対象とした試験となっているため、対策を行っておけば高校生でも合格することは十分可能です。

企業は業界職種に関係なく情報セキュリティの知識やIT活用力を求めているため、早い段階からITパスポートを取得しておくとよいでしょう。

出典|参照:情報処理技術者試験の大学における単位認定|独立行政法人 情報処理推進機構

4:企業や省庁での採用時に評価される場合がある

ITパスポートは企業や官公庁、自治体などでの採用の際に評価されることも多いです。情報処理能力の確認やサイバー犯罪操作を行う人材育成などを目的に、警察でもITパスポートの保有を加点対象としているケースがあります。

また、金融庁や総務省、特許庁などでもITに関連した研修を実施したり、人材育成の一環としてITパスポートの受験を推奨したりしています。

出典|参照:官公庁・自治体などにおける活用事例|独立行政法人 情報処理推進機構

5:難易度の高い資格取得へつながる

ITパスポートは他のIT関連資格と比較しても難易度が低く、入門的な位置づけの資格となっています。そのため、ITパスポート獲得を通してITの基礎知識を身につけることで、他の難易度の高い資格取得にも挑戦しやすくなるでしょう。

たとえばITパスポートの上位資格として「基本情報技術者」が挙げられますが、試験範囲が重なっている部分も多いため、ITパスポート受験を通して身につけた知識をそのまま活かせるでしょう。

出典|参照:現行の試験制度|独立行政法人 情報処理推進機構

6:情報セキュリティなどに関する知識が身につく

ITパスポートでは、情報セキュリティに関する分野の問題も出題されます。そのため、ITパスポートの試験勉強を通してインターネットや社内システムを利用する際の情報セキュリティや情報モラルに関する知識を身につけられます。

ITパスポートを取得しておくことで、実際にインターネットを利用する際に気をつけなければいけない情報漏洩やウィルス感染といったあらゆるリスクについて理解できるでしょう。

出典|参照:社会人の方へ|独立行政法人 情報処理推進機構

7:経営全般に関する基礎知識が身につく

ITパスポートではITに関連した知識だけでなく、経営戦略や財務といった経営に関する内容も出題されます。そのため、ITパスポートの試験勉強を通して、経営全般に関する基礎知識を身につけられるでしょう。

社会人として知っておきたいSWOT分析やBSCなどの経営に関する知識や、財務諸表などの会計、財務に関する知識を身につけられます。経営全般の知識を習得することにより、ITを活用した業務課題の解決にも役立つようになるでしょう。

出典|参照:社会人の方へ|独立行政法人 情報処理推進機構

8:業務上必要なITの基礎知識が身につく

ITパスポートを受検する場合、パソコンの操作などの内容だけでなく、ITに関する幅広い基礎知識が必要になります。ITパスポートを取得するためには、情報システムやデータベース、ネットワークといった業務で必要となる知識の習得は必要不可欠です。

そのため、ITパスポートの試験勉強を通じて、今後の業務に必要となる知識を体系的に身につけられるでしょう。たとえエンジニアとして仕事をするわけではなくても、社内の情報システム部門やエンジニア、IT企業とのコミュニケーションに役立ちます。

出典|参照:社会人の方へ|独立行政法人 情報処理推進機構

ITパスポートの難易度

ITパスポートの受験を検討している人の中には、ITパスポートの難易度について知りたいと考えている人も多いでしょう。ITパスポートは他のIT系国家試験と比較すると非常に易しいレベルの試験となっていますが、受験者の中には学生やIT系以外の社会人も含まれています。

そのため、受験者のレベルによっても難易度は変わってくるでしょう。ここでは、ITパスポートの難易度について解説していきます。

合格率は50%前後

令和4年4月度、7月度の受験者全体での合格率を見ると、ITパスポートの合格率は50%程度となっています。令和4年4月度、7月度の累計では、社会人の合格率は58.6%、学生の合格率は42.7%となっており、全体の合格率は55.3%となっています。

出典:ITパスポート試験 試験結果|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/openinfo/pdf/statistics/202207_ip_shikenkekka.pdf

学生より社会人の方が合格率が高い

令和4年4月度、7月度のITパスポートの試験結果を参照すると、学生よりも社会人の合格率の方が高いという結果になっています。

令和4年7月度の応募者の構成比としては、社会人が78.4%、学生が21.6%、令和4年4月度、7月度の累計では、社会人が79.1%、学生が20.9%となっています。

合格率としては、令和4年7月度は社会人が54.5%、学生が39.2%、令和4年4月度、7月度の累計では、社会人が58.6%、学生が42.7%です。

出典|参照:情報技術者試験 統計資料|独立行政法人 情報処理推進機構

出典|参照:ITパスポート試験 試験結果|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

合格基準

ITパスポートの合格基準は、総合評価点600点以上、かつ分野別評価点がそれぞれ300点以上であることです。

総合評価点が1,000点満点中600点以上、さらにストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系それぞれの分野でそれぞれ1,000点満点中300点以上を獲得する必要があります。

出典|参照:試験内容|独立行政法人 情報処理推進機構

ITパスポートの勉強方法

前述のとおり、ITパスポートの合格率は社会人の方が高いです。特にIT業界で働いている人であれば、合格することは難しくないでしょう。

しかし学生やIT未経験の社会人がITパスポートを受検する場合、合格率は決して高いとは言えないため、十分な試験対策を行ったうえで受験に臨む必要があります。

ここでは、ITパスポートの勉強方法を紹介していきます。

出典|参照:情報技術者試験 統計資料|独立行政法人 情報処理推進機構

出典|参照:ITパスポート試験 試験結果|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

参考書で学ぶ

参考書であればITパスポート合格に必要な知識が体系的にまとまっており、一冊で出題範囲の内容を網羅できるでしょう。

そのため、効率的に学習を進められるため、学習時間も短く済むというメリットがあります。また、参考書であれば持ち歩くこともできるため、通勤通学や休憩時間などのスキマ時間でも学習できる点がメリットです。

出典|参照:ITパスポート試験|独立行政法人 情報処理推進機構

過去問を解く

ITパスポートの過去問はIPAのサイトで過去10数年分が公開されており、PDF形式でダウンロードすることが可能です。

また、インターネット上にはITパスポートの対策サイトなどもあるため、そのようなサイトを活用するという方法もあります。ただし、過去問には関連用語の解説などはないため、IT初心者であれば参考書なども活用して勉強する方が良いでしょう。

出典|参照:過去問題(問題冊子・解答例)|独立行政法人 情報処理推進機構

通信講座で学ぶ

通信講座であれば、これまでに出題された問題の傾向を踏まえたカリキュラムを利用して学習を進められるため、短い期間で効率的な学習が可能になります。

また、自分で参考書や過去問を利用して独学することが難しいという場合でも、通信講座であれば続けやすいでしょう。

ITパスポート受験者におすすめの3つの試験

ここまで紹介したとおり、ITパスポートはIT系の資格試験としても入門レベルの試験です。そのため、ITパスポートを取得するのであれば、他の入門レベルの資格やステップアップできる資格取得を目指すのがおすすめです。

ここでは、ITパスポート受験者におすすめの試験を紹介します。

1:マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)

マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)は、Microsoft Office製品の利用スキルを証明できるベンダー資格です。

WordやExcel、PowerPointといったOffice製品の利用スキルを認定する資格で、Office製品はバージョンによっても機能が異なるため、試験はバージョンごとに設けられています。

取得することでパソコンの操作スキルの証明ができ、業務効率化にも役立つでしょう。

出典|参照:マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)| Microsoft

2:情報セキュリティマネジメント試験

情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティマネジメントの計画や運用、評価、改善などに必要なスキルを証明できる国家資格です。ITパスポートと同様にIPAが実施している資格試験で、ITSSのスキルレベルは2に相当します。

ITパスポートのワンランク上のレベルとなっていますが、セキュリティ系資格としては比較的難易度が低めであるため、取得を目指すと良いでしょう。

出典|参照:情報セキュリティマネジメント試験|独立行政法人 情報処理推進機構

3:基本情報技術者試験

基本情報技術者試験とは、ITエンジニアを目指す人におすすめの国家資格です。ITパスポートと同じ情報処理技術者試験の1区分で、ITSSのスキルレベル2に相当します。

試験範囲は広いですが、ITパスポートの試験範囲とも一部重なっているため、ITパスポートの試験対策で学んだ知識をそのまま活かせるでしょう。基本情報技術者取得後は、さらにステップアップとして応用情報技術者合格を目指すと良いでしょう。

出典|参照:基本情報技術者試験|独立行政法人 情報処理推進機構

ITパスポートを受験してITの基礎知識を身につけよう

ITパスポートの試験勉強を通して、ITに関連した幅広い基礎知識を身につけられます。比較的難易度も低いため、IT入門者にもおすすめです。

ぜひ本記事で紹介したITパスポートを受検するメリットやITパスポートの難易度、勉強方法などを参考に、ITパスポート取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

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Branding Engineer編集部

株式会社Branding Engineerはエンジニアプラットフォームサービスである「Midworks」を運営。株式会社Branding Engineerが属するTWOSTONE&Sonsグループでは、エンジニアプラットフォームサービスにおけるエンジニアの連結登録数は50,000名を越え、連結稼働数も4,500名を、案件数も10,000件を超える。 ※登録数、稼働数、案件数は2024年10月発表時点の実績数値

株式会社Branding Engineerはエンジニアプラットフォームサービスである「Midworks」を運営。株式会社Branding Engineerが属するTWOSTONE&Sonsグループでは、エンジニアプラットフォームサービスにおけるエンジニアの連結登録数は50,000名を越え、連結稼働数も4,500名を、案件数も10,000件を超える。 ※登録数、稼働数、案件数は2024年10月発表時点の実績数値

記載されている内容は2024年10月03日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日
2022.09.14
更新日
2024.10.03

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