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AWSエンジニアのキャリアロードマップはどんなもの?経験年数別に解説

AWSエンジニアのキャリアロードマップはどんなもの?経験年数別に解説のイメージ

クラウド市場で世界シェアトップを誇るAWS。企業のDX推進やクラウド移行が加速する中、AWSエンジニアの需要は年々高まっています。しかしAWSエンジニアとしてのキャリアを築区方法、次に習得すべきスキルなどを悩む方も多いのではないでしょうか。AWSは300以上のサービスを提供しており、学ぶべき範囲が広大であるため体系的な学習計画が不可欠です。

本記事では未経験から経験5年以上まで、各段階で求められるスキルや実務経験を体系的に整理したキャリアロードマップを紹介します。VPCやEC2などの基礎からサーバーレスアーキテクチャ、大規模クラウド移行まで段階的なスキル習得の道筋を明確にします。自分の現在地を確認し、次のステップへ進むための具体的な指針としてお役立てください。

AWSエンジニアとは

AWSエンジニアとはAmazon Web Servicesを活用し、クラウドインフラの設計・構築・運用を担う技術者のことです。具体的にはEC2やS3などのAWSサービスを組み合わせてシステム基盤を構築し、セキュリティ設定や監視体制を整備します。

オンプレミス環境からクラウドへの移行支援、既存システムの最適化なども重要な役割です。AWSは300以上のサービスを提供しており、エンジニアには幅広い知識と実践力が求められます。クラウド市場でのAWSシェアは約31%と高く、今後も安定した需要が見込まれる職種といえるでしょう。

【経験年数別】AWSエンジニアのキャリアロードマップ例

AWSエンジニアのキャリアは経験年数に応じ、段階的にスキルを積み上げていくのが一般的です。未経験からスタートして基礎を固め、実務経験を重ねながら設計・構築スキルを習得し、最終的には大規模プロジェクトをリードするアーキテクトへと成長します。

ここでは各段階で必要となる、具体的なスキルセットと実務経験を詳しく解説します。自分の現在のレベルと照らし合わせながら、次に目指すべきステップを確認していきましょう。

未経験・初心者レベル

未経験からAWSエンジニアを目指す段階では、クラウドの基礎概念と基本的なAWSサービスの理解が最優先です。この時期は実務経験よりもクラウドコンピューティングの全体像を把握し、AWSの主要サービスに触れることが重要になります。

学習方法としてはAWS公式ドキュメントやハンズオン形式のチュートリアルを活用し、実際にアカウントを作成して操作してみることが効果的です。またAWS Certified Cloud Practitionerの取得を目指すことで、体系的な知識を身につけられます。

クラウド基礎概念(VPC、EC2、S3など)の理解

AWSの基礎として、まずVPC(仮想プライベートクラウド)の概念を理解しましょう。ネットワークの分離やサブネット設計、ルーティングの仕組みを学ぶことでセキュアなクラウド環境の構築基盤が身につきます。

EC2(仮想サーバー)ではインスタンスタイプの選定やAMIの活用方法を習得し、実際にWebサーバーを立ち上げる練習が有効です。S3(オブジェクトストレージ)についてはバケットの作成からアクセス制御、ライフサイクル管理まで一通り操作できるようになることが目標です。これらのコアサービスはほぼすべてのAWSシステムで使用される、基礎中の基礎といえます。

基本的なインフラ運用スキルの習得

クラウドインフラの運用には、従来のオンプレミス環境とは異なるスキルセットが必要です。CloudWatchを使った基本的な監視設定、アラート通知の仕組みなどを理解しましょう。またIAMによるアクセス管理の基本を学び、最小権限の原則に基づいた権限設定ができるようになることが大切です。

バックアップ戦略についてもEBSスナップショットやS3のバージョニング機能を活用した、基礎的な方法を習得します。さらにAWSコンソールでの操作に慣れるだけでなくAWS CLIの基本コマンドも使えるようになると、今後の自動化スキル習得がスムーズです。

小規模構築案件での監視・運用オペレーション経験の積み上げ

実務経験を積む初期段階では、既存システムの監視・運用業務から始めることが一般的です。CloudWatchダッシュボードの確認やログの収集と分析、定期的なパッチ適用作業などを通じ、AWSインフラの日常的な管理業務に慣れていきます。

インシデント対応の経験も貴重で、障害発生時のエスカレーション手順や復旧作業を学ぶことでシステムの可用性維持に必要な視点が養われます。また小規模な環境であれば、設計書の読解や簡単な設定変更なども担当できる機会があるでしょう。これらの経験を通じ、AWSサービスの実際の動作やベストプラクティスを体得していくことが大切です。

実務経験1〜3年レベル

1〜3年の経験を積んだエンジニアは単純な運用作業から一歩進み、設計・構築の領域に関わり始める段階です。この時期にはシステム要件を理解した上でAWSサービスを適切に選定し、実装できる力が求められます。

またセキュリティやコスト最適化といった、非機能要件への配慮も必要になります。複数のプロジェクトの経験によってさまざまなアーキテクチャパターンに触れ、状況に応じた最適解を導く力を養いましょう。

VPC設計やネットワーク構築の実務スキル

実務レベルのVPC設計ではシステム要件に応じた適切なCIDRブロックの割り当てや、パブリック・プライベートサブネットの配置設計ができる必要があります。NATゲートウェイやインターネットゲートウェイの配置、ルートテーブルの設定などネットワークトラフィックの制御を適切に実装できることが求められます。

またセキュリティグループとネットワークACLを組み合わせた多層防御の設計、VPCピアリング・Transit Gatewayを使った複数VPC間の接続設計なども経験しておきたいスキルです。さらにオンプレミス環境とのVPN接続やDirect Connectの設定も、ハイブリッドクラウド構成では重要な知識となります。

IAMポリシー管理やセキュリティベストプラクティスの適用

セキュリティはAWSエンジニアの最重要スキルの1つです。IAMでは、ロールベースのアクセス制御(RBAC)を設計し、ユーザー・グループ・ロールを適切に使い分けられる必要があります。カスタムポリシーの作成や管理ポリシーとインラインポリシーの使い分け、クロスアカウントアクセスの設定なども実装できるレベルを目指しましょう。

またAWS Organizationsを使ったマルチアカウント管理、SCPによるガードレールの設定なども学ぶべき内容です。暗号化についてもKMSを使ったデータの暗号化やS3バケットポリシーによるアクセス制限など、セキュリティベストプラクティスに沿った実装が必要でしょう。

TerraformやCloudFormationを用いたIaCの導入・自動化

インフラのコード化(IaC)は現代のクラウドインフラ管理において、必須のスキルです。CloudFormationはAWS純正のIaCツールで、JSON/YAML形式でインフラを定義してスタックとして管理します。一方、TerraformはHashiCorp社が提供するマルチクラウド対応のツールで、HCL言語を使って記述します。

どちらのツールでも再利用可能なモジュールの設計、および環境ごとのパラメータ管理ができるレベルを目指しましょう。IaCの導入によってインフラの構築・変更・削除が自動化され、環境の一貫性が保たれるとともにバージョン管理によって変更履歴の追跡も可能になります。CI/CDパイプラインと組み合わせた自動デプロイの仕組み構築も、この段階で経験しておきたい内容です。

実務経験3〜5年レベル

3〜5年の経験を持つエンジニアは、中堅からシニアレベルへの過渡期にあります。この段階ではより高度なアーキテクチャ設計、システム全体の最適化を担える力などが求められます。

単一のAWSサービスだけでなく、複数のサービスを組み合わせた総合的なソリューション設計ができることが大切です。またパフォーマンスチューニングやコスト最適化など、運用フェーズでの改善活動もリードできる立場となります。

サーバーレス(Lambda/API Gateway)を活用したシステム設計

サーバーレスアーキテクチャはインフラ管理の負担を軽減し、スケーラビリティとコスト効率を両立できる手法です。AWS Lambdaを使った関数単位の処理設計ではイベント駆動型の実装パターン、適切なメモリ・タイムアウト設定などを理解する必要があります。API Gatewayと組み合わせることでRESTful APIやWebSocket APIを構築でき、フロントエンドとの統合もスムーズになります。

さらにS3イベントやDynamoDB Streams、EventBridgeなどと連携したイベント処理システムの設計も習得しましょう。Step Functionsを使ったワークフロー管理やサーバーレスフレームワークを活用した開発・デプロイの自動化も、実践的なスキルとして必要です。

高可用性・スケーラブルなアーキテクチャ設計

ミッションクリティカルなシステムでは、可用性とスケーラビリティが最重要課題となります。マルチAZ構成によるリージョン内の冗長化や、場合によってはマルチリージョン構成の設計も検討が必要です。ELB(Elastic Load Balancing)を使った負荷分散、Auto Scalingによる自動スケーリング設定、RDSのリードレプリカやマルチAZ配置など各種冗長化技術を適切に組み合わせられる力が求められます。

また障害時の自動復旧設計として、Route 53のヘルスチェックやフェイルオーバールーティング、CloudWatchアラームによる自動対応なども実装できることが大切です。データの整合性を保ちながら分散システムを設計する際のCAP定理の理解も、この段階で深めるべき知識です。

CloudWatchやX-Rayを用いた可観測性の向上と運用最適化

システムの可観測性(Observability)を高めることは、安定運用と継続的改善の基盤となります。CloudWatchではカスタムメトリクスの設計や複雑なログクエリの作成、アラーム設定の最適化などを実施します。ダッシュボードの効果的な設計により、システム状態の可視化と異常検知の精度が向上するでしょう。

AWS X-Rayを使った分散トレーシングではマイクロサービス間の呼び出し関係やボトルネックの特定が可能になり、パフォーマンス改善に直結します。さらにCloudWatch Insightsを活用したログ分析やAWSコスト管理ツールによる支出の可視化・最適化提案も、この段階で担える重要なスキルです。運用データに基づいた継続的な改善サイクルを回せることが、シニアエンジニアへの重要なステップとなります。

実務経験5年以上

5年以上の豊富な経験を持つエンジニアは、技術的なリーダーシップやアーキテクトとしての役割が期待されます。大規模プロジェクトの技術選定から設計、チームマネジメントまで幅広い責任を担い、ビジネス要件を技術的なソリューションに落とし込む高度な能力が必要です。

またコスト最適化やガバナンス構築など、経営視点での意思決定にも関わります。

大規模クラウド移行プロジェクトのアーキテクト担当

エンタープライズ規模のクラウド移行では、数百から数千のシステムを段階的に移行する戦略立案が必要です。AWS Migration HubやApplication Discovery Serviceを活用した現状分析から始まり、エンタープライズ規模のクラウド移行を主導するアーキテクトには、システムごとに最適な移行戦略を選定する「6つのR」の知識が求められます。

まず、既存環境をそのままクラウドへ移す「Rehost(リホスト)」、OSやミドルウェアの最適化を図る「Replatform(リプラットフォーム)」、そしてクラウドネイティブな構造へ刷新する「Refactor(リファクタ)」といった、技術的な変更を伴うアプローチがあります。加えて、既存製品をSaaS等へ買い替える「Repurchase(リパーチェス)」や、不要なシステムを廃止する「Retire(リタイア)」、現時点では移行せず維持する「Retain(リテイン)」。これら6つの選択肢をビジネス要件やコスト、工数に基づいて適切に使い分ける判断力こそが、大規模プロジェクトを成功に導く鍵となります。

移行計画では依存関係の整理やダウンタイムの軽減、データ移行方法の選定などを総合的に判断します。AWS Database Migration ServiceやSnowballファミリーを使った大容量データ移行の設計も必要です。さらに移行後の運用体制構築やパフォーマンスチューニング、段階的な最適化ロードマップの作成までプロジェクト全体を俯瞰してリードできる力が必要です。

複数AWSサービスを組み合わせたエンタープライズ設計の主導

大規模システムでは単一サービスではなく、AWSの多様なサービスを統合したアーキテクチャが求められます。例えばデータ分析基盤ではS3やGlue、Athena、Redshift、QuickSightを組み合わせたデータレイクの構築、機械学習パイプラインとしてSageMakerとの統合設計などが該当します。マイクロサービスアーキテクチャではECS/EKSによるコンテナオーケストレーションやAPI Gateway、Lambda、DynamoDBなどを組み合わせた疎結合なシステム設計を実現できるでしょう。

さらにIoT基盤としてIoT CoreやKinesis、Lambda、DynamoDB、S3を連携させたリアルタイム処理システムなどビジネス要件に応じた、最適なサービス選定と統合設計ができる専門性が必要です。エンタープライズグレードの要件(高可用性、セキュリティ、コンプライアンス、監査対応)を満たしつつ、将来の拡張性も考慮した設計力が問われます。

FinOps視点でのコスト最適化戦略の策定・クラウドガバナンス構築

クラウドコストの最適化は、技術的課題であると同時に経営課題でもあります。FinOps(Financial Operations)の考え方に基づき、Cost ExplorerやCost and Usage Reportを活用した詳細な支出分析を行い、無駄なリソースの特定と削減策を提案しましょう。Reserved InstanceやSavings Plansの戦略的な活用、適切なインスタンスタイプへの変更、オートスケーリングの最適化などを実施します。

また組織全体のクラウドガバナンス構築も、重要な役割です。AWS Organizationsによるマルチアカウント戦略の設計やService Control Policies(SCP)によるガードレールの設定、AWS Configを使ったコンプライアンス監査の自動化などを推進します。タグ戦略の標準化によるコスト配分の可視化や部門別・プロジェクト別の予算管理体制の確立まで、組織横断的な取り組みをリードできる力が必要です。

より効率的にキャリアアップを目指すために有益なAWS資格例

AWS認定資格は、体系的な知識習得とスキルの客観的証明に役立ちます。実務経験と組み合わせることで転職市場での評価向上、プロジェクトでの信頼獲得などにつながります。キャリアステージに応じた適切な資格を選択し、計画的に取得していくことが大切です。

ここではAWSエンジニアのキャリアアップに、特に有益な資格を紹介します。未経験者向けの基礎資格から専門性を証明する上級資格まで、目的に応じて選択しましょう。

例1:AWS Certified Solutions Architect – Associate

Solutions Architect – AssociateはAWSの中核となる、設計スキルを証明する人気の高い資格です。コンピューティングやストレージ、データベース、ネットワークなどAWSの主要サービスを活用した可用性・コスト効率・フォールトトレランス・スケーラビリティに優れたシステム設計能力が問われます。実務経験1年程度のエンジニアが次のステップとして取得する場合が多く、アーキテクチャ設計の基本原則やベストプラクティスを体系的に学べます。

試験ではケーススタディ形式で適切なAWSサービスの選定や設計判断が求められ、実践的な思考力が養われます。この資格の取得によってインフラ設計者としての基礎が固まり、より複雑なシステム設計に挑戦する土台を築けるでしょう。

出典参照:AWS Certified Solutions Architect - Associate|アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社

例2:AWS Certified Developer – Associate

Developer – AssociateはAWS上でアプリケーション開発を行う、エンジニア向けの資格です。LambdaやAPI Gateway、DynamoDB、S3などのサービスを使ったサーバーレス開発やSDKを活用したプログラミング、CI/CDパイプラインの構築などが試験範囲に含まれます。開発者としてAWSサービスをコードから操作する方法、セキュアなアプリケーション開発の手法などを習得できます。

デプロイメント戦略やモニタリング、トラブルシューティングのスキルも問われるためDevOpsエンジニアを目指す方にも有益です。インフラエンジニアがこの資格を取得すれば開発者視点でのAWS活用方法を理解でき、よりアプリケーション要件に即したインフラ設計が可能になります。

出典参照:AWS Certified Developer - Associate|アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社

例3:AWS Certified Security – Specialty

Security – SpecialtyはAWSにおけるセキュリティのスペシャリストを認定する、上級資格です。IAMの高度な設定や暗号化技術、ネットワークセキュリティ、ログ監視と分析、インシデント対応などセキュリティ全般にわたる深い知識が要求されます。

AWS OrganizationsのSCPやGuardDuty、Security Hub、Macie、Inspector、WAF、Shieldなどセキュリティ関連サービスの実装と運用に関する専門性を証明できます。コンプライアンス要件への対応やセキュリティ監査の実施方法も学べるため、金融や医療などの規制産業でのキャリアにも有利となるでしょう。経験3年以上で、セキュリティ領域でのキャリアを深めたいエンジニアに推奨される資格です。

出典参照:AWS Certified Security - Specialty|アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社

例4:AWS Certified Cloud Practitioner

Cloud PractitionerはAWSの基礎知識を証明する、エントリーレベルの資格です。クラウドの概念やAWSの主要サービス、セキュリティとコンプライアンス、料金体系とサポートプランなどAWS利用の全体像を網羅的に理解していることを示します。技術者だけでなく営業やマネジメント層など非技術職の方にも適しており、組織全体でのAWS理解促進に役立ちます。

未経験からAWSエンジニアを目指す方にとって、最初の目標として最適です。この資格取得を通じてAWS用語や基本概念に慣れることが可能であり、その後のより専門的な資格学習や実務でのスムーズなスタートにつながります。学習期間も比較的短く、クラウドキャリアの第一歩として取り組みやすい資格といえるでしょう。

出典参照:AWS Certified Cloud Practitioner|アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社

まとめ|成長段階に合わせたスキル習得でAWSエンジニアとしての市場価値を最大化しよう

AWSエンジニアのキャリアは、段階的なスキル習得と実務経験の積み重ねによって形成されます。未経験からスタートして基礎的な運用スキルを身につけ、設計・構築へとステップアップし、最終的には大規模プロジェクトをリードするアーキテクトへと成長する道筋が見えてきたのではないでしょうか。

重要なのは現在の自分のレベルを正しく認識し、次に必要なスキルを明確にして計画的に学習を進めることです。継続的な学習と実践を通じ、市場価値の高いエンジニアとして活躍していきましょう。

記載されている内容は2026年02月05日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日
2026.02.05
更新日
2026.02.05

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