Azureを使ってできることは?メリットや欠かせないサービスを解説
「Azureってどんなサービスなの?」
「Azureを使ってどんなことができるのか教えてほしい」
「Azureのメリットと使う際に欠かせないサービスが知りたい」
このように、Azureの使用を検討する際に様々な疑問や興味を持っているという人もいるのではないでしょうか。
本記事では、Azureがどのようなサービスなのか特徴を含めた基礎的な知識を紹介するとともに、使い方やメリット、Azureのサービスについて解説しています。
この記事を読むことで、Azureがどのようなサービスなのか把握することが可能です。その知識をもとに、その特徴や使い方を踏まえてAzureや関連サービスを導入できるでしょう。
Azureについて興味を持っているという人は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
目次
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Azureとはマイクロソフト社のクラウド プラットフォームサービス
Azure(アジュール)は、マイクロソフト社のクラウドプラットフォームサービスです。
クラウドサービスとは、インターネット経由で提供されているサービスやサービス事業を指し、ソフトやアプリをインストールしなくても文書や表を作成・メールの送受信・データの保存や取り出し、編集などができます。
一般的にクラウドサービスには大きく分けて3つの種類があるため、ここからはそれぞれの種類について解説します。
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Platform as a Service
Platform as a Service(PaaS:パース)は、仮想化されたアプリケーション実行用のプラットフォーム機能を提供しているサービスのことを指します。
アプリケーションの開発環境を提供するだけではなく、課金代行業務も担っているなど、サービス開発者に、メリットが大きいクラウドサービスであるところが特徴です。
Software as a Service
Software as a Service(SaaS:サース)は、パッケージとして提供されていたサービスをインターネット経由で使えるようにするサービスです。具体的なものとしては、電子メールやグループウェア、財務会計、顧客管理などが挙げられます。
必要に応じてソフトウェアを利用し、使った分の利用料を支払うというオンデマンド型のサービスであることが一般的でしょう。
Infrastructure as a Service
Infrastructure as a Service(IaaS:アイアース、イアース)は、OSやサーバー・ネットワーク機器などのインフラをインターネット経由で提供しているサービスです。
ホスティングサービスよりも必要なソフトやハードを選択できる幅が広い点や、OSの変更、CPUやメモリのスペックをグレードアップできるなどの柔軟性が高い点が特徴です。
Azureの特徴とは?
Azureは開発者向けのクラウドサービスとして人気を集めていますが、他のクラウドサービスとどんな違いがあるのかわからないという人もいるのではないでしょうか。
ここからは、Azureの5つの特徴をそれぞれ解説します。
- 準拠法は日本法になっている
- 無駄なコストを削減することができる
- サービスを拡大することができる
- クラウド上で準備することができる
- 災害対策をしている
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準拠法は日本法になっている
海外が提供しているクラウドサービスの中には、準拠法や管轄裁判所が日本以外の国になっている場合があります。そのため、トラブルが起きた時に、より複雑な問題に発展してしまうことがあります。
Azureの場合は準拠法が日本法になっており、管轄裁判所は東京地方裁判所にあるため、トラブルがあった場合は日本の法律が適応されます。日本の法律で対処できるという点は、日本の企業にとって大きな魅力と言えるでしょう。
出典:オンライン サブスクリプション契約 | Microsoft Azure
参照:https://azure.microsoft.com/ja-jp/support/legal/subscription-agreement/
無駄なコストを削減することができる
Azureはサービスを使用した分だけ料金を払うという従量課金制を導入しているため、使用した分だけを支払うことができます。
また、サーバーの購入費用やデータセンターの利用費などを削減できるため、コストダウンを狙えるという点が魅力です。
サービスを拡大することができる
マイクロソフト社が有している、世界有数のバックボーンネットワークやデータセンターを一部利用することで、サービスを拡大することが可能です。
さらにサービスを拡大した分、必要に応じてリソースの拡大もできるなど、拡張性が確保されている点も特徴のひとつです。
クラウド上で準備することができる
Azureはすべてのサービスがクラウド上で展開されているため、新たに設備を準備しなくても、クラウド上で必要なものを揃えることが可能です。
一般的なクラウドサービスはクラウド上以外でも準備が必要になる場合があります。一方で、Azureはコンピューターとインターネットに接続できる環境があれば、どこでも準備ができます。
災害対策をしている
クラウドサービスに保存しているデータは、すべてインターネットを経由したデータセンターで管理されているため、トラブルが起きるとデータが消えてしまうことがあります。
このような事態に備えて、Azureはグローバルに多くのデータセンターを有しており、一部の地域で災害が起きても他のデータセンターでリカバリーが可能です。
特に日本は大地震を想定した、免震構造の建物に設備を設置しているため、安全性が高くなっています。
Azureを利用するメリットとは?
Azureには魅力的な特徴が多いですが、それと同じく利用することで得られるメリットも数多くあります。
ここからは、Azureを利用するメリットとして6つのポイントを解説していきます。
- Windows系のオンプレミスサーバーと相性がいい
- 日本円で支払いができる
- 高いセキュリティを保っている
- コンピューターは高性能である
- 世界各国のデータセンターに構築している
- 既存サービスとの連携や移行が簡単である
Windows系のオンプレミスサーバーと相性がいい
IT業界でも大手のマイクロソフト社が提供しているAzureは、Windows系のオンプレミスサーバーとの親和性が高く、相性がいいというメリットがあります。
そのため、Windows系オンプレミスサーバーとの連携や移行が簡単にしやすいほか、オンプレミスサーバー以外にもWindows系の製品とも相性がいいことから気軽に使いやすいでしょう。
日本円で支払いができる
マイクロソフト社の本社はアメリカにありますが、Azureへの支払いは日本円に対応しています。そのため、使用料を為替の影響を受けずに日本円で支払えるという点が大きなメリットです。
支払いはクレジットカード払いのみであるため、口座引落や銀行振込に対応していないという点は注意しなければいけません。
出典:マイクロソフト コーポレーション (米国本社) 会社概要|Microsoft
参照:https://news.microsoft.com/ja-jp/cp/corpdata/
高いセキュリティを保っている
マイクロソフト社のデータセンターは厳重に管理されており、サーバー自体もサイバー攻撃に対する堅牢な防御・トラフィック監視による警戒や制御が行われています。
ユーザーがセキュリティを意識しなくていい環境が整っているところもメリットでしょう。
コンピューターが高性能である
クラウドサービスを提供しているデータセンターのコンピューターは、高性能なものであることが必須です。
そのため、データセンターのコンピューターは、スパコンランキングにランクインするほど高性能なものが使用されています。
世界各国のデータセンターに構築している
前述したようにマイクロソフト社は世界各国に多くのデータセンターを設置しています。世界中にあるAzureのデータセンターによってネットワークが構築されているため、グローバルなサービス展開やVDI環境で効果を発揮できます。
既存サービスとの連携や移行が簡単である
AzureはWindows系だけではなく、マイクロソフト社の製品やサービスとも親和性が高いです。
他のマイクロソフト社のサービスとの連携や運用がしやすいのはもちろん、既存サービスの多くはAzureとの連携や移行が簡単になっています。
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Azureを使ってできること
ここまでAzureの特徴や利用するメリットについて解説しました。では、実際にAzureを使ってできることは何なのか、と疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。
Azureを使ってできることは多岐に渡り、PaaSを中心に内容に応じて多種多様なサービスが提供されているところが魅力です。ここからは、Azureを使ってできることをいくつか解説します。
システムの開発から運用
クラウドサービスの中にはシステム開発から運用まで対応しているものは多く、Azureでも同じように対応しています。
クラウド上で開発から運用まで行えるため、チームで効率よく作業が進めやすいところが魅力です。
ID管理とセキュリティの保護
クラウド上でサービスを利用するうえで気をつけたいのが、ID管理やセキュリティに関する部分です。どちらもしっかり管理や保護を行っておかなければ、不正アクセスなどの危険性があります。
ID管理とセキュリティの保護によって、不正アクセスを防げるのはもちろん、社内での人事異動があった場合にもスムーズに対応しやすくなるのです。
Webアプリケーションの作成
Azureでは作成したWebアプリケーションをそのままクラウド上で運用できるため、スムーズにサービス開始ができます。
サービスを運営してからのサポートも受けられるなど、Webアプリケーションの作成だけではないところも高く評価されています。
出典:Web Apps | Microsoft Azure
参照:https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/app-service/web
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ストレージの確保
Azureのサービスの中には、サービスに必要となるストレージの確保ができるものがあります。このストレージは耐久性、可用性、拡張性、信頼性に優れたものであり、仮想マシンに必要なストレージをクラウド上に提供しているのです。
これによって様々なサービスを運用できるため、Azureを使ってできることの中でも重要なサービスのひとつとして挙げられています。
データの不正な改変防止や喪失保護の実現
インターネット上では、何らかの不正によってデータが改変されてしまったり喪失してしまったりすることがあります。それはインターネット経由で提供されているクラウドサービスも同じであり、きちんと対策をしなければいけません。
Azureではデータの不正な改変防止や、保護のための技術を使ったサービスが提供されています。
AIの利用
Azureでは人工知能であるAIを利用した画像解析や音声認識、未来予測などをさせることが可能です。具体的にはAI機能をアプリケーションに組み込み、より的確にユーザーを把握・分析したサービスの提供に役立てられます。
プログラミングでのAI機能の利用が基本ではありますが、プログラミングに詳しくなくても利用できるところがメリットです。
クラウド環境に移行
一般的にアプリケーションをクラウド環境に移行する場合、プログラムのコード変更が必要なので、手間がかかりがちです。Azureではその手間をかけずに、既存のアプリケーションをスムーズにクラウド環境に移行できる点がメリットとなっています。
リモートワークの実現
Azureではネットワーク関連のサービスも充実しており、増加傾向にあるリモートワークやテレワークに対応して複数人でリソースを共有することが可能です。
リソースを共有することでコスト削減の効果も期待できるなど、リモートワークの実現以外にも様々なメリットがあります。
BCPの対策
BCP(Business continuity plan)は事業継続計画のことで、非常事態に強い企業の経営手法とされています。地震や台風などの災害をはじめとした非常事態が起きたとしても、重要な事業を安定して提供できる手法ということです。
Azureでは、このBCPの対策もしっかり行われており、データのバックアップを行い、システムが停止しても予備の仮想マシンに切り替えるなどの対応策があります。
データの一元管理
部門やサービスが複数存在するような規模の大きい企業の場合、それぞれが異なるシステムでデータ管理をしていることがあります。しかし異なるシステムで管理していると、データの型がバラバラになる・分散してしまうなどの手間や問題が生じやすいです。
Azureでは企業データをクラウド環境にすべて移行することで、クラウド上で統合することができます。こうすることでデータを一元管理しやすく、スムーズに活用することが可能になります。
利用するうえで欠かせないAzureのサービス16選
Azureを使ってできることは、そのままAzureが提供しているサービスに直結しています。つまり、Azureを使ってできることは、実際に関連したサービスを利用することで実現できるでしょう。
サービスを利用すればAzureの機能を十分活用できるため、自分が使いたい機能や状況に応じてうまくサービスを組み合わせていく必要があります。
ここからは、Azureのサービスを16個解説します。
Azure DevOps
「システムの開発から運用」ができるサービスとして提供されているのは、「Azure DevOps」です。DevOpsは開発(Development)と運用(Operations)を組み合わせた言葉で、システムやプロジェクトの開発から運用まで支援してくれる管理ツール群となっています。
開発したプログラムを自動的にテストの支援をする継続的インテグレーション、新しいバージョンのプログラムを自動的に配信する継続的デリバリーなどの様々な機能が利用可能です。これにより、効率的にシステムの開発から運用までの作業を行えます。
Azure Active Directory
「ID管理とセキュリティの保護」ができるサービスが、「Azure Active Directory」です。このサービスはアクセス管理サービスで、認証やアクセス許可・デバイスなどのIDの管理を一括で行えます。
IDを統合的に管理することで、入退社や部署の異動などの人事異動による権限の変更に対応しやすくなるほか、従来のシステムで使っていたオンプレミスサーバーでのID管理も可能です。
Webサービス
「Webアプリケーションの作成」におすすめなのが、「Webサービス(Azure Appsなど)」です。このサービスでは、様々な言語やフレームワークを利用したWebアプリケーションが作成できるほか、クラウド上でサービスを運用できるようになります。
他にも自動スケール機能も利用できるようになっており、クラウド上で運用しているアプリケーションやサービスのシステムに負荷がかかり過ぎた際、自動的にリソースを増強することが可能です。
Azure Storage
耐久性、可用性、拡張性、信頼性に優れたストレージを確保したいと考えている人には、「Azure Storage」によるサービスが欠かせません。
Azure Storageはクラウドストレージサービスで、保存するデータの種類や目的に応じたストレージを提供してくれます。仮想マシンに必要なストレージの確保以外にも、データ移行やバックアップを取る際にも活用できる便利なサービスです。
Azure Blockchain Service
「データの不正な改変防止や喪失保護の実現」に関するサービスとして提供されているのが、「Azure Blockchain Service」です。
Azure Blockchain Serviceでできることは、サービス名にもあるようにブロックチェーンと呼ばれる電子署名を利用した技術を活用したデータの不正な改変防止や喪失保護です。
主に仮想通貨の取引台帳を記載する際などに使われているため、台帳関連のサービスに使いやすいでしょう。
Azure AI
アプリケーションやシステム、サービスの開発をする際に「AIの利用」を検討している場合は、「Azure AI」というサービスの利用がおすすめです。
このサービスは名前の通り、人工知能であるAIを利用できるサービスとなっています。マイクロソフト社がリリースしているAIを使って、機械学習モデルの構築やデプロイなどが可能です。
専門知識を持っている場合はもちろん、知識があまりない場合でも使いやすくなっているため、誰でも気軽にAIを使った業務の効率化・自動化を図れます。
コンピューティングサービス
現在利用しているアプリケーションやシステムを「クラウド環境に移行」したい場合におすすめなのが、「コンピューティングサービス」です。
コンピューティングサービスは現在利用しているアプリケーションをクラウド環境に移行するサービスで、仮想マシンのプロビジョニング・アプリのコンテナ化を行うためのサービスとして提供されています。
クラウド環境に移行する方法は複数用意されているため、自分たちに合った方法での移行が可能です。
Azure Virtual Desktop
「リモートワークの実現」に関するAzureのサービスには、「Azure Virtual Desktop」があります。
Azure Virtual Desktop(AVD)はマイクロソフト社が提供するVDI(仮想デスクトップ)サービスで、VDIの管理コンポーネントのほとんどが管理された状態で提供されています。
このサービスのみに搭載されているマルチセッション機能を利用すれば、複数でリソースを共有できるなど、管理するうえでの負荷やコストの削減ができる点が魅力です。
Azure Site Recovery
「BCPの対策」には、「Azure Site Recovery」というサービスがおすすめです。具体的には、DR (ディザスタ・リカバリ)対策のサービスとして提供されています。
このサービスは予備のAzureシステムを用いており、大きな災害などで物理サーバーや仮想マシンのシステムが停止した場合に、データ同期とともに予備の方に自動的に切り替えが行われるのです。
予備の方で通常業務が行えるようにしてくれている間に、メインのシステムを復旧させるというサービスです。
Azure Data Factory
「データの一元管理」ができるサービスとして利用できるのが、「Azure Data Factory」です。データ統合だけではなく加工機能も付いているため、様々な形式のデータを収集・連携できます。
この時、データ分析に必要となる情報を抽出するための作業や処理を自動化できるため、スムーズにデータ統合をすることが可能です。
Azure File Sync
ファイル共有や既存ファイルサーバーの移行を検討しているという人におすすめなのが、「Azure File Sync」です。
後述する「Azure Files」とセットで利用することが前提になっていますが、1つ以上のオンプレミスサーバー上のフォルダや共有フォルダを「Azure Files」ファイルと同期し、どこからでも同じファイルを扱えるようになります。
Azure Files
「Azure Files」もファイル共有サービスで、OSに縛られることなくインターネット経由でどこからでも1つのファイルに同時アクセスができます。ハードウェアやOSのメンテナンスがいらず、「Azure Backup」と併用することでバックアップも簡単です。
ファイル共有でよく利用されているSMB(Server Message Block)プロトコルが使用されており、オンプレミスサーバーからの移行時にアプリケーションの互換性を気にする必要がありません。
Azure ExpressRoute
オンプレミスサーバーとクラウドを安全に接続したいと考えている場合は「Azure ExpressRoute」の利用がおすすめです。
Azure ExpressRouteは、プロバイダが提供しているインターネット回線をAzureへ直接接続するという、帯域保証型のネットワークサービスです。インターネットを直接接続するのではなく回線を専用回線で接続するため、安全かつ品質の高い接続が期待できます。
Azure VPN Gateway
「Azure ExpressRoute」と同じく、オンプレミスサーバーとクラウドを安全に接続してくれるサービスとして、「Azure VPN Gateway」もあります。
こちらの場合は、オンプレミスネットワークなどの自社内のネットワークとAzure上の仮想ネットワークをVPN(Virtual Private Network)接続するサービスです。VPNで接続することで、より安全に接続できるようになる点がメリットです。
このサービスは、Azure ExpressRouteと併用されているわけではなく、Azure ExpressRouteを使わない場合に使用されています。
Azure AD Connect
Microsoft365と他のアプリケーションを同じIDで利用したい場合には、「Azure AD Connect」の利用がおすすめです。
このサービスはAzure ADを利用していることが前提となっており、オンプレミスのAD(Active Directory)やアプリケーションとAzure ADを同期させるものです。同期させることで、同じIDで利用できるようになります。
Azure ADはクラウドベースのID管理・アクセス管理サービスで、Azure AD Connectと同じようなサービスを受けることが可能です。
Azure AD Multi-Factor Authentication
「Azure AD Multi-Factor Authentication」は、Azure ADに多要素認証(MFA:Multi Factor Authentication)を加えたサービスです。
ユーザーがサインインする時に通常利用しているパスワード以外に、携帯電話へのSMSの送信やスマホアプリを利用した認証など、不正アクセスを予防できるようにするための機能となっています。
なお、多要素認証で利用する認証方法は管理者側で選択できるほか、この機能を使うためにアプリやサービスを変更する必要はありません。
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Azureに移行する手順
Azureを利用するためには、現在使用しているオンプレミス環境の業務システムからAzureへと移行する必要があります。移行する手順は適当にすればいいというわけではなく、きちんと順番を守って行うことが大切です。
ここからは、既存のシステムからAzureに移行する手順を解説します。
移行する範囲を決める
まずは既存のシステムの中から、どの程度Azureに移行するのか範囲を決める必要があります。システムすべてをAzureに移行するとは限らないため、現状での業務内容や移行する予定のシステムに関する部分を整理していくことが重要です。
他にも運用ポリシーや運用体制なども分析して、結果的にどの程度Azureを活用すればよいのか範囲とともに利用するサービスも決めましょう。
導入範囲を検討する
移行範囲を決定したら、今度はシステム単位・機能単位で導入する範囲を検討します。この時注意しておきたいのが、Azureを利用することで起きる制限事項です。
場合によっては、制限事項などが原因でサービスがうまく活用できない場合があるため、必要に応じて運用体制を変える・情報セキュリティーポリシーなどの見直しを行うことも検討しなければいけません。
サービスが実現できるか確認する
移行範囲・導入範囲の検討が終わった後は、実際にAzureを導入してサービスが実現できるのかという確認作業を行います。
サービスが実現できるか確認するだけではなく、検証したことで発覚した問題点を洗い出し、解決するための具体的な改善案も検討することが必要です。
移行設計をする
事前検証(PoC)で提起された問題点を改善する案を検討できた段階で、Azureを導入する範囲のシステム・機能ごとの移行設計を行います。
これはAzureに適した形で運行するための設計で、ファイルサーバーやシステムのバックアップ設計のほか、アプリケーション関連をこれまで使用してきた同じIDで利用するための設計です。
移行後にリモートワーク実現のための仮想デスクトップを利用したい場合は、その設計も同時に行います。
監視や運用設計をする
移行後もシステムが正常に動くかどうかを監視するための設計や、システムを安定して運用するための運用設計も行います。
その際、オンプレミスと併用する環境など運用が煩雑になりやすい場合もあるので、既存のアプリケーションを活用しながら、適切なユーザー設計とアクセス制御ができるように意識しておきましょう。
セキュリティアセスメントを受ける
実際にAzureに移行した後は、定期的にセキュリティアセスメントを受けましょう。
セキュリティアセスメントでは、セキュリティ対策が担保できているかどうかを確認でき、必要に応じて適切なアドバイスや対処を受けることもできます。
これによって、日々変化していくシステム構成やサイバー攻撃にも対応しやすくなり、安定して運用していくことが可能です。
\\Azureの案件を確認しておきましょう//
Azureを利用する時に気をつけること
Azureは導入することでメリット面が大きいことから、導入を検討している企業は増えてきています。ただここで意識しなければいけないのが、Azureの利用にはメリットなどの良いところばかりではなく、注意しなければいけない点もあるというところです。
注意と言ってもデメリットや問題点ではなく、設定など利用するうえで意識しておいた方がいい部分です。ここからは、Azureを利用する時に気をつけることを3つ解説します。
いくつかの制限がある
Azureを利用する際に、まず注意しておかなければいけないのが、いくつかの制限(クォータ制限)があるという点です。
基本的に、Azureはサブスクリプション契約をすることでサービスを利用します。使った分だけ支払えばいいのですが、リソースや仮想マシンに割り当てるコアの数は制限されているのです。
制限を外すこともできますが、コスト管理を検討している場合は、そのまま制限をかけておくことも大切です。
アクセス管理をする
Azureは高いセキュリティを保っているところはメリットですが、中には初期設定で運用する側がしっかり管理していかなければいけないものもあります。
代表的なものがアクセス制限設定機能である、IAM(Identity and Access Management)です。これを利用することで、クラウドを運営する人やユーザーに対してのアクセス制限がかけられるため、うまく活用してセキュリティを維持する必要があります。
アカウントのセキュリティを高めておく
クラウドサービスを使ううえで気をつけなければいけないこととして、システムへの不正アクセスがあります。
AzureにはWAF設定が用意されているほか、スマートフォンを使った生体認証や電話番号を用いた2段階認証を要求する設定など、セキュリティ面を強化しておきましょう。
\\Azureで不安や悩みがある方はこちら//
Azureを使ってできることを知っておこう
マイクロソフト社が提供しているクラウドサービスであるAzureは、高性能かつ高い安全性や信頼性のあるサービスを短期間・低コストで提供してくれるものとなっています。
できることが多いのはもちろん、既存のサービスやアプリケーションとの連携もしやすく、日本でも使いやすいサービスとして人気です。
Azureを利用する際は、マイクロソフトのアカウントを作成すれば簡単にできるほか、一定期間であれば無料で試すこともできます。
Azureに興味がある・始めて見たいと感じた人は、ぜひこの記事を参考にしてAzureを使ってできることを体験してみてはいかがでしょうか。
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