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システムエンジニアの不足はなぜ起こる?企業や政府による解消方法を紹介

システムエンジニアの不足はなぜ起こる?企業や政府による解消方法を紹介のイメージ

現在、IT職種の人材は22万人ほど不足していると言われています。ITニーズの高まりによってIT市場は拡大していることに加え、IT業界が急激に成長していることから、2030年には約59万人のIT人材不足が予測されており、システムエンジニア不足が深刻化する見込みです。

本記事では、システムエンジニアが不足している現状や理由、需要が高まることが予想されるIT分野について解説しています。システムエンジニアに興味がある人はぜひ参考にしてみてください。

システムエンジニアが不足している現状

現在、IT業界ではシステムエンジニアが不足しています。また、このままの状態では、将来的にもシステムエンジニア不足は深刻化していくことが予想されています。

ここではシステムエンジニアが不足している現状について解説していきます。

IT業界全体の要員事情

全ての職種に対するIT職種への新卒就職割合は、2008年頃をピークに減少しています。2012年以降は少しずつ増えていますが、IT職種への新卒就職割合は現在も7%程度にとどまっています。

特にAIやIoTなどの先端領域のITに携わる先端IT人材が不足しており、従来型のIT人材と併せて22万人ほど供給不足の状態にあると言われています。現在、あらゆる業界でシステムエンジニアが不足している状態にあると言えるでしょう。

出典|参照:IT 人材需給に関する調査|みずほ情報総研株式会社

2030年までの予測

IT人材の不足状況や今後の見通しなどについてアンケート調査を行った結果、2030年には約59万人のIT人材不足に陥るという予測になっています。

調査によると、2015年の時点で約17万人のIT人材不足の状態となっていました。しかしIT人材の供給は2019年をピークに減少しています。

また、ITニーズの高まりによってIT市場はさらに拡大していくため、2030年時点で約79万人のIT人材不足になると推計されています。

出典|参照:IT 人材需給に関する調査|みずほ情報総研株式会社

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システムエンジニアに将来性はある?市場やSEの需要変化を考察

システムエンジニアが不足している理由

システムエンジニアが不足していることについて紹介しましたが、なぜこのようにシステムエンジニア不足が深刻化しているのでしょうか。

システムエンジニアを含めたエンジニアが不足している理由としては、IT業界の急激な成長やエンジニアの高齢化などによる人材不足が大きな理由だと言えるでしょう。ここではシステムエンジニアが不足している理由について解説するため、参考にしてみて下さい。

IT業界・市場の急成長・急拡大

現在、IT業界は年々成長を続けており、IT市場も急激に拡大してきています。2020年には新型コロナウィルス感染症の影響によって一時的に縮小しましたが、リモートワークやテレワークの需要も高まったため、なおも急成長を続けていると言えるでしょう。

また、近年ではIT業界に限らず、あらゆる業界がITを利活用しています。自社サイトの運営や業務システムの活用などを進めている企業の数は多く、ITを使わない企業の方が少ないでしょう。

このようなIT業界や市場の拡大により、需要に対してIT人材の供給が追いついていない状態であると言えるでしょう。

エンジニアの高齢化・少子高齢化による人材不足

現在、日本は深刻な少子高齢化社会となっています。少子化によって新卒からシステムエンジニアになる人材が減少しており、逆に高齢化によって定年を迎え、退職するシステムエンジニアが多い状態です。

このような状態は今後も続き、2030年頃までIT人材全体でのシニア層の割合は増え続けていくと言われています。また、30代や40代のミドル層は減少し、29歳以下の若手層は上昇するものの、IT人材全体の半分以上が若手とシニア層によって占められると言われています。

IT技術の急速な変化・進化

現在、IT業界は急激な成長を続けています。近年ではAIやIoT、ビッグデータといった先端分野での発展が目覚ましく、システムエンジニアに求められるスキルも変化しています。

たとえば、現在ではシステム開発やサービスの利用にクラウドサービスを利用するのが主流です。そのため、現在ではどのようなエンジニア職でもある程度のクラウドに関する知識やスキルが求められるようになってきています。

このように、エンジニア人材は時代に合わせて技術を常に学び続ける必要があるため、自主的に積極的な学習を続けられる人材が少ないということも、システムエンジニアが不足している理由だと言えるでしょう。

システムエンジニアに対するネガティブなイメージ

IT業界は多重下請け構造になっており、下請けになるほど労働環境は過酷になっていきます。自社で企画から開発、運用や販売まで一貫して行うような企業でなければ、元請けとなる大手SIerへ案件を発注し、元請けからさらに下請けへと外注されていくのが一般的だと言えます。

このようなIT業界の構造もあり、昔からIT業界に対して「きつい」「帰れない」などの良くないイメージを持っている人は多いです。

そのため、システムエンジニアという仕事に対してネガティブなイメージがついているということも、システムエンジニアが不足している理由だと言えるでしょう。

業務量に対する単価の低さ

前述のとおり、IT業界ではシステム開発の案件が元請けから下請け企業へと外注されることが一般的です。

また、下請けに外注されることでどんどん中間マージンが抜かれていくため、下請けになるほどスケジュールが厳しい上にエンジニアが受け取れる報酬も少ないという状況になっていきます。

そのため、所属している企業によっては、「業務量に対して単価が非常に低い」という状況になるでしょう。もちろん全ての企業がそうというわけではありませんが、待遇の悪さもシステムエンジニア不足の理由の一つだと言えます。

システムエンジニア不足を解消する方法(企業)

ここまで紹介したように、2030年の時点で約79万人のエンジニアが不足すると言われています。今後もシステムエンジニア不足は深刻化していくでしょう。

それでは、システムエンジニア不足を解消するためにはどのような方法があるのでしょうか。ここではシステムエンジニア不足を解消する方法を紹介するため、参考にしてみて下さい。

フリーランスの採用を検討する

システムエンジニアの採用が難しくシステムエンジニア不足の状態になっている場合は、フリーランスの採用も視野に入れると良いでしょう。

フリーランスであれば実践的なスキルや実績を持った人材に仕事を任せることができるため、未経験の人材を採用するよりも即戦力になってくれることが期待できます。また、エージェントを利用すれば、自社で採用するよりも効率的にフリーランスのエンジニアを採用できるでしょう。

雇用形態を見直し採用する人材の幅を広げる

今後、ITエンジニア全体での割合は、過半数が若手層とシニア層になると言われています。このように若手層とシニア層が増え、ミドル層が減ることにより、ITに関する知識や技術への乖離も大きくなっていくことが予想されます。

さらに、若手層とシニア層の二分化が激しくなることで、年功序列にシフトしていく企業が増えることも考えられるでしょう。このような事態を防ぐためには、雇用形態の見直しを行い、さまざまな人材が活躍できるように採用する人材の幅を広げることが重要です。

エンジニアの処遇改善を検討する

前述のとおり、システムエンジニアになる人材が少ない理由の一つに、IT業界に対してネガティブなイメージがあることが挙げられます。

実際に、下請け企業に勤めているエンジニアや未経験からエンジニアに転職した低スキル層のエンジニアの給与は、業務内容に対して低い水準にあります。

そのため、エンジニアの労働条件を改善することにより、システムエンジニア不足を解消できる可能性があるでしょう。

エンジニアに対するネガティブなイメージを払しょくすることができれば、システムエンジニアをはじめとしたエンジニア職を目指す人材も増えていくでしょう。

システムエンジニア不足を解消する方法(政府)

教育機会を充実させる

現在では、小学校からプログラミング教育が必修化しています。

小学校や中学校で義務教育としてプログラミングに触れた子どもたちが成長すれば、就職活動を行う際にシステムエンジニアなどのエンジニアも就職先の選択肢として考えやすくなるでしょう。

プログラミングを始め、そうしたIT業界の知識についての教育機会を増やすことが、将来のシステムエンジニア不足に対する解消法となります。

現在エンジニア不足が懸念されている2030年は、このようなプログラミング教育に触れた人材がエンジニアとして社会に出る時期です。そのため、スムーズに仕事に入れるシステムエンジニアが増えるという効果も期待できるでしょう。

人材の流動性を上げる

システムエンジニア不足を解消するためには、人材の流動性を上げ、他業種からシステムエンジニアへの転職する人材を増加させることも重要です。

そのために、個人が一つの企業にとどまらずに転職しやすい環境を整備する必要があります。

異業種への転職支援プログラムの充実や、キャリアチェンジに伴う教育や研修の費用補助、また異業種間のマッチングを促進するためのプラットフォームを提供するなど、人材の流動性を向上させるための政府の取り組みが求められます。

リスキリングの環境を整備する

雇用の流動性を上げる手段として、既存の労働者に対して新たなスキルや知識を習得させる「リスキリング」の環境を整備すること注目されています。

政府も2022年の所信表明演説で構造的賃上げのために、「成長分野に移動するための学び直しへの支援策の整備」を掲げていますが、こうした、現在他分野で働く人の学び直しを支援し、IT業界への人材移動を円滑化する動きが高まることで、システムエンジニア不足を解消する一助になると思われます。

出典|参照:令和4年10月3日 第二百十回国会における岸田内閣総理大臣所信表明演説 | 首相官邸ホームページ

需要が高まることが予想されるIT分野

IT業界全体としてIT人材は不足している状態ですが、特に需要が高い分野が存在しています。また、今後需要が高まる分野では競合他社とエンジニアの取り合いが激しくなることが予想できるため、企業としても把握しておく必要があるでしょう。

ここでは、需要が高まることが予想されるIT分野を紹介していきます。

最先端のIT技術を扱う分野

AIやIoT、ビッグデータなどの最先端のIT技術を扱う分野は、今後も需要が高まっていくことが予想されています。

現在はこのような先端領域の発展が目覚ましく、専門性の高いスキルを求められる領域ということもあり、今後も需要の高まりに対して供給が追いつかない状態が予想されています。

情報セキュリティを担う分野

近年では情報セキュリティに対する意識が高まってきています。IoTなどあらゆるものがネットワークに繋がるようになってきたこともあり、万全のセキュリティ対策が求められるようになってきています。

特に企業にとってセキュリティ対策は必須となっているため、情報セキュリティを担う分野の需要は今後も高まっていくでしょう。

クラウドソリューションを扱う分野

DX推進などを目的として、システム導入が色々な企業で進んでいますが、中でもクラウドサービスが広く普及しています。
国内クラウドサービスの市場規模は2021年度には3.5兆円を超え、2026年には7.4兆円と、5年で市場が倍増する予測となっています。それに合わせて、クラウドソリューションを扱う分野のSE需要は今後も高まっていくと言えそうです。

出典|参照:国内クラウドサービスの市場規模は3.5兆円に拡大|株式会社MM総研

システムエンジニア不足の現状と解消法を知ろう

システムエンジニア不足を解消するには、エンジニアの待遇改善などを含めさまざまな対策を検討する必要があります。

この記事で紹介したシステムエンジニア不足を解消する方法などを参考に、エンジニア不足に悩んでいる場合はフリーランスの採用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

Branding Engineer編集部のイメージ

Branding Engineer編集部

株式会社Branding Engineerはエンジニアプラットフォームサービスである「Midworks」を運営。株式会社Branding Engineerが属するTWOSTONE&Sonsグループでは、エンジニアプラットフォームサービスにおけるエンジニアの連結登録数は50,000名を越え、連結稼働数も4,500名を、案件数も10,000件を超える。 ※登録数、稼働数、案件数は2024年10月発表時点の実績数値

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記載されている内容は2024年09月30日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日
2022.07.13
更新日
2024.09.30

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