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SE業界はブラックって本当?ブラック企業の見分け方・特徴・対策方法

SE業界はブラックって本当?ブラック企業の見分け方・特徴・対策方法のイメージ

クライアントの要望を聞き、その要望に沿ったシステムを設計・開発するシステムエンジニア(SE)。残業時間が多いなどの理由から、仕事や企業が「ブラック」であると言われてしまうこともあります。

本記事では、SEの業務がブラックと言われてしまう理由や、SEが働きがちなブラック企業の特徴や避ける方法、ブラック企業に勤めてしまったときの対処法など幅広く解説しています。

SEはブラック?

一般的に、SEは「ブラック」というイメージが広まってしまっています。

2007年ごろに特定の掲示板に掲載された「ブラック会社でのSE経験」を話題にするスレッドが登場し、2009年ごろには映画化されたことが、このイメージを固定化させたかもしれません。しかし、全てのSE会社がブラック企業ではありません。

ホワイト企業も存在します。この記事では、SEがブラックとされる理由、構造的な課題、そしてブラック企業でのSEの特徴について詳しく説明します。

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SEの業務がブラックと言われる理由

SEの業務はしばしばブラックと表現されます。このようなブラックな状況は、SEの働き方、仕事の受け方などに問題があることがあります。

ここでは、SEがブラックと言われる理由について、以下の6つを挙げて解説します。

  • 人手不足である
  • 残業時間が多い
  • 休みが取りづらい
  • 計画が甘く設定されがちである
  • 仕様変更依頼がある
  • 上司に現場を理解してもらいづらい

人手不足である

現代のIT業界では、SEの需要が急増している一方で、人手不足が深刻な問題となっています。

その結果、企業は限られた人員で多くのプロジェクトを遂行しなければならず、SEには過酷な業務負担がかかることがあります。人手不足による1人当たりの業務量の増加は、SEがブラックとされる原因の一つとなっています。

残業時間が多い

プロジェクトによっては、成果が問われるためにSEに対して長時間の残業が当たり前とされることがあります。

スケジュールの遅れや要求の変更などがあってもプロジェクトの納期は守らなければならず、残業をしないと納期に間に合わないことがあるためです。

休みが取りづらい

SEの仕事はプロジェクトの進行やトラブルの対応など、タイミングによっては即応性が求められることがあります。

そのため、休みや休暇を取ることが難しい状況が生じることがあります。ブラック企業では、休みが削られたり、休暇を取ることが困難な状況が続く可能性があります。

計画が甘く設定されがちである

システム開発のプロジェクト進行は納期以外が不透明である場合も多くあります。

そのため、適切なリソースや時間の見積もりがなされず、大まかなスケジュールが設定された結果、業務量が過大になることがあります。

限られた時間で多くの仕事をこなさなければならないこともあるため、残業が増えることがあります。

仕様変更依頼がある

クライアント側は、システム開発についてよく知らない場合も多く、SEが開発を始めてからも仕様変更依頼をされることが多くあります。

その場合、SEは既存の業務に加えて、急な変更や修正作業を行わなければなりません。仕様変更の頻度や複雑さによって、業務負荷が増すことがあります。

上司に現場を理解してもらいづらい

上司が、現場の業務や状況を適切に理解していないこともあります。

これにより、業務負荷が上がったり、スケジュールの適切な調整が行われないことで、SEは過酷な状況に置かれることがあります。仕事量が単価に見合っていないと感じることもあるかもしれません。

SEが働きがちなブラック企業の特徴

SEがストレスや過労に悩まされる原因となるブラック企業には、いくつかの共通した特徴が見受けられます。

ここでは、ブラック企業の特徴を紹介します。働いている企業がブラック企業に当てはまっているか、転職しようとしている企業がブラック企業ではないか、チェックしてみてください。

下請け会社である

システム開発の受発注において、ピラミッドの下層を形成する企業ほど、SEの待遇は低い傾向があります。したがって、選ぼうとしているもしくは所属している企業が、そのピラミッド内でどの位置にあるのかを確認することは重要といえます。

企業の取引先属性によって、ある程度は位置を特定できます。

たとえば、取引先がシステムを使用する「元請け」である場合、クライアントから直接プロジェクトを請け負う可能性が高いです。逆に、取引先がシステムを開発する企業である場合、それは「下請け」である可能性が高いと判断できます。

休みが取れない

SEは通常、単一の案件を担当することが一般的であり、他の誰かの代わりが効きません。そのため、休むことが難しい状況に陥り、プロジェクトが進行している間はなかなか休む余裕がなくなってしまう事態に陥ってしまうこともあるでしょう。

みなし残業制・年俸制

みなし残業制度と年俸制度を本来の使い方で運用していない可能性がありますため、労働契約書を締結する前に確認をしましょう。

みなし残業制度では、実際に働いた時間に関係なく一律の残業時間が設定されており、設定された残業時間を想定した業務を与えられる可能性があります。

一方、年俸制度は、労働時間に関係なく、労働者の成果・業績に応じて賃金額を決定しようとする賃金制度で管理監督者、機密事務取扱者向けの賃金制度と言えるでしょう。

双方の賃金制度では、残業による法定労働時間を超えた場合は残業代を支払わなければならないと東京労働局で定められておりますため、労働契約書を締結する際に賃金の支払いについては確認をしましょう。

出典|参照:1.年俸制の適用労働者の範囲は | 東京労働局

出典|参照:みなし労働時間制|東京労働局

中堅層の社員が少ない

中堅層は経験やスキルを持ち、組織の安定的な運営に貢献する存在ですが、そうした中堅層の社員が少なく、若手が不自然に多い企業には注意が必要です。

入社したものの、待遇や仕事内容に不満があり離職する人が多いために経験の豊富な中堅社員が減る傾向があるからです。このような企業では、若手や新入社員に対して過度な負荷や責任がかかってしまうことがあるでしょう。

離職率が高い

ブラック企業では、社員の離職率が高い傾向が見られます。

多数の求人を出している企業や、求人条件が寛大な企業には注意が必要です。こうした場合、大量の採用を行い、その後多くの従業員が早期に離職するケースや、過酷な労働環境で自発的に退職するケースが多く見受けられる傾向があるためです。

常に求人広告を掲載している

当然ですが、働く環境が悪い場合は退職する社員の数が多くなります。離職率が高いような企業は社員が次から次へと辞めていくので人手が足りなくなり、企業としては常に採用のための募集をかけなければいけない状況となるのです。

求人募集サイトなどを一定期間チェックしてみないと分かりませんが、求人サイトにいつも掲載されているような企業はブラックの可能性も高いです。

求人広告の内容が誇大する傾向にある

求人広告の募集要項にもブラック企業の特徴はあらわれます。人手不足で人を集めたい企業ほど求人広告で耳あたりの良い、甘い言葉を羅列する傾向にあります。

求職者を魅了し、入社させることを目的としていますが、入社後に実態とのギャップに苦しむことになる可能性があります。

もちろん良いことを書いている企業のすべてがブラックというわけではありませんが、以下のようなコピーが掲載されている場合は、その企業について良く調べる必要がある可能性があります。

  • 未経験大歓迎:納期がきつく、ひたすら数をこなさなければならない仕事の可能性があります。
  • 若さを武器に頑張ろう:離職率が高く、若者が定着しない職場の可能性があります。
  • 事業拡大につき大量募集中:ただ、年中人手不足状態の可能性があります。
  • 頑張れば頑張っただけ評価される仕事です:残業やノルマをこなさなければ稼げない可能性があります。
  • 家庭的でアットホームな会社です:組織として未熟だったり、経営者が公私混同して従業員を働かせる企業である場合が多いでしょう。
  • 年収300万~800万円:ほとんどの場合で300万円に設定される可能性があります。(場合によっては300万円以下なんてことも)

SEがブラックとなりやすい構造的問題

数ある職種がある中で、なぜSEのいる業界はブラックだと言われてしまうのでしょうか。ここでは、企業同士の構造や、労働者と雇用企業の構造から、業界がブラックになりやすい原因を解説します。

システム開発企業の多重下請け構造

プロジェクトが1次受けから2次受け、そして3次受けというように下請けの連鎖構造を持つことがあります。この仕組みにおいて、上位の受託企業は中間マージンを確保し、実際の開発作業は下請けに委託されます。

この連鎖の中で、下請けの会社は低い報酬でプロジェクトに従事することが少なくありません。

さらに、客先常駐の場合、常駐先企業が下流工程のみを割り当てることもあります。その結果、単純な作業に従事し、待遇が不十分で将来性の乏しい状況に苦しむことがあるのです。

これに対して、一部の企業は適切な条件で常駐開発を提供しており、ホワイトな環境を提供しています。したがって、常駐プロジェクトを受ける際には、下請けの連鎖がどのように構成されているかを検討し、自身に合った案件を選ぶことが重要です。

多重下請け構造が利益率を下げる

こうした構造で問題となるのが、間に入る企業が増えると、利益率が下がっていくために、下請け企業が低報酬で働かざるを得ない状態になってくることです。

1次請け、2次請け企業の平均給与が比較的高いのに対し、そこから3次請け、4次請けと下がるごとに報酬が減っていきます。

加えて、クライアントからの変更があった場合などは、下請け企業は残業や休日出勤で対応せざるを得ないため、ブラック化しやすくなります。

開発プロセスが異なりズレが発生しやすい

一般的な開発プロセスは「要件定義→基本設計→詳細設計→開発実装」となりますが、この開発ステップに多重下請け構造が対応します。

顧客企業(要件定義)→1次請け(基本設計)→2次請け(詳細設計)→3次請け(開発実装)といった形です。

このように開発ステップで対応する企業が分かれている場合、認識のずれが発生して作業が増えることもあります。
突発的なトラブルの対応にも複数の段階を経ることで時間がかかることもあります。

SEがブラック企業を避ける方法

会社のWEBページをチェックする

会社のWebサイトを見ましょう。Webサイトに求人情報があれば募集要項などをしっかりとチェックします。モチベーションを煽るような表現があったり、精神論を語っているような文言がある場合は要注意と言えます。

特に社長のワンマン経営である場合、ブラック化する確率が上がりますので、社長についても可能な限り調べてみるというのも一つの方法です。

口コミサイトをチェックする

従業員の口コミ情報があるサイトを探して、目を通すのもブラック企業を避けるのに役立ちます。

他の社員や元社員が投稿した口コミやレビューを参考にすることで、実際の働き方や労働環境についての情報を得ることができます。残業時間や休みの取得状況、上司や組織の対応などに注目すると良いでしょう。

ただし、口コミ情報は個人の主観に基づいている場合があるため、複数の口コミを参考にすることが重要です。

対象企業に関係のある人から話を聞く

対象企業に関係のある人からの情報は、貴重な情報源となります。もし、自身が知り合いや縁故関係のある人が対象企業で働いている場合、その人に直接話を聞いてみることをおすすめします。

知人からのリアルな話は、企業のウェブページや口コミサイトでは得られない貴重な情報となるでしょう。

SEがブラック企業に勤めてしまったときの対処法

もしブラック企業に勤めてしまった場合、どういった対処方法を取ったらよいでしょうか。対処方法としては、弁護士や労働基準監督署に相談へ行くことなどが挙げられます。

こちらでは、SEがブラック企業に勤めてしまった際の対処法について詳しく紹介していきます。万が一ブラック企業に勤めてしまった際、慌てなくて済むようにどういった対処法があるのか把握しておきましょう。

弁護士に相談する

ブラック企業での労働問題が複雑である場合や法的なアドバイスが必要な場合は、弁護士に相談することを検討しましょう。弁護士は労働法や労働問題に精通しており、自身の権利を守るためのアドバイスや法的な支援をしてくれます。

弁護士との相談により、適切な対処方法や解決策を見つけることができるでしょう。

完全成功報酬型で費用を後払いすることができることもありますので、費用が不安な方はそうした手段を検討しましょう。

労働基準監督署に相談する

労働基準監督署は、労働者の権益を守るための公的機関です。ブラック企業での労働問題に直面した場合、労働基準監督署に相談や申し立てを行うことができます。

労働時間の違法な延長や賃金の不払い、違法な解雇などの問題について、労働基準監督署は適切な対応を行ってくれます。相談する際には、具体的な証拠や記録を準備し、事実を明確に伝えることが重要です。

出典|参照:ご相談の内容から窓口をさがす | 東京労働局

法律上では会社の合意なくとも退職が可能

退職する場合にはその旨会社に伝える必要がありますが、その場合は民法627条を念頭に置いて行動するようにしてください。

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
2 期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
3 六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。

出典: https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

以上の理由により、会社から月給という形で給与を得ているのであれば、二週間前に退職の旨を伝えれば問題ありません。会社から何を言われても強制的に退社し、その分の給料を受け取ることができます。

出典|参照:民法 六百二十七条 | e-Gov法令検索

早めに見切りをつけて転職活動をする

ブラック企業に勤めてしまったと気づいたら、よりよい未来を考えて、その瞬間から早めに転職活動などの行動を起こすことが大切です。

ブラック企業に勤務するが故に、転職活動の時間が取れないという事態に陥るかもしれませんが、ネット上の転職サイトで転職活動をすることもできますので、上手く活用し活動を進めましょう。

また、転職エージェントを利用することもおすすめです。応募者1人1人に担当者がついて、転職先から円満退職の方法までアドバイスしてくれるので、最低限の職歴があるのなら転職エージェントを利用するようにしましょう。

フリーランスに転向する

ブラック企業のストレスや過酷な労働環境から抜け出す方法の一つとして、フリーランスへの転向を検討することも手です。

フリーランスとして自身のスキルや専門知識を生かし、独立して働くことで、労働時間や働き方の自由度が高まります。自身のスケジュールや案件の選択権を持つことで、ブラック企業のような過酷な状況から解放されることができます。

ただし、フリーランスに転向する際には、収入の不安定性やクライアント獲得の難しさにも注意が必要です。

Midworksでは、システムエンジニア(SE)やその他エンジニアのためのフリーランス案件紹介に加えて、キャリア相談も受け付けています。
転職しフリーランスになることを考えている場合は、Midworksで気軽に相談してみることもおすすめです。

\\エンジニアキャリアのプロに相談//

SEがブラックと言われる理由を知って適切に対処しよう

ブラックと噂されるシステムエンジニア(SE)ですが、それには確かな理由があります。
構造的な理由や背景をきちんと理解することで、噂や憶測で判断することなく、適切な対処策を講じることができるでしょう。

ぜひこの記事で紹介した対処法などを活用しながら、より健全な労働環境を築き、自身の働き方やキャリアに対する意識を高め、より良い環境で成長できる道を模索しましょう。

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この記事の監修者

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Branding Engineer編集部

株式会社Branding Engineerはエンジニアプラットフォームサービスである「Midworks」を運営。株式会社Branding Engineerが属するTWOSTONE&Sonsグループでは、エンジニアプラットフォームサービスにおけるエンジニアの連結登録数は50,000名を越え、連結稼働数も4,500名を、案件数も10,000件を超える。 ※登録数、稼働数、案件数は2024年10月発表時点の実績数値

株式会社Branding Engineerはエンジニアプラットフォームサービスである「Midworks」を運営。株式会社Branding Engineerが属するTWOSTONE&Sonsグループでは、エンジニアプラットフォームサービスにおけるエンジニアの連結登録数は50,000名を越え、連結稼働数も4,500名を、案件数も10,000件を超える。 ※登録数、稼働数、案件数は2024年10月発表時点の実績数値

記載されている内容は2024年10月04日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

初回公開日
2019.03.13
更新日
2024.10.04

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