最終更新日時:2019年04月06日

フレックスタイム制の仕組みとメリット5つ|問題点や課題5つ

自由に出退勤できる、新しい働き方のイメージが強いフレックスタイム制ですが、近年は減少傾向にあります。この記事では、フレックスタイム制の正確な仕組み及び、そのメリットとデメリットについてご説明しています。フレックス制度に興味のある方は、ぜひご一読下さい。



フレックスタイムとは

フレックスタイム制の仕組みとメリット5つ|問題点や課題5つ
フレックススタイム制とは、従業員が日々の始業・終業時間を自身で設定して働くことができる制度です。

フレックスタイム制を導入すれば、混雑時間帯を避け、通勤のストレスを軽減できる可能性があります。また、空いた時間にスキルアップを目指したり、役所や銀行などの用事、介護や子育てに時間を充てることもできます。

一見、素晴らしい制度ですが、浸透し切らないのはなぜなのか、メリット・デメリットの両方を見てみましょう。

制度の概要

一般的に、フレックスタイムは出勤の時間は自由とされていますが、正確には「清算期間(最大1か月)の総労働時間を決めておいて、その期間内で各日の労働時間を労働者が決められる」という制度です。 

清算期間を平均しての一週間の労働時間は40時間(特例措置対象は44時間)です。

また、フレックスタイム制の会社の約6割は、必ず出勤していなければいけないコアタイムを設けており、完全に自由に出退勤できる職場は少数です。

導入された背景について

フレックスタイム制が導入された背景には、社員たちの価値観やライフスタイルが多様化し、対応できる効率的な労働環境の構築が求められるようになった事があります。

フレックスタイム制が適用されやすかった研究開発職から始まり、さらに自由な勤務時間を選択することで成果に繋がりやすい、デザイナーや設計業務などの職種への導入が進みました。

さらに2016年からは、国家公務員の一般職に対してもこの制度が導入されました。

フレックスタイム制の仕組み

フレックスタイム制の仕組みとメリット5つ|問題点や課題5つ
一般的に、フレックスタイム制は、「自由に出勤して自由に退社する制度」という認識が強いのではないでしょうか。しかし、実際のフレックスタイムは、自由度の高いフレキシブルタイムと、出勤義務のあるコアタイムという2種類に分かれています。

以下に、その2つの時間帯について簡単にご説明しましょう。

コアタイムとフレキシブルタイム

「コアタイム」は、一日の中で必ず出勤しなければならない時間帯の事を指し、「フレキシブルタイム」とは、出勤するかどうかを自由に選ぶことができる時間帯を指しています。

コアタイムが設定された理由は、好きな時間に出社・退社ができるようになった場合に、スタッフ間の連絡がつかなかったり、必要な場面で人材がいなかったりという不都合を避けるためです。

フレックスタイム制のメリット5つ

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自己管理ができる社員にとっては、フレックスタイム制のもとで働くことでモチベーションを上げたり、メリハリのある生活を送ることができたりと、作業効率の上昇が見込めます。

他にも、生活のさまざまなサイクルのバランスも取りやすく、フレックスタイムだからこその恩恵も受けることができます。

ここからは、フレックスタイム制のメリットを5つご紹介します。

メリット1:効率良くメリハリある働き方が可能

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フレックスタイムのメリットは、労働者が自分の都合で時間を融通できることです。勤務時間が自己管理できれば、コアタイムによっては通勤ラッシュを避けることができ、通院や空いている時間の銀行や役所の用事も済ませることが可能です。

子どもの送迎が可能になったり、介護に追われて退社せざる得ない社員を救済することもできます。休息やリラックスに充てることもでき、効率的でメリハリのある働き方がしやすいと言えます。

メリット2:残業時間の削減に繋がる

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フレックスタイム制では、各社員が仕事の開始時間と終了時間を把握し、それを一か月にまとめ、残業の有無を判定し、給与に反映するので基本的な給与計算は同じです。

また、1か月を平均して1週40時間(あらかじめ決められた総労働時間以内なら、その期間内に48時間の週があっても、残業手当を支払わなくても構いません。

つまり、各個人が効率的に時間配分を行うことで、残業時間の削減に繋がると言えるでしょう。

メリット3:ワークライフバランスが取りやすい

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フレックスタイム制を導入すると、仕事と私生活のバランスを改善できるというメリットもあります。例えば、出勤前に自分の趣味などを楽しんだり、家族との団欒時間を作ったりすることも可能です。

ストレスの多い現代社会で、仕事中心になりすぎず、バランスよく家族・恋人・友人などと過ごす時間が増えるというのも魅力的と言えるでしょう。

メリット4:人材の確保に有効

フレックスタイム制の導入は社員の離職防止に繋がり、社員の採用も容易にすることができるので、人材の確保に有効です。

定型的な勤務形態では、結婚生活、子育て、介護、病気などで離職に至る場合でも、フレックスタイム制の場合であれば勤務の継続をしやすくなります。

また、フレックスタイム制を導入している企業はイメージも良いので、優秀な人材が集まりやすく、逆に優秀な人材の流出を防ぐことにも繋がります。

メリット5:自分でコントロールする働き方でモチベーションが上がる

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依頼されて行う仕事より、自分の判断で仕事をコントロールする方が、やる気が出るという人が多いです。

たとえば研究開発の場合、もう少しでアイディアが形になりそうなのに、定時で強制的に退社を命じられれば、やる気もアイディアも消えてしまうでしょう。

それを、「今日は区切りがつくまで頑張って、明日はゆっくりめに出社しよう」というような、フレキシブルな働き方ができれば、結果的に成果が上がると考えられます。

フレックスタイム制の問題点や課題5つ

フレックスタイム制の仕組みとメリット5つ|問題点や課題5つ
ここまでフレックスタイム制について見て来ましたが、この制度は「社員には」おおむね好評です。しかしながら、実際はフレックスタイムを導入する会社は減っています。いったん導入しても廃止する会社も少なくありません。

その原因はどこにあるのでしょうか。

ここからは、フレックスタイム制の導入減少、根付かない原因となる5つの問題点について解説して行きましょう。

問題1:社員間で不平不満が増える

たとえ、自分の会社がフレックスタイム制を取っていても、取引先の会社が同じとは限りません。その場合でも、取引先対応は通常どおりです。

そこで、同じ部署の社員が出社していない場合は、その業務を誰かが代わりに行うことになり、担当業務以外のことや取引先対応ををしなければならない社員が出てきます。

結果的に通常の労働時間制と変わらない社員と、うまくその時間を外して勤務している社員との間に摩擦が生じます。

問題2:時間にルーズな社員を生み出す

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特にしっかりと自己管理ができないスタッフの場合は、勤務時間がルーズになりやすく、逆に仕事の生産性を下げてしまうケースがあります。

出退勤の時間を自由に設定できるために、時間管理が疎かになったり、勤務自体がいい加減になってしまうというのが原因です。

実際にフレックスタイム制を採用したものの、時間にルーズな社員が増え、会社全体の生産性が下がってしまったために、この制度を廃止にした会社も少なくありません。

問題3:チームワーク力が低下する

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同じ時間帯での勤務が大幅に減少すれば、社員同士のコミュニケーション不足という問題が出てきます。さらに、コアタイムに打ち合わせなどが集中し、自身の担当業務に集中できないという事にも繋がります。

仕事には、顔を合わせてチームで動くことによって新たなアイディアが生まれたり、お互いへの信頼が芽生えたりするという側面があります。

チームワークが必要な業務を個別に行っていたら、効率が落ちることも考えられます。

問題4:給与計算が複雑

フレックスタイム制の仕組みとメリット5つ|問題点や課題5つ
フレックスタイム制を導入する場合、社員の出社時間も退社時間も異なることで、給与計算が複雑になるというデメリットも生じます。

その結果、日々の労働時間を集計する事務作業が大変になり、人事部の残業が社内で一番多いという矛盾を引き起こしています。

残業時間を減らし、自分の働きやすい勤務体制で働くことで作業効率を上げるはずが、一部の部署に負担がかかって、逆に不自由にさせてしまうのは解決すべき問題でしょう。

問題5:光熱費等で余分な経費が増える

フレックスタイムの導入で、労働者の出退勤時刻の範囲が広がると、各職場を利用する時間がおのずと長くなり、光熱費などが増大するというデメリットがあります。

極端な例ではありますが、勤務しているのがたった1人でも、朝早くから夜遅くまで部屋や施設を利用すれば、その分の照明や空調の費用は、丸一日分かかることになります。

社員全員が働きやすい職場づくりが今後の課題

フレックスタイム制の仕組みとメリット5つ|問題点や課題5つ
現在、日本政府は成長戦略の一環として多様な働き方の実現を掲げています。その中でのフレックスタイム制の普及は、重要なテーマと言えるでしょう。

本来のメリットを受けながら、上述のデメリットを解消するため慎重に導入し、導入後に起きる問題に迅速な改善を進める柔軟さが、この制度を会社に根付かせていくために重要となります。

ルーズな運用を改善する工夫を行うことが、社員全体が働きやすい職場作りに繋がると言えます。
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